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高校受験の慣用句|頻出60語一覧と覚え方を元塾講師が解説

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元塾講師のひとりごと運営者・kouのプロフィール画像

kou/教育系Webライター・プロ家庭教師(指導歴10年超)
中学時代は早稲田アカデミーに通い慶應義塾高等学校へ進学、慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中は早稲田アカデミーで多数の高校受験生を指導しました。国語の語句分野は、私自身が受験生として詰め込み、講師として何百人分もの答案を採点してきた領域です。

運営者プロフィール運営理念

🎯 結論

結論:高校受験の慣用句は、「頻出60語を意味とセットで即答できる状態にし、誤用しやすい7語だけ別枠で潰す」だけで、入試で問われる範囲のほとんどをカバーできます。

慣用句は、国語の中でも珍しく「やった分だけ確実に点になる」分野です。しかし同時に、語数を無限に増やしても得点が伸びない分野でもあります。だからこそ、どこで手を止めるかを最初に決めておくことが重要だと私は考えています。

📌 この記事で解決できること

  • 入試で慣用句がどんな形で問われるのか(出題4形式)
  • 優先して覚えるべき頻出60語と、その分類のしかた
  • 受験生が最も落としやすい「意味を取り違える7語」
  • 短時間で定着させる4ステップの覚え方と、逆効果になる勉強法
  • 中1・中2/中3夏秋/直前期の時期別の進め方

読み終える頃には、「今日から慣用句にどれだけ時間を割き、どこで切り上げるか」が自分で判断できるようになっているはずです。

🏷️ 情報の前提

本記事の語句の意味・分類は国語辞典の一般的な語釈に基づき、学習の優先順位や進め方は私自身の指導経験に基づく見解です。数値を挙げる箇所には出典を明記しています。特定の自治体・学校の出題傾向を網羅的に調査したものではないため、志望校の実際の出題は必ず過去問でご確認ください。利益相反はありません。

  1. 高校受験の慣用句とは?まず出題の位置づけを整理する
    1. 慣用句とは?ことわざ・四字熟語・故事成語との違い
    2. 高校入試で慣用句はどう出るのか?(出題の4形式)
    3. 配点は小さい。それでも慣用句を捨ててはいけない理由
  2. 高校受験で頻出の慣用句60語一覧【体の部位・動物・数字物別】
    1. 体の部位を使った慣用句30語(最優先)
    2. 動物・自然を使った慣用句15語
    3. 数字・物を使った慣用句15語
    4. 意味を取り違えやすい慣用句7語【失点が集中する】
  3. 慣用句の覚え方|定着する4ステップと逆効果な方法
    1. 1日10分で回す4ステップの手順
    2. 語源・由来から覚えると忘れにくくなる
    3. やってはいけない覚え方3つ
  4. 入試本番で得点に変える解き方のコツ
    1. 空欄補充は「部位・カテゴリ」から逆算する
    2. 誤用判定は「自分の直感を疑う」から始める
    3. 長文・作文で使うときの注意
  5. 慣用句対策の注意点と、向いていない進め方
    1. 深入りしすぎると国語全体の点が下がる
    2. 自治体・学校によって出題量には差がある
    3. この対策が向いている人・向いていない人
  6. いつから始める?慣用句の時期別学習計画
    1. 中1・中2は「調べる習慣」だけで十分
    2. 中3夏〜秋が本格的な暗記の適期
    3. 直前期は「新しく覚えない」が鉄則
  7. よくある質問
  8. まとめ:高校受験の慣用句は「頻出60語×正しい覚え方」で確実に得点できる

高校受験の慣用句とは?まず出題の位置づけを整理する

📋 この章の要点

「慣用句を覚えよう」と言われても、そもそも何が慣用句で、入試のどこに出てくるのかが曖昧なままでは効率が上がりません。この章では、ことわざ・四字熟語との線引き、入試での出題形式、そして「配点は小さいのに落とせない」という慣用句独特の位置づけを整理します。

