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結論:並列と直列が混ざった回路の電流は、豆電球1個の抵抗を「1」とおき、並列部分をひとまとめにしてから全体の電流を出し、枝分かれ先へ抵抗の逆比で配るという3ステップで解けます。オームの法則の公式を知らなくても、小学生の比の計算だけで答えまでたどり着けます。
「直列と並列が混ざった途端に手が止まる」「解説を読んでも、なぜその数字になるのかが分からない」とお悩みではありませんか。電気回路は、解き方の型を一度つかめば得点源になりやすい単元です。
- 直列と並列が混ざった回路で、各豆電球に流れる電流の求め方
- 豆電球の明るさの順番を、迷わず判断する方法
- 豆電球が切れた・ショートしたときに、ほかの豆電球がどう変わるか
- 子どもがつまずく原因と、家庭での練習の進め方
私は早稲田アカデミーの講師として、また現在はプロ家庭教師として、中学受験生に電気回路を教えてきました。本記事では、その指導で使ってきた「比で解く手順」を中心にお伝えします。小学校の学習範囲は文部科学省の学習指導要領で確認していますが、各塾の教材や指導方法は塾ごとに異なるため、通っている塾の解き方がある場合はそちらを優先してください。特定の塾や教材から報酬は受け取っていません。
並列と直列が混ざった回路とは?中学受験で問われる電流の基本
豆電球が2個なら解けるのに、3個になると急に解けなくなる。その原因の多くは、回路の「形」を言葉で説明できないことにあります。この章では、混ざった回路の定義と、直列・並列それぞれのルールを整理します。
並列と直列が混ざった回路とは
並列と直列が混ざった回路とは、1本道でつながる直列部分と、途中で枝分かれする並列部分の両方を含む回路のことです。たとえば「豆電球Aのあとで導線が2本に分かれ、豆電球BとCを通ってから再び合流する」回路が代表例で、一般に「直並列回路」とも呼ばれます。
直列つなぎと並列つなぎの電流・抵抗の違い
| 項目 | 直列つなぎ | 並列つなぎ |
|---|---|---|
| 電流の通り道 | 1本道 | 途中で枝分かれする |
| 電流の大きさ | どこでも同じ | 分かれた電流の和が全体の電流 |
| 豆電球2個の抵抗 | 1+1=2 | 1÷2=0.5 |
| 豆電球n個の抵抗 | n | 1/n |
| 1個外すと | 回路が切れて全部消える | 残りはそのままつく |
※豆電球1個の抵抗を1、乾電池は理想的なもの(つなぐものによって電圧が変わらない)とした場合の、中学受験で一般的な考え方です。
小学校の授業と中学受験で扱う範囲の違い
文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)では、第4学年の「電流の働き」で乾電池の数やつなぎ方と豆電球の明るさ・モーターの回り方の関係を学びます。一方、抵抗の考え方や電流の大きさを数値で求める内容は、中学校第2学年の理科で扱う範囲です。
つまり、混ざった回路の電流計算は学校の授業だけでは身につかず、中学受験の理科で独自に練習する単元だと考えてください。理科全体の中での位置づけは中学受験理科の頻出分野と学年別の勉強法で整理しています。
混ざった回路の電流を求める解き方3ステップ
混ざった回路は、どれほど複雑に見えても同じ手順で解けます。ここでは「抵抗を1とおく」準備と、3つのステップを順に説明します。
豆電球1個の抵抗を「1」とおく比の考え方
まず、「豆電球1個と乾電池1個をつないだときの電流」を1と決めます。このとき豆電球1個の抵抗も1です。電流は「乾電池の数(直列の数)÷回路全体の抵抗」で求められると覚えておけば、あとは割り算と比の計算だけで済みます。
抵抗が2倍なら電流は半分、抵抗が半分なら電流は2倍という「逆比」の関係は、算数の比そのものです。比の扱いに不安がある場合は、中学受験算数の学年別の勉強法で土台を固めておくと理科が楽になります。
解き方の手順|並列部分をまとめて全体から配る
枝分かれして再び合流する部分を「1つの抵抗」とみなします。同じ豆電球2個の並列なら0.5、直列2個の枝と1個の枝の並列なら「2と1の並列」で2/3です。
