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kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
指導歴10年超。早稲田アカデミーから慶應義塾高等学校に進学し、慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中は早稲田アカデミーで受験生を指導しました。
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公開日:2026年10月16日/最終更新日:2026年10月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。
結論:敬語は中学受験の国語で「知識問題の一分野」として出題されることがあり、一覧表にまとめた特別な形の敬語(11語ほど)と「動作の主は誰か」という見分け方を押さえれば、短期間で得点源にできます。
「敬語はどこまでやればいいの?」「尊敬語と謙譲語がいつまでも混ざる」とお悩みではありませんか。私は早稲田アカデミーの講師時代から現在のプロ家庭教師まで、中学受験生に国語を教えてきましたが、敬語は暗記量が少ないわりに、ルールを知らないと何度でも同じ間違いをする分野だと感じています。
本記事は、学習指導要領と文化審議会「敬語の指針」という公的資料に、私の指導経験を重ねて書いています。特定の塾や教材を勧める目的はありません。
- 中学受験で敬語がどんな形で問われるのか
- 尊敬語・謙譲語・丁寧語を一瞬で見分けるコツ
- 覚えておきたい特別な形の敬語一覧
- 受験生が間違えやすい4つのパターン
- 学年別の覚え方と、深追いしすぎないための注意点
中学受験の敬語とは?出題範囲と学習指導要領での位置づけ
そもそも敬語は、小学校のどの段階で学ぶものなのでしょうか。この章では、敬語の基本的な分類と、学習指導要領での位置づけ、中学受験で問われる場面を整理します。
敬語とは?中学受験で問われる3種類と5分類
敬語とは、話し手が相手や話題の人物への敬意を言葉で表す表現です。中学受験では、尊敬語・謙譲語・丁寧語の3種類で問われるのが一般的です。
一方、文化庁の文化審議会が2007年(平成19年)に答申した「敬語の指針」では、謙譲語を「謙譲語Ⅰ」「謙譲語Ⅱ(丁重語)」に、丁寧語から「美化語」を分けた5分類が示されています。5分類は3分類を細かくしたもので、両者は矛盾しません。
学習指導要領では小5・小6で学ぶ内容
| 学年 | 国語で扱う内容(要旨) |
|---|---|
| 小3・小4 | 丁寧な言葉を使い、敬体(です・ます)と常体(だ・である)の違いに注意して書く |
| 小5・小6 | 「日常よく使われる敬語を理解し使い慣れること」 |
| 中2 | 敬語の働きを理解し、話や文章の中で使う |
出典:文部科学省「小学校学習指導要領(平成29年告示)」「中学校学習指導要領(平成29年告示)」国語
表を見るとわかるとおり、敬語は小学校の授業では小5・小6でようやく本格的に扱う内容です。中学受験の塾はこれより先回りして進むため、学校で習う前にテストで問われることが珍しくありません。
私が指導してきた中でも、「学校ではまだやっていないから分からない」という声は小5前半に特に多く聞きました。学校の進度を待たず、家庭で一覧表を一度見ておくだけで、初見の戸惑いはかなり減ります。
このとき大事なのは、小5前半では「全部覚える」より「見たことがある」状態を目指すことです。初めて見る言葉はテストで手が止まりますが、一度目にした言葉なら、ルールで推測しながら解けます。暗記は塾のテストで出題されたタイミングで仕上げれば間に合います。
中学受験で敬語が問われる3つの場面
| 場面 | 問われ方の例 |
|---|---|
| 知識問題 | 傍線部を正しい敬語に直す/敬語の種類を選ぶ/誤った敬語を含む文を選ぶ |
| 読解問題 | 会話文の敬語から、人物の上下関係や心理を読み取る |
| 面接 | 面接を行う学校では、受け答えの言葉づかいとして実際に使う |