慣用句とは?ことわざ・四字熟語・故事成語との違い

🔍 定義と区別

慣用句とは、二つ以上の語が結びついて、それぞれの語の元の意味からは導けない、決まった意味を表すようになった言い回しのことです。「油を売る」が「油を販売する」ではなく「無駄話をして仕事を怠ける」を意味するのがその典型です。

種類特徴
慣用句複数の語が結びつき、元の意味とは別の決まった意味を表す油を売る/腹を割る
ことわざ教訓・生活の知恵を短くまとめた言葉急がば回れ
四字熟語漢字四字で構成された熟語一朝一夕
故事成語中国古典などの故事に由来する言葉矛盾/蛇足

⚠️ 境界は思ったより曖昧

厄介なのは、この四つが実際にはきれいに分かれていない点です。「蛇足」は故事成語ですが慣用的にも使われますし、「五十歩百歩」は故事成語であり、ことわざとして扱う辞書もあります。

入試の設問文では「次の慣用句の意味として最も適切なものを選べ」といった形で出題されるため、受験生としては「分類名を暗記する」のではなく「その言葉の意味を答えられる」ことを目標にするのが正解です。分類の暗記に時間を使うのは、私の経験上ほとんど得点につながりません。四字熟語を体系的に押さえたい方は入試で狙われる四字熟語50語の一覧と覚え方もあわせてご覧ください。

高校入試で慣用句はどう出るのか?(出題の4形式)

📊 出題形式マップ

私が指導の中で答案を見てきた限り、慣用句の出題は大きく4つの形に整理できます。同じ「慣用句の問題」でも、求められる力と対策法がまったく違います。

慣用句の出題4形式ポジションマップ 求められる力:暗記 →→→ 文脈での運用 対策の重さ:軽い →→→ 重い ① 意味選択 「板につく」の意味を選べ 一覧の反復で確実に取れる 最優先で潰す領域 ② 空欄補充 「( )を割って話す」 体の部位の分類が効く 分類暗記で正答率が跳ねる ③ 誤用判定 「役不足」の使い方は正しいか 思い込みの矯正が必要 失点が集中しやすい ④ 読解・作文での運用 本文中の傍線部の意味を説明 語彙が読解速度を左右する 上位校ほど比重が大きい ※筆者(指導歴10年超)が入試問題と受験生の答案傾向をもとに整理した分類図です。

💬 講師として見てきた失点の型

採点していて最も多かったのは、①の意味選択は取れるのに、③の誤用判定で崩れるという型です。しかもこの失点は、語彙力の低い生徒より、本をよく読む生徒に起きやすいという逆転が起こります。日常で耳にする用法をそのまま正解だと信じてしまうからです。

典型が「役不足」でした。「彼にこの仕事は役不足だ」という文の正誤を問うと、模試の成績が上位の生徒ほど「重すぎる」の意味で読んで自信満々に誤答し、解説を読んでも「でも普通そう使う」と食い下がる。この抵抗が出る語は、私の実感では十語前後に集中しています。

逆に言えば、③で失点する語は数が限られているということです。後述する「意味を取り違えやすい7語」を別枠で潰しておくだけで、この型の失点はかなり防げると考えています。

配点は小さい。それでも慣用句を捨ててはいけない理由

✅ 「小さいけれど確実」という価値

正直に言えば、慣用句そのものの配点は国語全体の中で大きくありません。多くの入試で、国語の中心は長文読解と記述・作文です。

それでも捨ててはいけないのは、次の3点の理由からです。

  • 努力と得点が最も素直に比例する分野:読解力は数週間では動きませんが、語句は覚えた分だけ返ってきます
  • 読解の下支えになる:本文中に「二の足を踏む」が出てきたとき、意味を知らなければ一文まるごと読み飛ばすことになります
  • 作文・記述の表現の幅が広がる:適切な慣用句を一つ使えるだけで、記述の説得力は変わります

国語全体の設計から見直したい方はセンスに頼らない高校受験の国語勉強法で、読解と語句の時間配分を先に決めることをおすすめします。

❌ 逆に、やりすぎも損になる

一方で、慣用句だけに何十時間もかけるのは明確な失敗です。語数を300語、500語と増やしても、入試で問われるのは結局よく使われる語に偏ります。「頻出60語+誤用7語」を確実にしたら、次は長文読解に戻る。この線引きが、限られた受験期間では何より重要だと私は考えています。

