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🎓 この記事を書いた人

kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
中学時代に早稲田アカデミーへ通い慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部在学中は早稲田アカデミーで受験生を指導。指導歴10年超、中学受験・高校受験・大学受験の指導経験あり。
中学受験をしなかった当事者と、進学塾で受験生を指導した講師の両方の立場から執筆しています。
公開日:2026年10月15日/最終更新日:2026年10月15日
※情報変更があった場合は随時更新します。
🎯 結論
結論:中学受験の撤退は、偏差値ではなく「子どもの心身」「本人の意思」「学習が回っているか」「家庭が続けられるか」の4つで見極めるのがおすすめです。とくに心身の不調が続いているなら、時期に関係なく受験より回復を優先してください。
「ここまで頑張ってきたのに、やめたら全部無駄になるのでは」「続けさせて子どもを追い詰めていないか」——どちらの不安も、塾の現場で保護者の方から何度も聞いてきた言葉です。
📋 この記事でわかること
- 中学受験の「撤退」と、志望校変更・転塾との違い
- 撤退を見極める4つの判断軸と、家庭でできるチェックリスト
- 学年・時期によって変わる撤退判断のポイント
- 公立中と私立中の学習費の差(文部科学省の調査データ)
- 撤退を決めたあとの子どもへの伝え方と、高校受験への切り替え方
💬 この記事の立ち位置
私は中学受験ではなく高校受験で慶應義塾高校に進み、大学時代には早稲田アカデミーで受験生を指導してきました。「中学受験をしなかった側」と「中学受験を教えた側」の両方を経験しているからこそ、撤退を敗北とも、続行を正解とも決めつけずにお伝えできると考えています。
なお、私は特定の塾や学校から報酬を受けておらず、本記事で特定の進路を勧める利害関係はありません。一般的な傾向をもとに書いているため、お子さまの状況によっては当てはまらない部分もある点をご了承ください。
中学受験の「撤退」とは?見極めが必要になる背景
📌 この章のポイント
「撤退」と一口にいっても、受験そのものをやめるのか、志望校を変えるのか、塾を変えるのかで意味はまったく違います。まずは言葉を整理し、なぜ多くの家庭が途中で迷うのかを確認しましょう。
中学受験の撤退とは何を指すのか
🔍 撤退の定義
中学受験の撤退とは、受験勉強を始めたあとに、中学入試を受けない(または私立・国立の受験をやめる)と決めることを指します。撤退後は地元の公立中学校へ進み、高校受験で進路を選び直すのが一般的です。
一方で、受験は続けたまま志望校のレベルを調整したり、塾を変えたりするのは「撤退」ではなく「戦略の変更」です。この区別があいまいなまま話し合うと、親子の会話がかみ合わなくなりがちです。
撤退・志望校変更・転塾の違い
🆚 3つの選択肢の比較
| 選択肢 | 中身 | 向いている状況 |
|---|---|---|
| 撤退 | 中学入試を受けず、公立中へ進む | 心身の不調が続く/本人に受験する理由がない |
| 志望校変更 | 受験は続け、受ける学校を組み直す | 本人は受けたいが、今の目標が重すぎる |
| 転塾・ペース調整 | 塾や学習量を変えて続ける | 塾の進度・クラス・雰囲気が合っていない |
「撤退するかどうか」を考える前に、残り2つで解決できないかを一度確認するのが、後悔を減らす順番です。
撤退に迷う家庭が多い3つのタイミング
💡 講師時代に感じた「迷いが出やすい時期」
私が指導していた頃、保護者の方から「このまま続けていいのか」と相談されることが多かったのは、次の3つの時期でした。
- 新5年生(4年生の2月〜):学習量と難度が一段上がり、宿題が回らなくなる
- 5年生の夏〜秋:算数で割合・比・速さなど抽象度の高い単元が続き、「解き方は覚えたのに使えない」状態になりやすい