知識問題は配点こそ小さいものの、覚えていれば確実に取れる「落とせない問題」です。国語の入試問題全体の傾向については、中学受験の問題の難しさと出題傾向で整理しています。
尊敬語・謙譲語・丁寧語の違いと見分け方
尊敬語と謙譲語を混同してしまうのはなぜでしょうか。原因の多くは「言葉の形」だけで判断していることにあります。この章では、主語に注目した見分け方と、覚えるべき敬語の一覧を紹介します。
「動作をするのは誰か」で見分ける
- 尊敬語:目上の人・相手が動作をする(例:先生がいらっしゃる)
- 謙譲語:自分や身内が動作をする(例:私が先生のお宅に伺う)
- 丁寧語:誰の動作でも、聞き手に丁寧に述べる(例:雨が降ります)
問題文に主語が書かれていないときは、「誰が?」と自分で主語を書き込んでから判断するのが確実です。
主語の確認に慣れてきた生徒には、謙譲語では「その動作が誰に向かっているか」も見るように伝えていました。たとえば「先生に本をお渡しする」の謙譲語は、動作をする自分を下げると同時に、受け取る先生を立てています。
「誰が」に加えて「誰に」を見られるようになると、「敬意の対象は誰か」を問う一段難しい問題にも対応しやすくなります。
特別な形の敬語一覧表
| 普通の言い方 | 尊敬語 | 謙譲語 |
|---|---|---|
| 行く・来る | いらっしゃる・おいでになる | 参る・伺う |
| いる | いらっしゃる | おる |
| 言う | おっしゃる | 申す・申し上げる |
| する | なさる | いたす |
| 食べる・飲む | 召し上がる | いただく |
| 見る | ご覧になる | 拝見する |
| 聞く | お聞きになる | 伺う・承る |
| 知る | ご存じだ | 存じる・存じ上げる |
| 会う | お会いになる | お目にかかる |
| くれる | くださる | ― |
| 与える・やる | ― | 差し上げる |
| もらう | ― | いただく |
「伺う」「いただく」のように複数の意味を持つ語は、文脈で意味を判断します。
「お〜になる」「お〜する」の型で作る敬語
- お(ご)〜になる=尊敬語(例:お待ちになる・ご利用になる)
- お(ご)〜する=謙譲語(例:お待ちする・ご案内する)
- 〜れる・〜られる=尊敬語にもなる(例:先生が話される)
「になる」なら相手、「する」なら自分、と語尾2〜3文字で判別できるのがこの型の便利なところです。
元塾講師が見た敬語問題でよくある誤答
敬語の問題で失点する受験生には、共通する間違い方があります。私の指導経験から、特に多かったパターンと、読解問題での敬語の使われ方を紹介します。
受験生が間違えやすい4つのパターン
| パターン | 誤りの例 | 正しい例 |
|---|---|---|
| 尊敬と謙譲の取り違え | 先生が参られました | 先生がいらっしゃいました |
| 身内に尊敬語 | (他人に)母がおっしゃいました | 母が申しておりました |
| 二重敬語 | 先生がおっしゃられた | 先生がおっしゃった |
| 「お〜する」を相手に | 先生がお待ちしている | 先生がお待ちになっている |
4つのうち、私が最も多く目にしたのは「身内に尊敬語」です。家庭では親を立てる言い方をしても叱られないため、「外の人に話すとき、自分の家族は自分側に入る」という感覚が小学生にはなかなか身につきません。
そこで私は、「家族は自分チーム、先生やお客さんは相手チーム」とチーム分けで説明していました。主語がどちらのチームかを先に決めると、尊敬語か謙譲語かが自動的に決まるため、この説明に変えてから同じ間違いを繰り返す生徒は減ったと感じています。
「敬語の指針」では、二重敬語は一般に適切ではないとしつつ、「お召し上がりになる」「お伺いする」のように習慣として定着しているものもあると説明されています。ただし試験では、迷ったら二重にしない形を選ぶのが安全です。
読解問題では敬語が人物関係のヒントになる
敬語は知識問題だけのものではありません。物語文の会話で、ある人物が相手に急に丁寧な言葉を使い始めたり、逆に敬語をやめたりする場面は、距離感や感情の変化を示していることがあります。
