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🎓 この記事を書いた人
kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
指導歴10年超。早稲田アカデミーに通い慶應義塾高等学校へ進学、慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中は早稲田アカデミーで多数の受験生を指導しました。現在はフリーランスとして、中学受験・高校受験・大学受験の指導と教育記事の執筆を行っています。
この記事を書く資格:公立高校入試の「制度そのもの」を読み解き、内申と当日点の比重から戦略を立てる作業は、10年以上の指導のなかで繰り返してきた領域です。ただし私は首都圏を中心に指導してきたため、愛知県の受験生を直接指導した経験はありません。本記事は愛知県教育委員会の公表資料を一次資料として読み解き、入試制度の設計を扱ってきた立場から解説しています。
公開日:2026年8月18日/最終更新日:2026年8月18日
※情報変更があった場合は随時更新します。
🎯 結論
結論:愛知県の高校受験でいう「組み合わせ」とは、一般選抜でAグループから1校・Bグループから1校を選び、その2校に第1志望・第2志望の順位をつけて出願することです。そして組み合わせの自由度は、学科(普通科か専門学科・総合学科か)→学区(尾張/三河)→群(尾張のみ第1群・第2群)→グループ(A/B)という4つの条件で決まります。
ここを取り違えたまま志望校を2つ選ぶと、「そもそも同時に出願できない2校」を候補にしていた、という事故が起こります。まずは制度の骨格を正確に押さえるところから始めてください。
📋 この記事で解決できること
- 「組み合わせ」とは具体的に何を選ぶことなのか
- 学区・群・グループの3層構造と、組めない組み合わせのパターン
- 校内順位がどう決まるか(評定得点+学力検査+方式Ⅰ〜Ⅴ)
- 第1志望・第2志望に有利不利はあるのか
- よくある組み合わせパターンと、自分に合う選び方
- 組み合わせを決めるときに見落とされがちな注意点
読み終えるころには、「わが子(自分)の場合、どの2校をどの順番で出願すべきか」を家庭で議論するための判断軸が手に入ります。
📚 情報の前提と限界
本記事は、愛知県教育委員会が公表する愛知県公立高等学校入学者選抜のページを一次資料として、2026年8月18日時点の情報をもとに執筆しています。グループ分け・群の所属校・各校が採用する校内順位の決定方式・入試日程は年度ごとに変わるため、出願時には必ず最新の公表資料をご確認ください。本記事の執筆に関して、特定の学習塾・高校からの便宜はありません。
愛知県の高校受験における組み合わせとは?複合選抜の基本ルール
🔰 この章で分かること
愛知県の中学3年生が最初につまずくのが、「志望校を2つ選べる」という話の意味です。他県から引っ越してきたご家庭であれば、なおさら戸惑うはずです。ここでは、複合選抜という仕組みの骨格と、組み合わせが成立する条件・成立しない条件を整理します。
組み合わせとは「AグループとBグループから1校ずつ」選ぶこと
📌 複合選抜の基本
愛知県の公立高校(全日制)は、県内の高校がAグループとBグループのいずれかに振り分けられています。一般選抜では、このAグループから1校、Bグループから1校、合計2校2学科まで出願できます。この仕組みが「複合選抜」と呼ばれるものです。
2校に出願する場合は、必ず一方を第1志望校、もう一方を第2志望校として順位をつけます。この「どの2校を、どちらを上にして出すか」の選択が、愛知県の高校受験でいう組み合わせです。
1校だけの出願も可能ですが、その場合は公立高校の受検機会が実質1回になります。私立の併願先と合わせて、家庭全体の受験プランとして考える必要があります。
学区・群・グループの3層構造を押さえる
🔍 組み合わせを縛る4つの条件