- 6年生の夏〜秋:過去問が始まり、志望校との距離がはっきり見える
どの時期も「急に成績が下がった」というより、負荷が上がったタイミングでそれまでの無理が表に出るという印象です。学年ごとの全体像は学年別の中学受験ロードマップで整理しています。
中学受験の撤退を見極める4つの判断軸
📌 この章のポイント
「偏差値が○○を切ったらやめる」と決めている家庭は少なくありません。ですが、数字だけで決めると、伸びる直前の子を止めてしまったり、逆に限界を超えた子を走らせ続けてしまったりします。ここでは、判断の順番も含めて4つの軸をご紹介します。
偏差値だけで撤退を決めないほうがいい理由
✏️ 数字が示すもの・示さないもの
中学受験の偏差値は、模試ごとに受けている母集団が違うため、同じ子でも模試によって数値が大きく変わります。たとえば上位層が多く受ける模試では、偏差値が低めに出やすくなります。模試4社の偏差値の違いを知らないまま数字を見ると、実力以上に悲観してしまうことがあります。
講師として生徒を見てきた実感でいえば、偏差値は「今の位置」を示しますが、「この先伸びるかどうか」は、復習の質や本人の納得感のほうがよく表していると感じます。
判断軸①子どもの心身に出ているサイン
⚠️ 最優先で確認したいサイン
- 寝つけない、夜中に何度も起きる状態が続いている
- 食欲が落ちた、または急に食べすぎるようになった
- 塾や模試の前になると腹痛・頭痛・吐き気を訴える
- 髪を抜く、爪をかむ、まばたきが増えるなどの癖が出てきた
- 好きだった遊びや趣味に興味を示さなくなった
- 「どうせ自分なんか」と自分を否定する言葉が増えた
こうした様子が数週間にわたって続く、または登校や日常生活に支障が出ている場合は、受験を続けるかどうかより先に、小児科やスクールカウンセラーへの相談を検討してください。この軸に当てはまるときは、ほかの3つの軸より優先します。
📝 相談先について
本記事は医療的な診断や助言の代わりになるものではありません。お子さまの体調や心の状態が気になる場合は、医師や専門家にご相談ください。子どもや保護者が夜間・休日も相談できる窓口として、文部科学省の24時間子供SOSダイヤルがあります。
判断軸②本人に「受けたい学校」があるか
💬 意思は「言葉」より「行動」で見る
小学生に「受験したい?」と聞くと、多くの子は親の顔色を見て答えます。そこで私は、言葉よりも次のような行動を見るようにしていました。
- 学校説明会や文化祭のあと、その学校の話を自分からするか
- 苦手な単元でも、志望校の過去問なら手を伸ばすか
- 模試の結果が悪くても、次にどうするかを自分で口にするか
行きたい学校がはっきりしている子は、成績が苦しい時期でも踏ん張れることが多いです。反対に、受験する理由が「みんなが受けるから」「親が言うから」しかない状態なら、一度立ち止まって話し合う価値があります。
判断軸③復習まで学習が回っているか
✏️ 成績より先に崩れるのは「復習」
大手進学塾のカリキュラムは、授業→家庭での復習→テストという流れで組まれています。講師時代に成績が崩れていく生徒を見ていると、テストの点より先に「宿題をこなすだけで精いっぱいで、間違えた問題を解き直す時間がない」状態になっていることがほとんどでした。
家庭で確認するなら、宿題の正答率よりも「一度間違えた問題を、数日後に何も見ずに解き直して正解できるか」を見るのがおすすめです。これができていれば、偏差値が伸び悩んでいても土台は崩れていないと私は判断していました。
この状態は、撤退の理由になる場合もあれば、塾のクラスや学習量を調整すれば立て直せる場合もあります。家庭での学年別の勉強時間の目安と比べて、明らかに時間が足りていないのか、時間はあるのに回っていないのかを切り分けてみてください。
判断軸④家庭が続けられる状態か(費用・時間・親子関係)
🔍 家庭側で確認したいこと
- 費用:6年生の講習・特訓費まで含めて、無理なく払えるか
- 時間:送迎・弁当・丸付けなどを、誰がいつまで担えるか
- 親子関係:勉強の話になると毎回けんかになっていないか
- きょうだい:ほかの子どもの生活に大きな負担が出ていないか
