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kou|教育系Webライター・プロ家庭教師(指導歴10年超)
早稲田アカデミーから慶應義塾高等学校に合格し、慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中は早稲田アカデミーで受験生を指導し、現在はフリーランスで中学受験生の指導も担当しています。
公開日:2026年10月16日/最終更新日:2026年10月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。
結論:中学受験の振り子は「周期(1往復の時間)は振り子の長さだけで決まる」「長さが4倍・9倍になると周期は2倍・3倍」の2点を軸にすれば、計算問題の大半は比で解けます。
おもりの重さや振れ幅を変えても周期は変わらない一方、「長さをどこから測るか」「くぎに引っかかるとどうなるか」で差がつきます。振り子は条件をそろえて比べる実験の考え方がそのまま問われる単元です。
- 振り子の周期が「長さだけ」で決まる理由と、重さ・振れ幅が関係しない理由
- 長さと周期の関係を一目で見られる数値表とグラフ
- くぎ・重心・速さ・衝突など入試頻出パターンの解き方
- 子どもがつまずく典型的な原因と、学年別の勉強の進め方
私は中学受験で早稲田アカデミーに通い、大学時代には同じ早稲田アカデミーで講師として受験生を指導しました。振り子は覚えることが少ない分、「重さは関係ない」という結論だけを覚え、問題の条件を読まずに当てはめてしまう子が多い単元だと感じています。受験生として学んだ側と教えた側の両方を経験したからこそ、どこで思い込みが生まれるのかを具体的にお伝えできます。この記事では、その理由と抜け出し方を、学習指導要領と物理の公式という確かな根拠に沿って整理しました。
受験全体の流れの中で理科をいつ固めるかは、学年別に整理した中学受験の全手順もあわせて参考にしてください。
中学受験の振り子とは?まず押さえる基本と用語
「振り子の1往復」とは、どこからどこまでを指すか説明できますか?振り子の問題は、用語の定義があいまいなまま解き始めると必ずどこかでずれます。この章では、周期・支点・長さの3つの言葉を正確にそろえます。
振り子の周期(1往復する時間)とは
振り子の周期とは、おもりが手をはなした位置から反対側へ振れ、もとの位置に戻ってくるまでの時間(1往復の時間)のことです。中学受験の理科では、この周期が「何によって変わり、何によって変わらないか」を問う問題が中心になります。
- 支点:糸をつるしている点
- 振り子の長さ:支点からおもりの重心までの長さ
- 振れ幅:おもりが振れる幅(角度)
- 最下点:おもりが最も低くなる位置。速さが最大になる
小5で学ぶ単元と入試での位置づけ
文部科学省の小学校学習指導要領(平成29年告示)では、振り子は小学5年の「振り子の運動」で扱われます。内容の要旨は、振り子が1往復する時間はおもりの重さなどでは変わらず、振り子の長さによって変わることを、条件を制御しながら調べるというものです。
中学入試ではこの基本に加えて、比を使った計算や、エネルギー(速さ・衝突)につながる応用が出題されます。力学分野の入り口として、てこ・ばね・滑車と並ぶ位置づけです。理科全体の分野ごとの対策は中学受験理科の頻出4分野の勉強法で整理しています。
振り子の長さはどこからどこまで測る?