私が生徒に伝えていた読み取りの型は、次の2つです。
- 敬語が消える:心理的な距離が縮まった、または感情が高ぶって取りつくろえなくなった
- 急に敬語になる:相手と距離を置きたい、改まった気持ちになった
そのうえで、「言葉づかいが変わった行には線を引く」ように伝えていました。敬語の知識がある生徒ほど、こうした変化に気づきやすくなります。知識問題の対策が、そのまま読解力の土台にもなるわけです。
中学受験の敬語の覚え方と勉強法
敬語は、どの順番で覚えると効率がよいのでしょうか。この章では、3ステップの覚え方と学年別の目安、家庭でできる練習方法を紹介します。
敬語を覚える3ステップ
「相手の動作=尊敬語」「自分側の動作=謙譲語」の原則だけを先に固めます。
上の一覧表を「普通の言い方→尊敬語→謙譲語」の順に声に出して覚えます。
問題集の敬語問題で、毎回「誰が?」を書き込んでから答える習慣をつけます。
学年別の取り組み方の目安
| 学年 | 取り組みの目安 |
|---|---|
| 小4 | です・ますの丁寧語に慣れ、日常会話で敬語に触れる |
| 小5 | 特別な形の敬語と「お〜になる/お〜する」の型を覚える |
| 小6 | 過去問で志望校の出題有無を確認し、出る学校なら演習で仕上げる |
※上記は筆者の指導経験にもとづく目安で、塾のカリキュラムによって前後します。
敬語は国語全体から見れば小さな分野です。学年ごとに何を優先すべきかは学年別の中学受験ロードマップで全体像をつかんでから、敬語にかける時間を決めるのがおすすめです。
家庭でできる日常会話での練習
- 電話の取り次ぎを子どもに任せ、「母は今出かけております」と言ってみる
- ニュースやドラマの敬語を聞いたら「今のは誰の動作?」とクイズにする
- 先生への連絡帳やお礼の手紙を、子ども自身に敬語で書かせる
机の上の暗記より、実際に使う場面を作るほうが記憶に残りやすいのが敬語の特徴です。
塾に通わず家庭学習で進める場合、知識分野をどう補うかが課題になります。映像授業を使う選択肢については、スタサプで中学受験はどこまで対応できるかで解説しています。
小学生向け講座の利用者の声はスタサプ小学講座の口コミ分析にまとめました。
国語を個別に見てもらいたい場合は、トウコべの国語指導の内容と注意点も判断材料になります。
なお、敬語に特化した市販問題集は本記事では検証していません。まずはお通いの塾のテキストと志望校の過去問に出てくる敬語問題を優先するのが確実です。
敬語対策で気をつけたい注意点
敬語は覚えれば得点できる分野ですが、やり方を誤ると時間を使いすぎることもあります。対策を始める前に知っておきたい注意点をまとめます。
配点は小さいので深追いしすぎない
私が指導してきた範囲では、敬語の知識問題は入試全体の中で大きな配点を占めるものではありませんでした(個別校の配点までは調査していません)。5分類の細かな区別や、大人でも迷う例外的な敬語まで追いかけるのは効率がよくありません。一覧表の範囲を確実にしたら、読解や記述の練習に時間を回すほうが合計点は伸びやすいと私は考えます。
出題の有無は学校ごとに違う
敬語を知識問題として出す学校もあれば、ほとんど出さない学校もあります。本記事では個別校の出題状況までは調査していないため、志望校の過去問を数年分見て、敬語が出ているかを確認することをおすすめします。過去問の進め方は過去問の始める時期と復習法で解説しています。
日常の言葉づかいと試験の正解は分けて考える
「おっしゃられる」のような二重敬語や、必要のない場面での「させていただく」の多用など、日常でよく耳にする言い方が、試験では不適切と判断される場合があります。「聞いたことがあるから正しい」と判断しないよう、迷ったら一覧表の基本形に立ち返るのが安全です。
本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。
中学受験の敬語に関するよくある質問
保護者の方や受験生からよく寄せられる疑問に、Q&A形式でお答えします。
中学受験で敬語はどの学校でも出題されますか?