💬 私が「10分」で線を引く理由

「慣用句は何時間やればいいですか」と聞かれたとき、私は必ず「10分。それ以上はやらないでください」と答えていました。時間の見積もりというより、歯止めをかけるための数字です。

語句暗記は、やった実感が最も得られやすい勉強です。ノートに書いた語数が増え、テストで丸が増える。一方、長文読解は一週間やっても手応えがありません。だから読解が苦しい生徒ほど、無意識に語句へ避難していきます。私が見てきた「国語の勉強はしているのに点が動かない」生徒の相当数が、この避難状態にありました。

慣用句は捨ててはいけない。しかし、慣用句が心地よくなってきたら赤信号だと考えてください。

高校受験で頻出の慣用句60語一覧【体の部位・動物・数字物別】

📋 この章の使い方

ここからが本記事の中心です。慣用句は「五十音順の一覧」で覚えると必ず途中で挫折します。体の部位・動物や自然・数字や物という3つの塊に分けて覚えるのが、空欄補充にも強くなる実戦的な方法です。まずは意味を隠して自分で答えられるかを試し、答えられなかった語だけに印をつけてください。

体の部位を使った慣用句30語(最優先)

⭕ まずここから:体の部位30語

体の部位を使った慣用句は、入試で最も出題数が多い塊です。空欄補充で「( )が痛い」と問われたときに部位が即答できるかどうかが、そのまま得点差になります。

慣用句意味
頭が下がる心から敬服する
頭角を現す才能や実力が周囲より目立ってくる
目を疑う意外な光景に、見たことが信じられない
目から鼻へ抜ける頭の回転が速く、抜け目がない
目に余る程度がひどく、黙って見過ごせない
骨が折れる苦労が多く、やり遂げるのが大変だ
鼻が高い誇らしく、得意な気持ちだ
鼻であしらう相手を見下し、冷淡に扱う
耳が痛い自分の弱点を突かれて聞くのがつらい
耳を疑う意外な話に、聞いたことが信じられない
耳をそろえる金額を不足なくきちんと用意する
口が堅い秘密を軽々しく漏らさない
口を割る隠していたことを白状する
口車に乗るうまい言葉に乗せられてだまされる
舌を巻くあまりの見事さに非常に驚き感心する
歯が立たない相手が強すぎて、とてもかなわない
顔が広い交際範囲が広く、知り合いが多い
顔から火が出る恥ずかしくて顔が真っ赤になる
首を長くする今か今かと待ち焦がれる
首をかしげる納得がいかず疑問に思う
肩を並べる実力や地位が対等の位置に立つ
肩を持つ一方の側について味方をする
胸を借りる実力が上の相手に稽古の相手をしてもらう
胸をなで下ろす心配事が解決してほっと安心する
腹を割る本心を隠さず打ち明ける
腹をくくるどうなっても構わないと覚悟を決める
手を焼く扱いに困り、持て余す
手に余る自分の力量では処理しきれない
足を洗う好ましくない仕事や生活をきっぱりやめる
足が出る費用が予算を超えてしまう

💡 講師目線での覚え方のコツ

この30語は、「部位ごとに縦に並べて覚える」のが圧倒的に効率的です。目・耳・口・手・足のように部位で束ねると、空欄補充で部位を問われたときに候補が一瞬で出てきます。

特に受験生が混同しやすいのが「目に余る(ひどすぎて見過ごせない)」と「手に余る(自分の力では扱えない)」です。どちらも「余る」ですが、前者は他人の行為への評価、後者は自分の能力の限界を指します。私はこの2語だけは必ず並べて確認させていました。