振り子の長さは支点から「おもりの重心(ふつうは中心)」までです。糸の長さだけで計算させない問題や、大きなおもりを使って「糸の長さ+おもりの半径」を考えさせる問題があります。図に書かれた数字がどこからどこまでの長さなのか、最初に確認する習慣をつけましょう。
振り子の周期を決めるのは「長さ」だけ
重いおもりのほうが速く往復しそうに感じませんか?実際には、重さも振れ幅も周期には関係しません。この章では、条件をそろえた比べ方と、長さと周期の数値関係を確認します。
重さ・振れ幅・長さを比べる条件制御の考え方
実験問題では「どの2つを比べれば、その条件の影響がわかるか」が問われます。調べたい条件だけを変え、ほかの条件はすべて同じにするのが原則です。
| 変える条件 | 周期への影響 | 比べ方のポイント |
|---|---|---|
| おもりの重さ | 変わらない | 長さ・振れ幅を同じにして重さだけ変える |
| 振れ幅 | 変わらない(入試の前提) | 長さ・重さを同じにして振れ幅だけ変える |
| 振り子の長さ | 長いほど周期が長い | 重さ・振れ幅を同じにして長さだけ変える |
長さと周期の関係を数値で確認する
長さが25cm→100cm→225cm→400cm(1倍→4倍→9倍→16倍)になると、周期は約1秒→2秒→3秒→4秒(1倍→2倍→3倍→4倍)になります。長さを2倍にしても周期は2倍にならない点がグラフからも読み取れます。
出典:周期の公式 T=2π√(L/g) に重力加速度 g=9.8m/s² を代入して筆者が計算(小数第2位を四捨五入)。中学入試の問題では、問題文に与えられた数値表を使って解きます。
「4倍で2倍、9倍で3倍」計算のコツ
周期が□倍になるとき、長さは□×□倍になります。逆に長さが○倍のとき、周期は「同じ数を2回かけて○になる数」倍です。
- 周期2秒の振り子(100cm)を周期3秒にしたい → 周期は1.5倍 → 長さは1.5×1.5=2.25倍 → 225cm
- 周期1秒の振り子(25cm)の長さを9倍の225cmにする → 周期は3倍の3秒
この計算は算数の「比」と「同じ数を2回かけた数(平方数)」の理解が土台です。比の扱いに不安がある場合は、中学受験算数の学年別の勉強法で比の単元を先に確認しておくと、振り子の計算が一気に楽になります。
小学生は平方根を習わないため、「長さが4倍なら周期は2倍」を公式として覚えても、9倍・16倍で応用できなくなる子が少なくありません。私は長さを「25cmの何倍か」に直し、それが「同じ数を2回かけた数」のどれかを見る方法をすすめています。
| 長さ | 25cmの何倍か | 周期 |
|---|---|---|
| 25cm | 1(1×1) | 約1秒 |
| 100cm | 4(2×2) | 約2秒 |
| 225cm | 9(3×3) | 約3秒 |
| 400cm | 16(4×4) | 約4秒 |
| 625cm | 25(5×5) | 約5秒 |
「かけ算九九の同じ数どうし」と結びつけると、表を見なくても長さと周期を行き来できるようになります。
周期を正しく測る:10往復の平均をとる理由
1往復だけをストップウォッチで測ると、押す・止めるタイミングのずれが結果に大きく響きます。10往復の時間を測って10で割ると、ずれが10分の1に薄まります。記述問題で「理由を答えなさい」と問われることがあるので、「1往復では時間が短く、測定のずれの影響が大きいため」と言葉で説明できるようにしておきましょう。
実験・記述問題の形式は学校ごとに特徴が出ます。志望校の傾向をつかむには過去問の始める時期と復習法も参考にしてください。
入試で問われる5つの型と解き方
振り子の入試問題は、見た目が違っても考え方はいくつかの型に分けられます。私が指導の中で繰り返し扱ってきた5つの型を、解き方の手順と一緒に紹介します。
パターン①:くぎに引っかかる振り子の周期
支点の真下にくぎがあると、おもりは片側では長い振り子、反対側ではくぎを支点にした短い振り子として振れます。周期は「長い振り子の周期の半分」+「短い振り子の周期の半分」です。
また、くぎに引っかかってもおもりが上がる高さは手をはなした高さと同じです。振れる角度は大きくなりますが、高さは変わらない点もよく問われます。
パターン②:おもりの付け方で長さが変わる(重心)
同じおもりを2個使う問題は、付け方で答えが分かれます。
| 付け方 | 重心の位置 | 周期 |
|---|---|---|
| 同じ位置に横並び | 変わらない | 変わらない |
| 縦につなげて下に足す | 下がる(長さが長くなる) | 長くなる |
| おもりの中に空洞があり、水や砂を入れる・抜く | 入れ方によって上下する | 重心が下がれば長く、上がれば短くなる |
特に、水を満たした中空のおもりから水を少しずつ抜く問題では、重心がいったん下がってから元の位置に戻るため、周期は一度長くなってから元に戻ります。
「重さが2倍になったから周期は変わらない」と即答すると、縦につなげた場合を間違えます。まず重心がどこにあるかを図に書き込むのが確実です。