中学受験は子ども一人の挑戦ではなく、家庭全体のプロジェクトです。家庭側が限界に近い場合、それを子どもは敏感に感じ取ります。塾費用の具体的な目安は大手4塾の月謝と3年総額でまとめています。
撤退を見極めるチェックリストと判断フロー
🧮 判断の順番を図で確認する
📋 家庭でできる撤退判断チェックリスト
- 心身の不調(睡眠・食欲・体の痛み・癖)が数週間にわたって続いていないか
- 本人が受けたい学校を、自分の言葉で説明できるか
- 間違えた問題の解き直しに、週のどこかで時間を取れているか
- 模試の結果ではなく、学習の中身について親子で話せているか
- 6年生の講習・特訓費まで見通した資金計画があるか
- 勉強をめぐる親子げんかが、週に何度も起きていないか
- 受験しない場合の進路(公立中→高校受験)を親子で一度は話したか
1に当てはまる場合は最優先で対応を。2〜7で「いいえ」が多いほど、撤退か戦略変更を話し合うタイミングだと考えられます。
学年・時期別に見る撤退判断のポイント
📌 この章のポイント
同じ「やめたい」でも、4年生と6年生の秋では、取れる選択肢も撤退にかかるコストも違います。時期ごとに、何を優先して判断すべきかを整理します。
4年生〜5年生前半:撤退しても立て直しやすい時期
🔰 この時期の考え方
まだ受験までに時間があり、撤退しても公立中の学習や高校受験への切り替えがしやすい時期です。一方で、学習習慣が身についていないだけで「向いていない」と判断するのは早いこともあります。
この時期は、通塾ペースを落とす、通信教材や動画授業に切り替えて家庭学習で様子を見るといった「中間の選択肢」も取りやすいのが特徴です。たとえば、塾をいったん休んでスタサプ小学講座のような動画教材で基礎を固め直すという道もあります。
5年生後半〜6年生夏:撤退か戦略変更かの分かれ目
⚠️ 迷いが最も深くなる時期
学習内容が最も重くなり、これまでの投資額も大きくなっているため、「ここまで来たのだから」という気持ちが強くなりやすい時期です。ただ、それまでにかけた費用は、撤退しても続けても戻ってこないことを冷静に切り分けて考える必要があります。
この時期は「撤退」か「続行」の二択にせず、志望校を本人に合う学校へ組み直す、集団塾から個別指導や家庭教師へ切り替えるといった選択肢も並べて検討してください。塾の向き不向きは大手6塾の比較も参考になります。
6年生秋以降:撤退より「受験校の組み直し」を先に考える
💡 直前期に私が勧めてきたこと
直前期に「もう無理」と言い出す子は珍しくありません。私の経験では、その多くは受験そのものではなく、届くかどうかわからない第一志望だけを見て、毎日否定される感覚に疲れている状態でした。
そのため、心身の不調がない場合は、撤退を決める前に「合格の見込みがある学校を必ず入れる」「受験校数を減らす」など、併願の組み方を見直すことをまず提案していました。入試日程と併願の考え方は首都圏・関西の入試日と併願の組み方で解説しています。
もちろん、心身に不調が出ている場合は、時期に関係なく撤退を選んでいいと私は考えます。
元早稲アカ講師が見てきた「やめる・続ける」の分かれ目
💬 この章のポイント
ここからは、私自身の受験経験と、講師として受験生を見てきた経験から感じていることをお伝えします。特定の生徒のエピソードではなく、多くの生徒を見る中で繰り返し感じた傾向としてお読みください。
中学受験をしなかった私が高校受験で感じたこと
📖 「中学受験だけが道ではない」の実感
私は中学受験をせず、中学生になってから早稲田アカデミーに通い、高校受験で慶應義塾高校に合格しました。公立中から高校受験で難関校を目指すルートは、今も確かに存在します。
ただし、首都圏では高校からの募集を行わない私立中高一貫校もあり、中学受験でしか入れない学校があるのも事実です。撤退は「同じ学校に別ルートで行ける」という意味ではない点は、正直にお伝えしておきます。中学受験組と高校受験組の違いについてはどちらが頭がいいかという疑問を整理した記事でも触れています。
続けて伸びた子と苦しくなった子の違い