A. 出題の有無や頻度は学校ごとに異なります。知識問題として独立して出す学校もあれば、ほとんど出さない学校もあるため、志望校の過去問で確認するのが確実です。
敬語の勉強はいつから始めればよいですか?
A. 学習指導要領では小学5・6年で日常よく使われる敬語を学ぶ位置づけです。中学受験では小4〜小5で特別な形の敬語を覚え始め、小6の過去問演習で出題傾向に合わせて仕上げる流れが無理のない目安です。
尊敬語と謙譲語はどうやって見分ければよいですか?
A. その動作をしているのが誰かを確認します。目上の人や相手の動作を高めるのが尊敬語、自分や身内の動作をへりくだって相手を立てるのが謙譲語です。主語を補って読むと判別しやすくなります。
「おっしゃられる」は正しい敬語ですか?
A. 「おっしゃる」に尊敬の「れる」を重ねた二重敬語で、一般的には適切ではないとされます。試験では「おっしゃる」と答えるのが無難です。
塾で習う3分類と「敬語の指針」の5分類はどちらで覚えるべきですか?
A. 中学受験の問題は尊敬語・謙譲語・丁寧語の3分類で問われることが多いため、まずは3分類で覚えれば十分です。5分類は謙譲語や丁寧語を細かく分けたもので、3分類と矛盾するものではありません。
まとめ:敬語は中学受験で確実に得点したい知識分野
- 敬語は中学受験の国語で、知識問題・読解・面接の3つの場面に関わる
- 学校では小5・小6で学ぶ内容のため、塾の進度では先取りになりやすい
- 見分け方の基本は「動作をするのは誰か」
- 特別な形の敬語と「お〜になる/お〜する」の型を押さえれば大半に対応できる
- 出題の有無は学校ごとに違うため、過去問で確認して深追いしすぎない
まずは一覧表を親子で一度読み、日常会話で「誰の動作?」と問いかけることから始めてみてください。
| 状況 | おすすめの取り組み |
|---|---|
| 志望校で敬語が毎年出る | 一覧表を完璧にし、問題集で演習を重ねる |
| 志望校でたまに出る | 一覧表と見分け方を押さえ、模試前に見直す |
| 志望校でほぼ出ない | 基本ルールだけ確認し、読解・記述に時間を回す |
| 面接がある | 家庭で受け答えの練習をし、身内の呼び方に注意する |

kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
中学時代に早稲田アカデミーに通い、慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中から早稲田アカデミーで多数の受験生を指導し、現在はフリーランスのプロ家庭教師として、中学受験・高校受験・大学受験のほか、中高一貫校生・浪人生・不登校や発達障害のあるお子さまの指導にも携わっています。指導歴は10年を超えます。
この記事を書く理由:中学受験生に国語を教える中で、敬語は「ルールを知るだけで得点が安定する」一方、つまずき方が毎年よく似ていると感じてきました。その経験を、公的資料の裏づけとともにお伝えしたいと考えています。
- 調査対象:中学受験の国語における敬語の扱いと学習内容
- 調査方法:公的資料(学習指導要領・敬語の指針)の文献調査/著者の指導経験に基づく知見
- 調査実施日:2026年10月16日
- 情報の限界:個別の中学校の入試問題における敬語の出題頻度・配点は調査していません。学年別の目安や誤答傾向は著者の指導経験に基づくもので、統計的な調査結果ではありません。
- 利益相反の有無:なし(本記事にアフィリエイト広告は含まれません)
- 文化審議会答申「敬語の指針」(文化庁)(参照日:2026年10月16日)
- 文部科学省「平成29・30・31年改訂学習指導要領」(参照日:2026年10月16日)
公開日:2026年10月16日/最終更新日:2026年10月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。