「AとBから1校ずつ」だけを覚えていると必ず失敗します。実際には、その前段に学科・学区・群という3つの条件が重なっているからです。
| 層 | 内容 |
|---|---|
| 学科 | 普通科は学区の制限を受ける。専門学科・総合学科は全県で1学区とされ、居住地にかかわらず出願できる |
| 学区 | 普通科は「尾張学区」と「三河学区」に分かれ、原則として居住する学区内の高校に出願する |
| 群 | 尾張学区はさらに第1群・第2群に分かれる。三河学区に群の区分はない |
| グループ | 各高校がAグループ・Bグループのいずれかに属する。ここから1校ずつ選ぶ |
普通科どうしを組む場合は、同じ群の中でAグループ1校・Bグループ1校という形になります。なお尾張学区には、第1群・第2群のどちらとも組み合わせられる共通校が設けられているとされ、これが選択肢を広げるカギになります。どの高校が共通校にあたるかは年度ごとの公表資料でご確認ください。
📝 注意
どの高校がどの群・どのグループに属するかは年度ごとに公表され、入れ替わることがあります。塾のサイトや前年の資料をそのまま信じず、必ずその年の愛知県教育委員会の公表資料で確認してください。「去年はA、今年はB」という入れ替わりは実際に起こります。
また、公立高校への出願には居住や保護者に関する要件があるとされています。転居予定がある場合や県外から受検を考えている場合は、県外の高校を受験するときの出願条件も踏まえたうえで、在籍中学校に個別にご相談ください。
組めない組み合わせのパターンと例外
❌ 出願できないパターン
- 同じグループの高校を2校:Aグループ2校、Bグループ2校はいずれも不可
- 群をまたぐ普通科2校:尾張第1群の高校と尾張第2群の高校の組み合わせは不可(共通校を除く)
- 2校とも第1志望:2校に出願する場合は、必ず一方を第1志望、他方を第2志望とする必要があります。順位の記載に不備があった場合の取り扱いは、その年の実施要項でご確認ください
⭕ 意外と使える例外
グループさえ違えば、普通科と専門学科・総合学科を組み合わせることができます。専門学科・総合学科は全県で1学区とされているため、普通科では届かない地域の高校が候補に入ることもあります。
尾張学区の1・2群共通校も同様で、第1群からも第2群からも組める学校として機能します。「群が違うから無理」と思い込む前に、共通校が使えないかを確認してみてください。
学力検査は1回・合格発表も同日
📌 2校受けても試験は1回だけ
愛知県教育委員会の公表によれば、令和5年度入学者選抜から、一般選抜で2校に志願した場合でも学力検査は1回とされました。かつてはグループごとに別日程で学力検査があったため、この変更は受検生の負担を大きく変えています。
つまり、同じ1回の得点が、第1志望校と第2志望校の両方の判定に使われるということです。「2校目は別日にもう一度チャンスがある」という発想は成り立ちません。1回の試験の出来が、2校分の結果をまとめて決めます。
合格発表の日程はA・Bグループで共通して設定されており、どちらの高校に合格したかが分かる形で通知されます。その年の具体的な日程は、愛知県教育委員会が公表する入学者選抜実施日程でご確認ください。発表当日の確認方法や、その後にやるべき手続きもあらかじめ把握しておくと、当日あわてずに済みます。
組み合わせを決める前に理解すべき合否判定の仕組み
🧮 この章で分かること
組み合わせの巧拙は、突き詰めれば「合否がどう決まるか」を理解しているかどうかで決まります。ここでは校内順位の計算方法と、2校の判定がどうつながっているかを整理します。ここが本記事のいちばん重要な部分です。
校内順位は評定得点と学力検査で決まる
🔢 2つの得点の満点
| 資料 | 満点と算出方法 |
|---|---|
| 評定得点 | 調査書の9教科の評定合計(最高45)を2倍し、最高90点 |
| 学力検査 | 国語・数学・社会・理科・英語の5教科、各22点で合計110点 |