動物・自然を使った慣用句15語

⭕ イメージで覚えられる15語

動物や自然を使った慣用句は、由来のイメージが浮かびやすいぶん定着が早い塊です。意味だけでなく「なぜそう言うのか」を一言添えて覚えると、忘れにくくなります。

慣用句意味
犬猿の仲非常に仲が悪い間柄
猫の手も借りたい非常に忙しく、人手が足りない
猫をかぶる本性を隠しておとなしそうに振る舞う
馬が合う互いに気心が通じ、しっくりくる
雀の涙ごくわずかな量やお金
鶴の一声有力者の一言で議論が決着すること
虫がいい自分の都合ばかり考えて身勝手だ
虫の居所が悪い機嫌が悪く、些細なことで怒りやすい
鵜呑みにする内容をよく考えずにそのまま受け入れる
逆鱗に触れる目上の人を激しく怒らせる
蛇足あっても役に立たない余計な付け足し
水を差すうまくいっている物事のじゃまをする
油を売る無駄話をして仕事を怠ける
波に乗る時流や勢いに乗ってうまく進む
風の便りどこからともなく伝わってくる噂

数字・物を使った慣用句15語

⭕ 意味の取り違えが起きやすい15語

数字や道具に由来する慣用句は、字面から意味を推測しにくいものが多く、知らなければ落とすタイプの語が並びます。ここは丸暗記で構いません。

慣用句意味
一目置く相手が自分より優れていると認める
二の舞を演じる前の人と同じ失敗を繰り返す
二の足を踏む思い切れずにためらう
三日坊主飽きやすく、物事が長続きしない
五十歩百歩多少の違いはあっても本質的に大差ない
白羽の矢が立つ多くの中から特に選び出される
板につく経験を重ね、態度や仕事が身についてしっくりくる
匙を投げる見込みがないとあきらめる
図に乗る調子に乗って増長する
太鼓判を押す確実であると保証する
折り紙付き品質や実力が確かだと保証されている
釘を刺すあとで問題が起きないよう念を押す
音を上げる苦しさに耐えられず弱音を吐く
拍車をかける物事の進行をいっそう速める
棚に上げる自分に都合の悪いことにあえて触れずにおく

📚 本記事の語釈について

上記60語の意味は、国語辞典に共通して見られる一般的な語釈をもとに、中学生が読んで理解できる表現に整理したものです。設問によっては別の言い換えが正解となる場合があるため、志望校の過去問で問われ方を確認してください。

意味を取り違えやすい慣用句7語【失点が集中する】

❌ 「知っているつもり」が最も危ない

ここからは60語の一覧とは別枠です。世間で広く誤った意味で使われているために、受験生が自信を持って誤答してしまう表現を7語だけ挙げます。上位校の誤用判定問題は、ほぼこの手の語から出ます。

表現本来の意味よくある誤解
役不足本人の力量に対して役目が軽すぎること力量に対して役目が重すぎること
情けは人のためならず人に情けをかけておくと巡り巡って自分のためになる情けをかけるとその人のためにならない
気が置けない遠慮がいらず、気楽に付き合える油断できない、気を許せない
流れに棹さす流れに乗って物事を順調に進める流れに逆らって勢いを止める
他山の石他人の誤った言動も自分を磨く材料になる他人の良い行いを手本にする
破天荒誰も成し得なかったことを初めて行うこと豪快で型破りな様子
檄を飛ばす自分の主張を広く知らせ、同意を求める元気のない人を励まして活気づける

📚 この7語の語釈について

上表の「本来の意味」は、国語辞典に共通して記載されている語釈に基づいています。ただし「破天荒」のように、近年の辞書では従来の誤用とされてきた語義を併記する例もあり、辞書によって扱いに差があります。設問で問われるのは原則として上表の意味ですが、志望校の過去問で解答例の語釈を確認しておくと確実です。

📊 誤解の広がりは公的調査でも確認されている

これは受験生に限った話ではありません。文化庁「国語に関する世論調査」の平成22年度調査では、「情けは人のためならず」を本来の意味である「人に情けを掛けておくと、巡り巡って結局は自分のためになる」と回答した人は45.8%にとどまりました(参照日:2026年8月30日)。

つまり、大人でも半数以上が本来の意味を選べていない語が、入試では平然と出題されるということです。

✏️ 私がこの7語を別枠にする理由

60語の一覧に混ぜてしまうと、この7語は「他と同じ1語」として流されてしまいます。しかし失点への寄与度はまったく違います。普通の語は「知らないから間違える」のに対し、この7語は「知っていると思い込んでいるから間違える」からです。