✏️ 講師として感じた違い
| 観点 | 続けて伸びやすかった子 | 苦しくなりやすかった子 |
|---|---|---|
| 間違いへの反応 | 「なぜ間違えたか」を説明できる | 点数だけを気にして解き直さない |
| 家庭での会話 | 学習の中身や学校の話が多い | 順位・偏差値・クラスの話が中心 |
| 目標 | 行きたい学校が具体的 | 「上のクラスに残る」が目標になっている |
| 休み方 | 週に1日は勉強しない時間がある | 休むことに罪悪感を持っている |
成績の高い・低いより、「点数」ではなく「中身」に親子の関心が向いているかどうかが、続けて伸びるかの分かれ目だったと感じています。
親が見落としやすい「撤退の言い出し方」
💡 撤退は「結論」より「伝え方」で後に残るものが変わる
撤退そのものより子どもの心に残りやすいのは、「親をがっかりさせた」という感覚です。成績が悪かった直後に「もうやめなさい」と伝えると、子どもは撤退を「罰」として受け取ってしまうことがあります。
撤退を切り出すなら、模試の返却日などは避け、落ち着いた日に「あなたに合う道を一緒に選び直したい」という形で伝えるのがおすすめです。具体的な伝え方の手順は、後半の「撤退を決めたあとにやること」で紹介します。
撤退のデメリット・注意点と続けるリスク
📌 この章のポイント
撤退にも続行にも、それぞれリスクがあります。どちらか一方だけを見て決めると後悔につながりやすいため、両方を並べて比べてみましょう。
撤退で起こりうるデメリット
❌ 撤退のデメリット
- これまでの塾代・教材費は基本的に戻らない
- 高校からの募集がない私立中高一貫校には、その後入る道がなくなる
- 伝え方によっては、子どもが「自分は失敗した」と感じてしまう
- 同じ塾の友人関係や、周囲の受験生との距離感に悩むことがある
- 公立高校入試では内申点(通知表の評価)が合否判定に使われるため、中学1年生から定期テスト対策が必要になる
無理に続けた場合のリスク
⚠️ 続行に潜むリスク
- 心身の不調が長引き、受験後の生活にまで影響が残ることがある
- 「勉強=つらいもの」という感覚が強く残り、中学以降の学習意欲に響く
- 合格しても、学校の授業についていくのに苦労する場合がある
- 親子関係がこじれ、思春期の会話に影響が出ることがある
どちらにもリスクはありますが、撤退のデメリットの多くは「進路」の問題で、後からでも取り返しやすいのに対し、心身や親子関係のダメージは回復に時間がかかりやすいと私は考えています。
公立中と私立中の学習費はどれくらい違う?
📊 公立中・私立中の学習費総額(年額)
| 区分 | 年額 | 3年間の単純合計 |
|---|---|---|
| 公立中学校 | 542,475円 | 約163万円 |
| 私立中学校 | 1,560,359円 | 約468万円 |
文部科学省「令和5年度子供の学習費調査」によると、私立中学校の学習費総額は公立中学校の約2.9倍です。学習費総額には、授業料などの学校教育費に加え、給食費や塾・習い事などの学校外活動費も含まれます。
📝 費用データの注記
本記事の費用情報はあくまで目安です。学校や地域、家庭の方針によって実際の金額は大きく異なります。上記は全国平均であり、3年間の金額は年額を3倍した単純計算です。また、中学受験の塾費用(小学4〜6年生)はこの数字に含まれません。最新の数値は文部科学省の公表資料でご確認ください。
撤退を決めたあとにやること・続ける場合の立て直し方
📌 この章のポイント
撤退を決めたら終わりではなく、そこからが新しいスタートです。子どもへの伝え方、塾の手続き、次の進路に向けた学習まで、順番に確認していきましょう。続ける場合の立て直し方もあわせて紹介します。
子どもへの伝え方の手順
📋 伝え方のステップ
模試の返却日やテスト直後は避け、時間に余裕のある休日に話します。
「毎週の計算練習を続けてきたね」など、結果ではなく取り組みを言葉にします。
「やめる」ではなく「あなたに合う道に切り替える」という言い方を意識します。