愛知県教育委員会は各教科の満点が22点であることを公表しており、5教科で110点満点となります。この2つを、各高校が選ぶ校内順位の決定方式に当てはめて順位を出します。
なお、評定得点の対象となる学年の範囲や、一部の学科で行われるとされる傾斜配点の扱いについては、本記事では個別に確認していません。志望校の学科ごとの扱いは、必ずその年の公表資料でご確認ください。
内申点の仕組みそのものが曖昧なままだと、この先の話が理解しづらくなります。調査書に何が書かれ、どこが点数化されるのかを先に押さえておくと、方式の話がすっと入ってきます。
校内順位の決定方式Ⅰ〜Ⅴで比重はここまで変わる
📊 5つの方式と実際の比重
愛知県では、各高校があらかじめ選んだ次の5方式のいずれかで校内順位を決めます。かつては3方式でしたが、その後に方式Ⅳ・Ⅴが加えられ、現在は5方式から各高校が選ぶ形になっています。
| 方式 | 計算式(満点) |
|---|---|
| Ⅰ | 評定得点+学力検査(90+110=200点) |
| Ⅱ | 評定得点×1.5+学力検査(135+110=245点) |
| Ⅲ | 評定得点+学力検査×1.5(90+165=255点) |
| Ⅳ | 評定得点×2+学力検査(180+110=290点) |
| Ⅴ | 評定得点+学力検査×2(90+220=310点) |
式だけを見ても実感が湧きにくいので、それぞれの方式で内申と当日点が全体の何%を占めるかを筆者が算出したものが次の図です。
💡 この図から読み取れること
方式Ⅳと方式Ⅴでは、内申の比重が62.1%と29.0%で、2倍以上の開きがあります。同じ受検生が同じ得点を取っても、志望校がどちらの方式を採用しているかで校内順位はまるで変わるということです。
具体例で考えます。内申36(評定得点72点)・当日点80点のAさんと、内申42(評定得点84点)・当日点68点のBさんを比べてみてください。方式Ⅰではどちらも152点で並びます。ところが方式Ⅴでは、Aさんが72+160=232点、Bさんが84+136=220点でAさんが上回ります。逆に方式Ⅳでは、Aさんが144+80=224点、Bさんが168+68=236点でBさんが上回ります。まったく同じ2人の優劣が、志望校の方式ひとつで逆転するということです。
私が首都圏で指導していたときも、内申と当日点の比率は都県ごとに固定されているのが普通でした。愛知県のように「高校ごとに比率が違う」制度は、志望校選びの難度が一段高いと感じます。裏を返せば、自分の得点構造に合う方式の高校を選ぶだけで順位が動くということでもあり、組み合わせを考えるうえでの最大の武器になります。
第1志望と第2志望はどちらが有利なのか?
⚖️ 「第1志望優先」の正しい意味
「第2志望は不利」という話をよく聞きます。ただし、公表されている校内順位の決定方式は評定得点と学力検査を組み合わせるものであり、志望順位そのものを加点・減点する式は示されていません。
では「第1志望が優先される」とは何を指すのか。公表されている合否決定の流れは、おおむね次のとおりです。
🔍 合否が決まるまでの流れ
志望順位に関係なく、受検者全員を方式Ⅰ〜Ⅴのいずれかで順位づけします。
募集人員の範囲で、順位上位者が合格候補になります。
両校で合格圏に入った受検生は第1志望校の合格となり、第2志望校の候補からは外れます。
第2志望校では、外れた分だけ次の順位の受検生が繰り上がります。これを繰り返して各校の合格者が確定します。
💬 私はこう理解しています
この流れを素直に読むと、「第2志望にしたから減点される」のではなく、「第1志望校に受かった人が第2志望校の枠から抜けていく」という構造だと理解できます。つまり第2志望校で問われるのは、あくまでその高校での校内順位です。
ここを取り違えると、「安全校を第1志望にすれば受かりやすい」といった発想に流れがちです。しかし上の流れを前提にすれば、安全校を第1志望に回しても、その安全校での校内順位は変わりません。変わるのは、挑戦校で合格圏に入ったときにそちらへ進めるかどうかだけです。つまり第1志望に本命校を置かないことで失うものはあっても、得られるものは大きくない可能性があります。