間違いを修正するには、覚え直しよりも強い刺激が必要です。私は指導の際、この種の語には「自分がこれまで使ってきた意味は誤りだった」と一度声に出して言わせていました。地味ですが、単に赤で書き直すより定着します。

慣用句の覚え方|定着する4ステップと逆効果な方法

📋 この章の要点

一覧を眺めるだけでは覚えられません。ここでは、私が受験生に実際に指示していた4ステップの手順と、多くの人がやってしまう逆効果な覚え方を具体的に示します。所要時間は1日10分程度を想定しています。

1日10分で回す4ステップの手順

🔰 慣用句を定着させる4ステップ

① 意味を隠して自己テスト(3分)
一覧の意味欄を紙で隠し、慣用句だけを見て意味を言えるか確認します。書かずに口頭で構いません。ここで答えられた語には、以後一切時間をかけません。
② 落とした語だけを抜き出す(2分)
答えられなかった語だけをノートに書き写します。60語のうち、初回で残るのはたいてい20〜30語です。この「残った語リスト」が以後の教材になります。
③ 由来か対義でひも付ける(3分)
残った語を、意味の丸暗記ではなく「なぜそう言うのか」「似た語との違いは何か」でひも付けます。例:「胸を借りる」は相撲で格上に稽古をつけてもらうことから。
④ 翌日に同じ語だけ再テスト(2分)
翌日、残った語リストだけを再テストします。2日連続で答えられた語はリストから消します。リストが空になったら次の塊へ進みます。

📈 この手順が効く理由

ポイントは「できる語に時間をかけない」ことに尽きます。一覧を頭から眺め直す勉強は、すでに覚えた語を何度も読む時間が大半を占めるため、体感の努力量のわりに残るものが少なくなります。

この「落とした語だけを残す」やり方は、慣用句に限らず語句暗記全般に使えます。入試頻出の古文単語と覚え方や歴史用語でも同じ手順が機能します。

語源・由来から覚えると忘れにくくなる

📖 由来で覚える具体例

意味だけを丸暗記した語は、1週間後にはかなりの割合が抜け落ちます。一方、由来のイメージが一緒に入っている語は残りやすい、というのが私が指導で繰り返し感じてきたことです。

  • 油を売る:かつて髪油の行商人が、客と長話をしながら商売していた様子から
  • 白羽の矢が立つ:神への生贄に選ばれた家の屋根に白い羽の矢が立てられたという言い伝えから
  • 逆鱗に触れる:竜のあごの下にある逆さの鱗に触れると激怒するという中国の故事から
  • 折り紙付き:美術品などの鑑定書である「折り紙」が付いていることから
  • 二の足を踏む:一歩目は出たが二歩目で足踏みしてしまう様子から

すべての語に由来を調べる必要はありません。ステップ②で残った語だけ調べれば十分です。歴史の語呂合わせと同じで、覚えにくい対象にだけ手間をかけるのが合理的です(参考:年号暗記で使う語呂合わせの選び方)。

やってはいけない覚え方3つ

❌ 時間のわりに残らない勉強法

  • 五十音順の一覧を頭から書き写す:作業時間ばかりかかり、記憶には結びつきません。書くこと自体が目的化した状態です。
  • 意味を「なんとなく」で済ませる:「役不足=力不足っぽい感じ」のような曖昧な理解は、誤用判定問題では確実に失点します。
  • 問題集を1周だけ解いて終える:語句は間隔をあけた再テストで定着します。1周して×がついたまま放置するのが最も惜しい使い方です。

問題集そのものの選び方で迷っている場合は、国語のおすすめ問題集と選び方で、語句分野が独立して収録されているかを基準に検討してみてください。

入試本番で得点に変える解き方のコツ

📋 この章の要点

覚えた語を得点に変えるには、出題形式ごとの解き方の型を知っておく必要があります。ここでは前章のポジションマップで示した4形式それぞれについて、本番で使える具体的な手順を示します。