ひとまとめにした抵抗と、残りの直列部分の抵抗を足します。乾電池の数をその合計で割ると、乾電池から出る全体の電流が出ます。
並列部分では、抵抗が小さい枝ほど電流が多く流れます。各枝の抵抗の逆比で全体の電流を分ければ、すべての豆電球の電流がそろいます。
並列部分の合成抵抗をすばやく出すコツ
抵抗aの枝と抵抗bの枝の並列は、a×b÷(a+b)で求められます。たとえば2と1の並列なら2×1÷3=2/3、2と2の並列なら4÷4=1です。同じ抵抗がn本並んでいるときは「1本分÷n」でかまいません。
答えが合っているか確かめる検算のコツ
電気回路は、答えを出したあとに自分で正しいかどうかを確かめられる単元です。私は生徒に、答えを出したら次の2点を確認するよう伝えていました。
- 合流点の和:枝の電流を足すと、全体の電流と一致するか(パターン2なら1/2+1=3/2)
- 枝どうしの「抵抗×電流」:並列の枝どうしで等しくなっているか(パターン2なら2×1/2=1、1×1=1)
2つ目は、中学校で学ぶ「並列部分の電圧は等しい」という性質を小学生向けに言い換えたものです。どちらかが合わなければ、回路の形の読み違いを疑ってください。
よく出る3つの回路パターンで電流と明るさを計算
3ステップを、基本となる3つの形に当てはめてみます。数字はすべて「豆電球1個・乾電池1個の電流を1」とした計算値です。
パターン1:豆電球1個のあとに2個の並列がつながる回路
- BとCの並列をまとめる:1÷2=0.5
- 全体の抵抗:Aの1+0.5=1.5、全体の電流:1÷1.5=2/3
- Aは直列部分なので2/3がそのまま流れる。BとCは抵抗が同じなので半分ずつ1/3
明るさの順番はA>B=Cです。Aは豆電球1個だけの回路(電流1)より暗く、BとCはさらに暗くなります。
パターン2:直列2個の枝と1個の枝が並列になる回路
豆電球AとBを直列にした枝と、豆電球Cだけの枝が、乾電池に並列でつながる形です。
- 枝の抵抗:A-Bの枝は2、Cの枝は1
- 並列をまとめる:2×1÷(2+1)=2/3、全体の電流:1÷2/3=3/2
- 抵抗の比2:1の逆比1:2で配る。A-Bの枝に1/2、Cの枝に1
明るさの順番はC>A=Bです。Cは乾電池に直接つながっているのと同じなので、豆電球1個だけの回路と同じ明るさになります。
パターン3:乾電池を2個にしたときの電流の変化
| 乾電池 | 豆電球A | 豆電球B・C | 乾電池の持ち |
|---|---|---|---|
| 1個 | 2/3 | 1/3ずつ | 基準 |
| 2個を直列 | 4/3 | 2/3ずつ | 短くなる |
| 2個を並列 | 2/3 | 1/3ずつ | 長くなる |
乾電池を直列にすると、回路の形が同じならすべての電流が2倍になります。並列にした場合は電流が変わらず、乾電池が長持ちするだけです。
豆電球が切れた・ショートしたときの変化
Bが切れるとBの枝には電流が流れず、回路はAとCの直列(抵抗2)になります。電流は1÷2=1/2なので、Aは2/3→1/2で暗くなり、Cは1/3→1/2で明るくなります。「1個切れたらほかは全部暗くなる」と思い込んでいると、ここで間違えます。
Aの両端を導線で結ぶと、電流は抵抗のない導線を通るためAは消えます。A-Bの枝は抵抗1になり、Cの枝(抵抗1)と同じになるので、BとCに1ずつ、全体で2の電流が流れます。
元塾講師が見てきたつまずきポイントと対策
解き方の手順を知っていても、テストになると点が取れない子は少なくありません。ここでは、私が中学受験生を指導する中で繰り返し見てきた間違い方と、その直し方をお伝えします。
「並列は電流が半分」と丸暗記してしまう
電気回路が苦手な子に多いのが、「並列なら半分」というルールだけを覚えているケースです。パターン1ならたまたま正解しますが、パターン2のように枝の抵抗が違う回路では通用しません。
私は、「半分になるのは枝の抵抗が同じときだけ」と必ずセットで教えるようにしていました。暗記ではなく、「抵抗が小さい道ほど電流がたくさん通る」という理由から説明できるかどうかが、得点が安定するかの分かれ目だと感じています。
回路図を描き直さずに解こうとする