私が保護者面談で最も丁寧に説明してきたのも、この「志望順位は優先順位であって、加点ではない」という一点です。
ただし、この点は説明が分かれることもある領域です。最終的な判断は愛知県教育委員会の入学者選抜のページで、その年の実施要項を直接ご確認ください。
倍率の見え方が他県と違う理由
⚠️ 公表倍率をそのまま信じない
愛知県では1人が2校に出願するため、公表される志願倍率には第2志望としての出願も含まれます。そのため、数字だけを見ると実際の競争より高く見えることがあります。
一方で、人気校を第2志望にした場合、第1志望者だけで枠が埋まりやすく、繰り上げが自分まで届かない可能性もあります。実質倍率と見かけの倍率の違いを理解しておくと、出願直前の倍率発表に振り回されずに済みます。
愛知県の高校受験でよくある組み合わせパターン
📋 この章で分かること
制度を理解したら、次は「では自分はどう組むか」です。ここでは代表的な4つの型を整理し、それぞれがどんな受検生に向くのかを考えます。なお、どの型が正解かは学力・内申・私立の併願状況によって変わるため、あくまで思考の出発点として使ってください。
代表的な4つの組み方
🆚 4パターンの比較
| 型 | 組み方と狙い |
|---|---|
| 挑戦+安全 | 第1志望に挑戦校、第2志望に合格可能性の高い学校。公立進学を確保しつつ上を狙う、最も標準的な型 |
| 安全+安全 | 2校とも合格可能性が高い学校。確実性を優先する型で、内申が安定している受検生が選びやすい |
| 挑戦+挑戦 | 2校とも上位校。私立の進学先が確定していて、公立は上位校でなければ意味がないと家庭が合意している場合に限られる |
| 普通科+専門学科 | 学びたい分野が明確な場合。グループが違えば組めるため、学区の壁を越えられることもある |
🔺 「挑戦+挑戦」を選ぶ前に
2校とも挑戦校にした場合、両方とも不合格になれば公立の進学先はなくなります。私立の併願先を確保していない状態でこの型を選ぶのは、受験というより賭けに近くなります。全部落ちた場合に何が起こるかを先に読んで、家庭で共有したうえで判断してください。
自分の得点構造から方式を逆算する
✏️ 組み合わせを考える順番
多くのご家庭は「行きたい高校」から入り、そのあとにグループを確認します。順番としては自然ですが、私はもう一段だけ手前に、自分の得点構造を確認する工程を入れることをおすすめします。
やることは単純で、模試や定期テストの結果から「内申が強いタイプか、当日点が強いタイプか」を判定するだけです。内申が強いなら方式Ⅱ・Ⅳを採用する高校で相対的に有利になり、当日点が強いなら方式Ⅲ・Ⅴの高校で伸びます。先ほどの図のとおり、方式Ⅳと方式Ⅴでは内申の比重が2倍以上違うのですから、この確認をしないのは情報を捨てているのと同じです。
内申が振るわないと感じている受検生ほど、この視点は効きます。内申点が合否にどこまで影響するのかを整理してから、方式との相性を見てください。
私立の併願まで含めて全体を設計する
📌 公立2校だけで考えない
組み合わせの議論は公立2校に集中しがちですが、実際の進路は私立の併願先を含めた全体で決まります。私立の合格をどこまで確保できるかによって、公立の2校目に安全校を置く必要があるかどうかが変わるからです。
順序としては、①私立の併願先を固める → ②公立の第1志望を決める → ③第2志望をグループ制約の中から選ぶ、という流れが現実的です。②と③を先に決めてしまうと、私立の選択肢が制度上とれない位置に残ってしまうことがあります。
組み合わせで差がつくポイント
🗣️ この章で伝えたいこと
ここまでは制度の説明です。ここからは、他都県の入試制度を10年以上扱ってきた立場から、愛知県の組み合わせを考えるときに見落とされやすい点を挙げます。愛知県の受検生を直接指導した経験はないため、公表資料の読み解きと、制度設計の共通構造に基づく見解としてお読みください。