空欄補充は「部位・カテゴリ」から逆算する

🧮 逆算の手順

「( )を割って話す」のような空欄補充では、意味から語を思い出そうとすると時間がかかります。先に「文の意味は本心を打ち明けることだ」と確定させ、次に体の部位を頭の中で順に当てはめるのが速い解き方です。

頭・目・鼻・耳・口・舌・歯・顔・首・肩・胸・腹・手・足。この順番を暗唱できるようにしておくと、本番で候補を漏らしません。前章で体の部位別に覚えることを勧めたのは、この解法に直結するためです。

誤用判定は「自分の直感を疑う」から始める

❗ 直感が正解を外す唯一の分野

選択肢に「よく聞く意味」と「あまり聞かない意味」が並んでいて、設問が「本来の意味を選べ」となっている場合、あまり聞かない側が正解であるケースが少なくありません。出題者は、誤用が広まっている語をあえて選んで出題するからです。

とはいえ、これは万能の解法ではありません。「よく聞く意味」がそのまま正解の問題も当然あります。あくまで前章の7語のような、誤用が広く知られている語に出会ったときの最後の判断材料として使ってください。

長文・作文で使うときの注意

✏️ 採点者側から見た使いどころ

作文で慣用句を使うのは有効ですが、無理に詰め込むのは逆効果です。答案を採点していた立場から言えば、文脈に合わない慣用句が一つ入っているだけで、その答案全体の印象が落ちます。使うなら、意味を確実に理解している語を1つだけ、結論部分に置くのが安全です。

長文読解では逆に、傍線部に慣用句が含まれているかどうかを意識して読むと、設問の意図が読みやすくなります。読解の手順そのものを固めたい場合は長文読解を解く順番とコツを、作文の構成は入試作文で差がつく書き方を参考にしてください。

慣用句対策の注意点と、向いていない進め方

📋 この章の要点

ここまで慣用句対策の効果を述べてきましたが、当然デメリットや限界もあります。誠実にお伝えしておきたい注意点を3つ挙げます。

深入りしすぎると国語全体の点が下がる

📉 最大のリスクは「機会損失」

慣用句は、覚えると達成感が得られる分野です。そのため、読解が苦手な受験生ほど慣用句や漢字に逃げ込みやすいという傾向を、私は何度も見てきました。

しかし国語の配点の大半は読解です。慣用句で満点を取っても、読解が崩れていれば国語の点数は伸びません。語句に割く時間は1日10分程度を上限とし、それ以上は読解に回すべきだと考えています。

自治体・学校によって出題量には差がある

⚠️ 一律の対策は成立しない

公立高校入試の出題内容は都道府県ごとに、私立は学校ごとに設計されています。慣用句が独立した設問として毎年出る地域もあれば、長文中の語句の意味を問う形にとどまる地域もあります。

本記事の優先順位はあくまで一般的な目安です。実際にどれだけ時間を割くべきかは、志望校の過去問を3年分ほど確認し、語句問題が何点分あるかを数えてから判断してください。これは私が指導の初回に必ずやってもらっていた作業です。

この対策が向いている人・向いていない人

⚖️ 向き・不向きの整理

タイプ判断
語句問題で毎回失点している最優先で取り組む価値があります
読解は取れるが知識問題が不安定本記事の60語+7語で十分に埋まります
上位私立・難関国立が志望60語を土台に、誤用表現と故事成語まで広げてください
長文読解の得点が安定していない慣用句は10分に抑え、読解に時間を配分すべきです
入試まで残り1か月を切っている新規暗記より、既習語と過去問の見直しを優先してください

📝 進路選択についての注記

本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。

いつから始める?慣用句の時期別学習計画

📋 この章の要点

「いつから始めればいいか」は最も多い質問の一つです。結論から言えば、本格的な暗記は中3の夏以降で間に合います。ここでは12週間で60語+7語を仕上げる具体的なロードマップを示します。