公立中での部活や高校受験など、先にある楽しみや目標を一緒に話します。
決めた後に「やっぱり受けたい」と言うこともあります。その気持ちも否定せず、もう一度話し合います。
友だちや親戚に聞かれたときは「高校受験で頑張ることにした」など、本人が言いやすい一言を一緒に決めておくと、説明に困らずにすみます。
塾をやめる前に確認したいこと
❗ 退塾前の確認ポイント
- 退塾届の提出期限(月末締めなど、塾ごとに異なる)
- 前払いした講習費・月謝の扱い
- 教材費やテスト代の精算方法
- 休塾制度があるかどうか(いきなり退塾せず様子を見る選択肢)
これらは塾ごとに規約が異なるため、入塾時の書類や塾の窓口で必ず確認してください。とくに休塾制度がある塾なら、撤退を最終決定する前の「お試し期間」として使える場合があります。
公立中・高校受験へ切り替える学習の進め方
✅ 中学受験の勉強は高校受験で生きる
中学受験で鍛えた計算力や読解力、理科・社会の知識は、中学校の学習でそのまま役に立ちます。撤退後は、小学校の残り期間で「先取り」より「学校生活と基礎の安定」を優先し、中学入学後は定期テストと内申点を意識した学習に切り替えるのがおすすめです。
高校受験の準備をいつ始めるかは時期別の始め方で解説しています。
📖 高校受験組として感じた切り替えのコツ
私は中学から進学塾に通い、高校受験で慶應義塾高校に合格しました。高校受験の指導をしていても感じるのは、中学受験の勉強をしてきた子は数学の文章題や国語の読解では最初から有利な一方、英語は中学受験の科目に含まれないことが多く、準備が手薄になりがちだということです。
撤退後の小学校の残り期間は、算数の先取りに偏るより、英語に親しむ時間を少しずつ作っておくと、中学入学後の定期テストで慌てずにすむと考えています。
🔍 公立中高一貫校という選択肢
私立中学受験をやめても、公立中高一貫校の受検を目指すという道もあります。公立中高一貫校は一般的に学力試験ではなく適性検査で選抜し、作文や資料の読み取り、思考の過程を問う問題が中心です。私立中学の入試問題とは対策の方向が異なるため、切り替える場合は志望校の過去の検査問題を早めに確認してください。
撤退しないと決めた場合の立て直し方
🧭 続けるなら「やり方」を変える
- 志望校を組み直す:合格の見込みがある学校を必ず併願に入れる
- 学習量を絞る:塾の宿題を全部やるのではなく、優先順位をつけて復習の時間を確保する
- 指導形態を変える:集団塾が合わない場合は、個別指導や家庭教師で弱点に絞る
- 家庭学習の道具を見直す:苦手単元だけ動画授業で補う
家庭学習の補助として動画教材を使う場合の向き不向きは、スタサプで中学受験に対応できるかを検証した記事で解説しています。
集団塾から個別指導へ切り替える場合は、個別指導キャンパスの口コミ分析で、個別指導の実態を確認できます。
中学受験の撤退に関するよくある質問
❓ よくある質問
撤退を考え始めた保護者の方からよく寄せられる疑問に、Q&A形式でお答えします。
中学受験を途中でやめたら、それまでの勉強は無駄になりますか?
❓ Q&A
A. 無駄にはなりません。中学受験の算数で鍛えた思考力や、国語の読解量、理科・社会の知識は、中学校の学習や高校受験で十分に生かせます。大切なのは、撤退を「失敗」ではなく「進路の切り替え」として子どもに伝えることです。
撤退を決める「偏差値いくつ以下」という基準はありますか?
❓ Q&A
A. 全員に当てはまる偏差値の基準はありません。模試によって母集団が違い、同じ子でも数値が大きく変わるためです。偏差値そのものより、復習が回っているか、本人に受けたい学校があるか、心身に無理が出ていないかで判断することをおすすめします。
子どもが「やめたい」と言ったら、すぐにやめさせるべきですか?
❓ Q&A
A. 一時的な疲れや、特定の科目・テストへの不満から出る言葉であることも多いため、まずは理由を落ち着いて聞くことが先です。ただし、睡眠や食欲の乱れ、腹痛・頭痛などの体調不良が続いている場合は、受験より心身の回復を優先してください。
6年生の秋以降でも撤退できますか?