「2校目を惰性で決める」のが最大の落とし穴
💬 2校目こそ時間をかけるべき
複数校に出願できる制度では、受検生の関心はほぼ第1志望に集中します。2校目は「グループが違って、通えて、たぶん受かるところ」という消去法で決められがちです。
しかし冷静に考えれば、第1志望に届かなかった受検生にとって、2校目は3年間を過ごす場所そのものです。私が首都圏で見てきた併願校選びでも、後悔が生まれるのは決まって「受かった学校に納得できていない」ケースでした。
私が2校目の検討で必ず確認してもらっていたのは、次の3点です。
所要時間は地図アプリの数字ではなく、混雑時に実際に動いて確かめる。3年間毎日続く負荷です。
方式が違えば、内申を守るのか当日点を伸ばすのか、残り数か月の勉強の重心が変わります。
公表されている進路状況を見て、3年後の選択肢が狭まらないかを確認します。
この3つを埋めるだけで、2校目は「消去法で残った学校」から「自分で選んだ学校」に変わります。
方式の分布から見える「学校が求める生徒像」
📖 数字の向こう側を読む
教育情報メディア「リセマム」が2026年7月8日に報じたところによれば、2027年度(令和9年度)入試で、当日点を最も重視する方式Ⅴを採用するのは47校56学科、内申を最も重視する方式Ⅳを採用するのは16校19学科とされています。同報道では、旭丘・明和・岡崎・一宮などの上位校が方式Ⅴを、工業・商業系の学科が方式Ⅳを採用する例として挙げられています。
ここから読み取れるのは、方式の選択が「その高校がどんな生徒に来てほしいか」の表明になっているということです。当日点重視の学校は入試本番で力を出し切れる学力を、内申重視の学校は日々の積み重ねを評価したいと考えている、と解釈できます。
この視点を持つと、方式は単なる計算式ではなく志望校選びの材料になります。自分が3年間どう過ごしてきたか、どちらの評価軸に納得できるかを考えることは、入学後のミスマッチを減らすことにもつながるはずです。
方式変更のある学校は前年データが使えない
⚠️ 見落とされやすい落とし穴
前掲のリセマムの報道では、2027年度から校内順位の決定方式を変更する高校・学科があることも伝えられています。方式が変われば、内申と当日点の比重が変わり、前年までの合格ラインの目安がそのままでは使えなくなります。
塾や模試が示すボーダーは、多くの場合これまでの実績の蓄積です。方式変更のあった学校では、その前提が一部崩れます。志望校が方式変更の対象になっていないかは、必ず出願前に公表資料で確認してください。
2027年度からは調査書の記載事項も変わる
📌 調査書の様式変更
愛知県教育委員会は「公立高校の入試の調査書情報が変わります」という資料を公表しており、2027年度(令和9年度)入試から調査書の記載事項が変更されるとされています。愛知県教育委員会の公式ページから資料を直接確認できます。
調査書は評定得点の土台になる資料ですから、様式の変更は受検生にとって無関係ではありません。出席日数が合否にどう関わるのかが気になっている受検生・保護者の方は、まず公式資料で現在の扱いを確認したうえで判断してください。
組み合わせを決めるときの注意点
❗ この章で伝えること
ここでは、組み合わせを決める過程で起こりやすい失敗と、制度上どうしても避けられない制約を率直にお伝えします。良い面だけを並べても、実際の判断には役立たないと考えるからです。
「行く気がない学校」を第2志望にしない
❌ よくある失敗
合格可能性だけで第2志望を選ぶと、実際にそこへ進学することになったときに気持ちが追いつきません。愛知県の制度では第2志望校でも合格すれば進学先の選択肢になりますから、「受かったら通う」と本人が言える学校であることが最低条件です。
通学時間、部活動、校風、卒業後の進路実績。第1志望と同じ観点で、少なくとも一度は学校説明会や公開行事に足を運んでおくことをおすすめします。