慣用句 12週間ロードマップ(1日10分想定) 第1〜3週:体の部位30語 1日10語を自己テスト → 落とした語だけ翌日再テスト 第4〜6週:動物・自然15語+復習 由来をひも付けて定着。週末に体の部位30語を総点検 第7〜9週:数字・物15語+復習 60語を通しでテスト。残った語だけのリストを作り直す 第10〜11週:誤用しやすい7語 本来の意味を声に出して確認。誤用判定問題で演習 第12週:過去問での実戦確認 志望校の語句問題を3年分。以後は新規暗記を止める ※筆者(指導歴10年超)が受験生への指導実績をもとに設計した学習計画です。

中1・中2は「調べる習慣」だけで十分

⭕ この時期にやるべきこと

中1・中2の段階で慣用句を集中的に暗記する必要はありません。教科書や読書で知らない言い回しに出会ったとき、その場で辞書やアプリで調べる。この習慣があるだけで、中3で暗記を始めたときのスタート地点がまったく変わります。

あわせて、漢字・語句を体系的に扱う漢字検定を活用するのも一つの手です。優遇の実態については高校受験で漢検は有利になるのかで整理しています。

中3夏〜秋が本格的な暗記の適期

📌 夏以降に始める理由

慣用句は短期集中で仕上がる分野です。早く始めても、入試までの期間が長いぶん忘却との戦いが増えるだけで、投じた時間に見合いません。中3の夏から秋にかけて12週間かけて仕上げ、直前期は維持に回すのが、最も効率のよい配置だと考えています。

移動時間などの隙間を使いたい場合はアプリも選択肢になります。使い分けの考え方は高校受験アプリの選び方と使い分けにまとめました。

直前期は「新しく覚えない」が鉄則

⚠️ 入試1か月前からの動き方

直前期に語句を新しく増やすのは、精神的な安心を得る効果はあっても、得点への寄与は限定的です。この時期はすでに一度覚えた語だけを高速で回し、過去問で出た語を確認することに集中してください。

自力での管理が難しいと感じる場合は、演習と進捗管理を外部に委ねる選択肢もあります。塾・家庭教師・通信教育の比較は目的別に選ぶ学習塾・家庭教師の比較ランキングで、自宅学習で語句と読解を回す方法は中学生向け映像授業サービスの実際の評判で解説しています。

よくある質問

❓ Q1. 高校受験で慣用句は何語覚えればいいですか?

A. 公立高校の一般入試であれば、まずは頻出の60語程度を確実に使いこなせる状態にするのが現実的な目安だと考えます。上位私立や難関国立を志望する場合は、そこに誤用されやすい表現や故事成語を足して150〜200語程度まで広げておくと安心だと考えますが、これは統計に基づく数値ではなく、私が指導の際に用いていた目安です。ただし慣用句は配点全体から見れば小さく、長文読解や作文の対策時間を削ってまで語数を追うべきではありません。

❓ Q2. 慣用句とことわざ・四字熟語はどう違いますか?

A. 慣用句は二つ以上の語が結びついて、元の意味とは別の決まった意味を表す言い回しです。ことわざは教訓や生活の知恵を短くまとめた言葉、四字熟語は漢字四字で構成された熟語を指します。入試の設問では厳密に区別されないこともありますが、辞書的にはこの三つは別のカテゴリーとして扱われます。

❓ Q3. 慣用句の勉強はいつから始めるべきですか?

A. 中学1・2年生のうちは日々の読書や授業で触れた語を辞書で確認する程度で十分です。本格的な暗記は中3の夏以降、長文読解や理社の暗記と並行して1日10分程度を確保する形が効率的だと考えます。直前期は新しい語を増やすのではなく、既習語の総点検に切り替えてください。

❓ Q4. 慣用句は公立と私立で出題に違いはありますか?

A. 公立高校は独立した知識問題として出題されるか、長文中の語句の意味を問う形が中心です。私立の上位校では、誤用の判定や文脈に合う語の選択など、意味を正確に理解していないと解けない形式が増える傾向があります。志望校の過去問で出題形式を確認するのが最も確実です。

❓ Q5. 慣用句を覚えるのにアプリは使えますか?