入試の回路図は、わざと斜めに描かれていたり、導線が交差して見えたりします。見たままの形で考えると、どこが直列でどこが並列なのか判断を誤ります。
私が勧めているのは、「分かれる点」と「合流点」に印をつけ、その間を並列部分として四角く描き直すことです。描き直しには少し時間がかかりますが、私の指導経験では計算ミスよりも形の読み違いのほうが失点につながりやすいので、時間をかける価値があります。
分数の電流を小数に直して計算が崩れる
2/3を0.66…と小数に直した途端、その後の比が合わなくなる子もいます。電気回路の電流は3分の1、3分の2のように割り切れない値が普通に出てくるため、最後まで分数のまま扱う習慣をつけておくと安心です。
比で解く方法の注意点と限界
比で解く方法は便利ですが、どんな問題にも使える万能の方法ではありません。前提を知らずに使うと、かえって混乱することもあります。
明るさは電流に比例するとは限らない
同じ豆電球どうしなら、電流が大きいほど明るくなるので、明るさの順番は電流の順番で決まります。ただし、電流が2倍になったからといって明るさがちょうど2倍になるわけではありません。中学校で学ぶ電力の考え方では、同じ抵抗に流れる電流が2倍になると消費する電力は4倍になります。
明るさを比べる問題ではまず「順番」で考え、「何倍の明るさか」を問われた場合は、問題文の条件に従ってください。
実際の豆電球や乾電池は理想どおりに動かない
入試問題は「豆電球の抵抗は一定」「乾電池の電圧は変わらない」という理想的な条件で作られています。実物の豆電球は温度によって抵抗が変わり、乾電池も流す電流が大きいと電圧が下がるため、家庭で実験しても計算どおりの明るさにならないことがあります。実験結果と計算が合わなくても、解き方が間違っているとは限りません。
- 抵抗の大きさが異なる電熱線を組み合わせ、具体的な数値(VやmAなど)で答える問題
- 電流計や電圧計の目盛りを読み取らせる問題
- 回路がはしご状に何段も続く複雑な問題
こうした問題は、比の考え方を土台にしつつ、各校の過去問で形式に慣れる必要があります。
本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。
家庭での学習の進め方と次の一歩
解き方を読んで理解したら、次は手を動かす段階です。家庭でできる練習の順番と、つまずいたときの頼り先を紹介します。
今日からできる3段階の練習方法
豆電球2〜3個の回路を見て、全体の抵抗を3秒で言えるまで練習します。
回路図を自分で描き、3ステップを声に出しながら解きます。答えを覚えているかではなく、手順を説明できるかを確認します。
回路の形が変わる問題は、変わったあとの回路を描き直してから同じ3ステップで解きます。
電気回路は、保護者の方が「オームの法則」で教えると、子どもが塾で習った比の解き方と食い違って混乱することがあります。家庭では答えを教えるより、「どこで分かれて、どこで合流している?」と回路の形を質問するだけでも十分な手助けになると私は考えています。
独学でつまずいたときの選択肢
| 状況 | 考えられる選択肢 |
|---|---|
| 塾に通っている | まず塾の質問教室や担当講師に、テキストの解き方で質問する |
| 映像で繰り返し見たい | オンライン映像授業で基礎を復習する |
| 理解の穴を個別に埋めたい | 個別指導塾や家庭教師に、苦手単元だけを依頼する |
映像授業を中学受験に使う場合の向き不向きはスタサプで中学受験に対応できるかの検証で解説しています。
小学生向け講座の実際の評判はスタサプ小学講座の口コミ・評判で解説しています。
個別の指導を検討する場合は、中学受験で家庭教師が必要になる場面と選び方も参考にしてください。
並列と直列が混ざった回路のよくある質問
保護者の方や受験生から寄せられやすい疑問に、Q&A形式でお答えします。
並列と直列が混ざった回路は何年生で習いますか?
Q. 並列と直列が混ざった回路は何年生で習いますか?
A. 小学校の授業では4年生で乾電池や豆電球の直列つなぎ・並列つなぎを学びますが、豆電球が混ざった回路の電流を数値で求める問題は学習指導要領の範囲を超えており、中学受験塾のカリキュラムで扱われます。扱う学年は塾によって異なります。
オームの法則を知らないと解けませんか?