群・グループの制約で「組みたい2校」が組めないことがある
⚠️ 制度上の限界
これは戦略の問題ではなく、制度そのものの制約です。志望順に並べた上位2校が同じグループだった、あるいは群が違った、という理由で組めないことは実際に起こります。
その場合の選択肢は、①どちらか一方を諦めて別の学校を選ぶ、②1・2群共通校や専門学科・総合学科を使って組める形を探す、③1校のみの出願にして私立の併願を厚くする、のいずれかになります。この検討は秋のうちに済ませておくべきで、出願直前に気づくと選択肢がほとんど残りません。
志願変更は「保険」にはならない
🔺 期待しすぎないこと
愛知県の公立高校入試では、出願後に志願先を変更できる期間が入学者選抜実施日程の中に設けられています。ただし、手続きの期間や取り扱いは年度ごとに定められるため、本記事では具体的な日数までは扱いません。
「倍率を見てから決めればいい」と考えていると、短い期間で家族と学校の合意を取り、書類を整えることになります。志願変更はあくまで例外的な手段であり、最初から当てにする前提で組み合わせを決めるのは避けたほうが安全です。その年の日程は必ず公式資料で確認してください。
情報は必ず「その年の公表資料」で確認する
📝 確認すべき項目
- 志望校が属する群・グループ(年度により変わることがある)
- 志望校が採用する校内順位の決定方式Ⅰ〜Ⅴ
- 面接の実施の有無(各高校が決定する)
- 推薦選抜・特色選抜の実施の有無と定員
- 出願・志願変更・学力検査・合格発表の日程
これらはすべて愛知県教育委員会の入学者選抜のページで公表されています。同ページには「入学者選抜実施日程」「校内順位の決定方式について」「特色選抜を実施する高等学校・学科」といった資料がPDFで並んでいます。個別の高校名を検索する前に、まずこの一覧に目を通すのが最短です。面接が課される場合の準備については、面接で何を見られるかを参考にしてください。
📝 進路選択に関する注記
本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。制度の詳細や個別の出願資格については、在籍中学校の進路指導担当の先生および愛知県教育委員会にご確認ください。
出願までに何をすべきか?
🧭 この章で分かること
最後に、組み合わせを決めるまでの具体的な手順を時期別に整理します。中学3年生の夏以降を想定していますが、中学2年生のうちから制度を知っておくに越したことはありません。
時期別にやるべきこと
📋 出願までのステップ
居住地から学区と群を確認し、そもそも出願できる高校の範囲を把握します。ここが曖昧なまま志望校を並べても意味がありません。
気になる高校を5〜6校書き出し、群・グループ・校内順位の決定方式を横に並べます。この一覧が組み合わせ検討の土台になります。
模試の内申換算と当日点の実力を見比べ、どの方式の高校で有利になるかを確認します。
私立の合格見込みが立つと、公立2校目にどこまで挑戦できるかが決まります。
その年の入学者選抜日程を公式資料で確認し、志望順位を確定させます。
家庭での話し合いの進め方
💬 保護者の方へ
組み合わせの決定は、本人と保護者の意見が割れやすい場面です。私が面談で心がけてきたのは、「どちらが正しいか」ではなく「何を優先するかを先に決める」という進め方でした。
公立進学の確実性を最優先するのか、本命校への挑戦を優先するのか。この一点を先に合意しておけば、あとは制度の制約に当てはめるだけで組み合わせは絞り込めます。逆にここを曖昧にしたまま個別の学校名を議論すると、話は堂々巡りになります。
もうひとつ早めに共有したいのが費用の見通しです。私立の併願を厚くするほど、受験料や入学金の負担は増えます。高校受験にかかる費用の全体像を先に把握しておくと、「公立の2校目に安全校を置くべきか」という判断も、現実的な線で話し合えるようになります。
学習面のサポートをどう確保するか?