❓ Q&A
A. 撤退は可能です。ただし直前期は、受験をやめるより、受験校を本人に合う学校へ組み直したり受験校数を絞ったりする選択肢も検討できます。心身の不調がある場合は、時期に関係なく撤退を含めて判断してください。
撤退したら、払った塾代は戻ってきますか?
❓ Q&A
A. 既に受講した分の授業料や教材費は、原則として戻らないと考えておくのが現実的です。前払いの講習費や月謝の扱い、退塾届の締切は塾ごとに規約が異なるため、在籍している塾の規約で確認してください。
私立中学受験を撤退して、公立中高一貫校だけ受けることはできますか?
❓ Q&A
A. 可能です。公立中高一貫校は学力試験ではなく適性検査で選抜するのが一般的で、作文や資料の読み取りが中心になります。私立中学受験とは対策の方向が異なるため、切り替える場合は早めに過去の検査問題を確認してください。
まとめ:中学受験の撤退は4つの判断軸で見極めて親子で決める
🎯 この記事のまとめ
- 撤退は「受験をやめること」。志望校変更や転塾とは分けて考える
- 最優先は子どもの心身。不調が続くなら時期に関係なく回復を優先する
- 偏差値より「本人の意思」「復習が回っているか」「家庭が続けられるか」を見る
- 6年生の秋以降は、撤退より受験校の組み直しを先に検討する価値がある
- 撤退のデメリットの多くは進路面で、高校受験で取り返しやすい
- 撤退を伝えるときは「罰」ではなく「選び直し」として話す
📋 最終チェック
| 撤退を検討したほうがよい | 続行を検討してよい |
|---|---|
| □ 心身の不調が続いている | □ 心身は安定している |
| □ 受験の理由が「親が言うから」だけ | □ 行きたい学校を自分で語れる |
| □ 宿題で手一杯で解き直しができない | □ 解き直しの時間が取れている |
| □ 勉強のたびに親子げんかになる | □ 学習の中身を親子で話せる |
💬 最後に
中学受験をやめることも、続けることも、どちらも子どもの将来を考えた末の選択です。私自身、中学受験をしなかったからこそ出会えた環境がありました。大切なのは「どちらを選んだか」より、「親子で納得して選べたか」だと考えています。
続ける場合も撤退する場合も、次の学習環境選びで迷ったら学習塾・家庭教師の比較ランキングを参考にしつつ、塾の先生や学校の先生にも相談してみてください。
📝 進路選択についての注記
本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。
🎓 著者プロフィール

kou|教育系Webライター・プロ家庭教師(フリーランス)
中学時代に早稲田アカデミーへ通い、慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部卒業。在学中は早稲田アカデミーで多数の受験生を指導。指導歴10年超。中学受験・高校受験・大学受験・中高一貫校・浪人生・不登校・発達障害の指導経験があります。
この記事を書く理由:中学受験をせず高校受験で難関校に進んだ当事者であり、同時に進学塾で受験生を指導してきた立場から、撤退と続行のどちらにも偏らない判断材料をお届けできると考えたためです。
📚 調査概要
- 調査対象:中学受験の撤退判断に関する公的データ・一般的な入試制度
- 調査方法:公的機関の資料調査(文部科学省)/著者の指導経験と業界知見
- 調査実施日:2026年10月15日
- 情報の限界:撤退した家庭の割合やその後の進路を示す公的な統計は確認できませんでした。本記事の傾向は著者の指導経験に基づくもので、すべてのご家庭に当てはまるものではありません。塾ごとの退塾規約は個別に確認していません。
- 利益相反の有無:なし(特定の塾・学校・教材から報酬を受けていません)
📚 参考文献・引用元
- 文部科学省「令和5年度子供の学習費調査の結果について」(2026年10月15日参照)
- 文部科学省「24時間子供SOSダイヤル」(2026年10月15日参照)
- 消費者庁「表示対策」(2026年10月15日参照)
🏷️ 記事情報
公開日:2026年10月15日/最終更新日:2026年10月15日
※情報変更があった場合は随時更新します。