A. 反復回数を稼ぐ用途では有効だと考えます。ただしアプリは一問一答形式が多く、文脈の中で使う練習になりにくい弱点があります。アプリで意味を覚え、問題集や長文で使われ方を確認する二段構えにすると定着しやすくなります。

❓ Q6. 慣用句が苦手でも国語の点数は上がりますか?

A. 上がります。国語の配点は長文読解が中心で、慣用句を含む語句問題の比重はそれほど大きくありません。ただし慣用句は覚えた分だけ確実に得点になる数少ない分野であり、読解の下支えにもなるため、切り捨てるのではなく短時間で回す設計にするのが得策です。

まとめ:高校受験の慣用句は「頻出60語×正しい覚え方」で確実に得点できる

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🎯 この記事の結論

高校受験の慣用句対策は、頻出60語を体の部位・動物や自然・数字や物の3分類で覚え、誤用しやすい7語だけを別枠で潰す。これで入試で問われる範囲はほぼ足ります。

  • 慣用句は配点こそ小さいが、努力が最も素直に得点に変わる分野
  • 出題は「意味選択・空欄補充・誤用判定・読解や作文での運用」の4形式
  • 体の部位30語が最優先。空欄補充では部位から逆算すると速い
  • 失点が集中するのは「知っているつもり」の誤用しやすい7語
  • 覚え方は「落とした語だけを残して翌日再テスト」の4ステップ
  • 本格的な暗記は中3夏〜秋の12週間。直前期は新規暗記をやめる
  • 1日10分を上限とし、それ以上は長文読解へ時間を回す

✅ この対策が向いている人

  • 語句問題で毎回2〜3点を落としている
  • 読解はある程度取れるが、知識問題が不安定
  • 短時間で確実に上乗せできる分野を探している
  • 作文や記述の表現の幅を広げたい

❌ 今は優先すべきでない人

  • 長文読解の得点が安定しておらず、国語全体が伸び悩んでいる
  • 入試まで1か月を切っており、既習範囲の見直しが終わっていない
  • 他教科に大きな穴があり、国語に時間を割く段階にない

当てはまる場合も、慣用句を完全に捨てる必要はありません。1日5分に縮めて維持するだけでも、本番で拾える問題は残ります。

🧭 次にやること

この記事を閉じたら、まず志望校の過去問を1年分開き、語句問題が何点分あるかを数えてください。その点数が、あなたが慣用句に割くべき時間の上限を決めます。

そのうえで、本記事の体の部位30語から自己テストを始めれば、今日中に「残った語リスト」が完成します。

🎓 執筆者プロフィール

元塾講師のひとりごと運営者・kouのプロフィール画像

kou/教育系Webライター・プロ家庭教師(フリーランス)
専門領域:中学受験・高校受験・大学受験/中高一貫校・浪人生・不登校・発達障害のある生徒の指導

この記事を書く資格がある理由
中学時代に早稲田アカデミーで高校受験を経験し、慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部在学中は同校で多数の高校受験生を指導し、卒業後もプロ家庭教師として指導歴は10年を超えます。国語の語句分野は、受験生として自分で詰め込み、講師として何百人分もの答案を採点してきた領域であり、「どの語で受験生が落とすか」を現場で繰り返し見てきました。本記事の優先順位づけは、その経験に基づくものです。

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📝 調査概要

  • 調査対象:高校入試で出題される慣用句と、その学習方法
  • 調査方法:国語辞典等における一般的な語釈の確認/文化庁「国語に関する世論調査」の公表資料の確認/著者の指導経験(指導歴10年超)に基づく整理
  • 調査実施日:2026年8月30日
  • 情報の限界:全国の公立高校入試および私立高校入試の出題実績を網羅的に集計したものではありません。本記事に記載した「頻出」「優先度」は、著者の指導経験に基づく見解であり、統計的に検証された順位ではありません。また、特定の自治体・学校における今後の出題傾向を保証するものではないため、実際の学習量は志望校の過去問でご判断ください。
  • 利益相反の有無:なし(本記事に広告掲載および特定事業者からの依頼はありません)

📚 参考文献・引用元

🏷️ 更新情報

公開日:2026年8月30日/最終更新日:2026年8月30日
※情報変更があった場合は随時更新します。