🧭 次の一歩
組み合わせを詰めるほど、「結局はどちらの得点を伸ばすか」という学習の話に戻ってきます。当日点を伸ばすのか、内申を守り切るのかで、この先の勉強の設計は変わります。
自宅学習で当日点を積み上げたい場合は、映像授業で5教科を回せるスタディサプリ中学講座の実際の評判が参考になります。通塾を検討するなら、学習塾・家庭教師をタイプ別に比較したランキングで、自分の課題に合う形態から絞り込むのが早道です。
愛知県内で個別指導を検討している場合は、363校1000件超の口コミを分析した個別指導キャンパスの評価や、名古屋エリアの教室の実態も判断材料になるはずです。
よくある質問
❓ Q1:同じグループの高校を2校選ぶことはできますか?
A:できません。一般選抜で2校に出願する場合は、Aグループから1校、Bグループから1校を選ぶ必要があります。同じグループの高校を2校選ぶ組み合わせは認められていません。志望校がどちらのグループに属するかは年度ごとに公表されるため、必ず最新の資料で確認してください。
❓ Q2:尾張学区の第1群と第2群をまたいで組み合わせることはできますか?
A:普通科どうしの組み合わせでは、原則として同じ群の中でAグループ1校とBグループ1校を選びます。第1群の高校と第2群の高校を組み合わせることはできません。ただし尾張学区には第1群・第2群のどちらとも組み合わせられる共通校があり、この共通校を使えば選択肢は広がります。三河学区には群の区分がありません。
❓ Q3:第1志望と第2志望で、有利・不利はありますか?
A:公表されている校内順位の決定方式は、調査書の評定得点と学力検査の得点を組み合わせるもので、志望順位そのものを加点・減点する仕組みは示されていません。第1志望が優先されるのは、2校とも合格圏に入った場合に第1志望校の合格として扱われ、第2志望校では繰り上げが行われるという意味です。詳細は愛知県教育委員会の実施要項をご確認ください。
❓ Q4:普通科と専門学科・総合学科を組み合わせて出願できますか?
A:グループが異なっていれば組み合わせて出願できます。専門学科・総合学科は全県で1学区とされており、居住地にかかわらず県内の高校に出願できます。普通科は学区と群の制限を受けるため、実際に組めるかどうかは志望校のグループと自分の学区・群を照合して判断してください。
❓ Q5:出願したあとに組み合わせを変更できますか?
A:愛知県の公立高校入試では、出願後に志願先を変更できる期間が入学者選抜実施日程の中に設けられています。ただし手続きの期間や取り扱いは年度ごとに定められるため、その年の実施日程を必ず確認してください。倍率を見てから動く前提で組み合わせを決めるのは、時間的にも精神的にも余裕がなくなるため避けたほうが安全です。
❓ Q6:2校ではなく1校だけ出願することもできますか?