Q. オームの法則を知らないと解けませんか?
A. 解けます。中学受験では、豆電球1個の抵抗を1とおき、電流を比で求める方法が一般的です。考え方の中身はオームの法則と同じですが、公式を覚えていなくても比の計算だけで答えを出せます。
電流が2倍になると豆電球の明るさも2倍になりますか?
Q. 電流が2倍になると豆電球の明るさも2倍になりますか?
A. 同じ豆電球どうしなら、明るさの順番は電流の大きさの順番で決まります。ただし明るさが電流にちょうど比例するわけではないため、明るさを比べるときはまず順番で考え、何倍明るいかを問われた場合は問題文の条件に従って判断します。
乾電池を並列につなぐと電流は大きくなりますか?
Q. 乾電池を並列につなぐと電流は大きくなりますか?
A. 入試問題の前提では、同じ乾電池を並列につないでも回路に流れる電流は乾電池1個のときと変わりません。変わるのは乾電池が長持ちする点です。電流を大きくしたいときは乾電池を直列につなぎます。
ショートした豆電球はどうなりますか?
Q. ショートした豆電球はどうなりますか?
A. 豆電球の両端が導線だけで結ばれると、電流は抵抗のない導線の側を流れるため、その豆電球には電流が流れず消えます。なお実際の乾電池をショートさせると発熱して危険なため、家庭で実験として試すことは避けてください。
電流計はどこに入れても同じ値を示しますか?
Q. 電流計はどこに入れても同じ値を示しますか?
A. 電流計は回路に直列につなぎ、入れた導線を流れる電流を示します。たとえば本記事のパターン1では、乾電池の近くや豆電球Aの前後に入れると2/3、豆電球Bの枝の中に入れると1/3を示すように、入れる位置によって値が変わります。
まとめ:並列と直列が混ざった回路の電流は中学受験の比で解ける
並列と直列が混ざった回路は、抵抗を1とおく→並列をまとめる→全体の電流を出す→逆比で配るの手順で、どの形でも同じように解けます。
- 直列は抵抗を足し、並列は「積÷和」でまとめる
- 並列の枝には、抵抗の逆比で電流が分かれる
- 豆電球が切れる・ショートする問題は、回路を描き直してから同じ手順で解く
- 明るさの順番は電流で決まるが、明るさが電流に比例するとは限らない
- オームの法則を習う前の小学生
- 「並列は半分」の暗記で解いていて、応用問題で点が取れない人
- 家庭で保護者が解き方を確認したい人
- 塾で別の解き方を指導されていて、すでに安定して得点できている人
- 電圧計・電流計の読み取りや、具体的な数値で答える問題が中心の学校を志望する人
まずはパターン1とパターン2を、何も見ずに解き直してみてください。電気回路を含めた受験全体の計画は学年別にまとめた中学受験の攻略ロードマップで確認できます。塾や家庭教師の比較から考えたい場合は学習塾・家庭教師のおすすめ比較も用意しています。

kou(教育系Webライター・プロ家庭教師)
- 中学時代に早稲田アカデミーに通い、慶應義塾高等学校に合格
- 慶應義塾大学経済学部卒業。在学中に早稲田アカデミーで多数の受験生を指導
- 指導歴10年超。中学受験・高校受験・大学受験、中高一貫校生、浪人生、不登校・発達障害のお子さんの指導経験あり
この記事を書く理由:塾講師と家庭教師の両方の立場で、中学受験の理科を教えてきました。比で解く方法は、オームの法則を習う前の小学生に回路を教える中で私が一貫して使ってきた方法で、その手順を家庭でも再現できる形にまとめています。
- 調査対象:中学受験理科における、並列と直列が混ざった回路の電流の解き方
- 調査方法:文部科学省の学習指導要領の確認/著者の指導経験に基づく解法の整理/記事内の電流値はすべて著者が計算
- 調査実施日:2026年10月16日
- 情報の限界:個別の中学校の入試問題の出題頻度や、各塾のカリキュラムで扱う学年は調査していません。記事内の計算は、豆電球の抵抗と乾電池の電圧が一定という入試問題の前提に基づきます。
- 利益相反の有無:なし(本記事で紹介する塾・教材から報酬は受け取っていません)
- 文部科学省「平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説)」(参照日:2026年10月16日)
- 消費者庁「景品表示法」関連ページ(参照日:2026年10月16日)
公開日:2026年10月16日/最終更新日:2026年10月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。