A:一般選抜で出願できるのは最大2校2学科までであり、1校のみの出願も可能です。ただし公立高校の受検機会を1回に絞ることになるため、私立高校の併願先や、不合格だった場合の進路を家庭で事前に確認したうえで判断することをおすすめします。
まとめ:愛知県の高校受験は組み合わせで結果が変わる

🎯 この記事の結論
愛知県の高校受験における組み合わせとは、学科・学区・群・グループという4つの制約の中で、AグループとBグループから1校ずつを選び、志望順位をつけて出願することです。
そして差がつくのは、校内順位の決定方式Ⅰ〜Ⅴと自分の得点構造の相性を確認したかどうかです。方式Ⅳと方式Ⅴでは内申の比重が62.1%と29.0%で2倍以上違います。この一手間をかけるだけで、同じ実力でも順位は変わります。
📌 記事のポイント
- 組み合わせはAグループ1校+Bグループ1校。同一グループ2校は不可
- 普通科は学区と群の制限を受け、専門学科・総合学科は全県1学区
- 尾張学区は第1群・第2群に分かれ、1・2群共通校が選択肢を広げる
- 2校に出願しても学力検査は1回、合格発表も同日
- 校内順位は評定得点(最高90点)と学力検査(110点満点)を方式Ⅰ〜Ⅴで組み合わせて決まる
- 第1志望優先とは「両校合格時に第1志望が選ばれる」という意味
- 群・グループ・方式は年度ごとに変わるため、必ず公式資料で確認する
✅ この考え方が向いている人
- 第1志望が決まっていて、2校目をどう選ぶか迷っている
- 内申と当日点のどちらかに明確な偏りがある
- 他県から転入し、複合選抜の仕組みを一から知りたい
- 公立2校と私立の併願を含めて全体設計を組みたい
❌ この記事だけでは足りない人
- 特定の高校の今年のグループ・方式を知りたい(公式資料の確認が必要)
- 合格ラインの具体的な点数を知りたい(塾の模試データが必要)
- 調整区域など、個別の出願資格の判断が必要(中学校への確認が必要)
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🎓 執筆者プロフィール
kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
専門領域:中学受験・高校受験・大学受験の学習指導、および学習塾・教育サービスの比較分析。
中学生時代に早稲田アカデミーへ通い、慶應義塾高等学校に進学。慶應義塾大学経済学部を卒業しました。在学中は早稲田アカデミーで多数の受験生を指導し、現在はフリーランスのプロ家庭教師として、中高一貫校生・浪人生・不登校の生徒・発達障害のある生徒の指導にも携わっています。指導歴は10年を超えました。
この記事を書く資格:内申と当日点の比重から出願戦略を設計する作業は、10年以上の指導で繰り返してきた領域です。一方で私は首都圏を中心に指導してきたため、愛知県の受検生を直接指導した経験はありません。本記事は愛知県教育委員会の公表資料を一次資料として読み解き、制度設計を扱ってきた立場から解説しました。実体験として語れない部分は、その旨を明示しています。
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📝 調査概要
- 調査対象:愛知県公立高等学校入学者選抜(全日制課程・一般選抜)における出願の組み合わせと合否判定の仕組み
- 調査方法:愛知県教育委員会の公表資料の調査、教育情報メディアの報道の確認、著者の業界知見に基づく分析
- 調査実施日:2026年8月18日
- 情報の限界:著者は愛知県の受検生を直接指導した経験がなく、愛知県内の中学校・高校への取材や訪問も行っていません。各高校のグループ・群・校内順位の決定方式の一覧、および合格ラインの具体的な点数については、本記事では個別に扱っていません。志願変更の回数・期間、調査書様式変更の詳細、評定得点の対象学年、学科ごとの傾斜配点の有無についても、公表資料の記載範囲を超える確認は行っていません。これらはその年の公表資料および在籍中学校での確認が必要です。
- 利益相反の有無:本記事に関連して、特定の学習塾・高校・教育サービスからの金銭・便宜の提供を受けていません。アフィリエイト広告の掲載もありません。
📚 参考文献・引用元
- 愛知県教育委員会「愛知県公立高等学校入学者選抜」https://www.pref.aichi.jp/soshiki/kotogakko/0000027366.html(2026年8月18日参照)
- 消費者庁「景品表示法」https://www.caa.go.jp/policies/policy/representation/fair_labeling(2026年8月18日参照)
- リセマム「【高校受験2027】愛知県公立高、各校の順位決定方式を公表…面接実施は9校11学科」2026年7月8日 https://resemom.jp/article/2026/07/08/86713.html(2026年8月18日参照)
公開日:2026年8月18日/最終更新日:2026年8月18日
※情報変更があった場合は随時更新します。