パターン③:最下点での速さとエネルギー
おもりは最下点で最も速くなり、両端で一瞬止まります。最下点での速さは手をはなした高さで決まり、おもりの重さや糸の長さには関係しません。高さが同じなら、短い振り子でも長い振り子でも最下点の速さは同じです。
「長い振り子のほうが大きく振れるから速い」と考える子が多いのですが、比べるべきは振れ幅ではなく高さです。
パターン④:振り子の衝突(木片の移動距離)
最下点に置いた木片におもりを当て、木片が動いた距離を調べる問題です。周期とは違い、ここではおもりの重さも関係します。
- 高さを同じにして重さを2倍にする → 木片の移動距離はおよそ2倍
- 重さを同じにして高さを2倍にする → 木片の移動距離はおよそ2倍
実際の木片の動きは床との摩擦などにも左右されるため、入試では実験結果の表が与えられ、そこから「重さ×高さ」に比例する関係を読み取る形式で問われます。周期の問題(重さは無関係)と衝突の問題(重さが関係する)を混同しないことが得点の分かれ目です。
最下点に届くまでの速さは、物を落としたときと同じで重さに関係しません。一方、木片を押しのける「勢い」は、同じ速さなら重いおもりほど大きくなります。中学理科で学ぶ位置エネルギーが「重さ×高さ」に比例するのはこのためで、高校物理まで見通しても考え方は一貫しています。
私は「速さは重さに関係ない、ぶつかる力は重さに関係ある」の2行をノートの同じページにまとめておくことをすすめています。並べて書くことで、2つの結論を混同しにくくなります。
パターン⑤:2つの振り子が再びそろう時間
周期の違う2つの振り子を同時に振り始め、「次に両方が同時にもとの位置に戻るのは何秒後か」を問う型です。答えは2つの周期の最小公倍数になります。
小数のままだと最小公倍数が求めにくいので、10倍して15と20の最小公倍数60を求め、10で割ると確実です。
元塾講師が見てきた振り子のつまずきと注意点
振り子は公式が少ない分、思い込みでの失点が目立つ単元です。指導経験から見えてきたつまずきと、入試の前提として知っておきたい注意点をまとめます。
指導現場で多かった3つのつまずき
私が早稲田アカデミーと家庭教師の指導で見てきた中で、振り子のミスは次の3つにほぼ集約されます。
- 片道と往復の取り違え:「端から端まで」を1往復と数えてしまう
- 長さを2倍→周期2倍と考える:比例と思い込み、平方の関係を使えない
- 周期と衝突の混同:「重さは関係ない」を衝突問題にも当てはめてしまう
どれも知識不足というより、問題文の条件を読まずに覚えた結論を当てはめることで起きています。私は指導の際、答えを出す前に「この問題で変わっている条件は何?」と口に出して言ってもらうようにしていました。
振れ幅で周期は本当に変わらない?入試の前提
中学入試では「振れ幅で周期は変わらない」として解きますが、物理的には振れ幅が大きくなるほど周期はわずかに長くなります。差は小さく、入試の解答では無視するのが前提です。
出典:単振り子の周期の厳密解(第1種完全楕円積分)から筆者が計算した、振れ幅0°に近い場合と比べた周期の伸び率。
周期2秒の振り子を振れ幅30°で振っても、伸びは0.03秒程度です。ストップウォッチの操作のずれのほうが大きいため、小学生の実験では「変わらない」と結論づけられます。入試問題で振れ幅を変えた実験が出たら、原則「周期は同じ」と答えて問題ありません。
学年別・時期別の振り子の勉強法
振り子は、学年によって身につけるべきことが変わる単元です。いつ・何をやるかを整理し、家庭でできる実験と学習手段の選び方まで紹介します。
小4〜小5:実験と言葉で「なぜ」を理解する
- 周期・支点・長さ・振れ幅の言葉を正確に言える
- 「重さ・振れ幅では変わらず、長さで変わる」を条件制御とセットで説明できる
- 25cm=約1秒、100cm=約2秒の目安を覚える
この時期は計算の速さより、どの条件を比べているのかを自分の言葉で説明できることを優先しましょう。
小6:応用パターンと過去問で仕上げる
- くぎ・重心・衝突の3パターンを、図に書き込みながら解く
- 実験の表から比例・平方の関係を読み取る練習をする
- 志望校の過去問で、記述(理由説明)の出題があるか確認する
小6の学習時間の中で理科の比重をどう置くかは、学年別・時期別の勉強時間の目安で全体像を確認できます。
家庭でできる振り子の実験
実際に手を動かすと「重さを変えても本当に変わらない」ことが体感でき、思い込みによるミスが減ります。周りに物がない場所で、振れ幅は小さめに行ってください。
塾・家庭教師・映像授業の使い分け
| 状況 | 向いている手段 |
|---|---|
| 授業を聞き逃した・もう一度説明を聞きたい | 映像授業で繰り返し視聴 |
| どこで間違えているか自分でわからない | 家庭教師・個別指導で解く過程を見てもらう |
| 応用問題の演習量が足りない | 集団塾の演習・テストの活用 |
映像授業で中学受験理科をどこまで補えるかは、スタサプで中学受験に対応できるかを検証した記事で詳しく解説しています。解く過程の確認が必要な場合は、中学受験で家庭教師が必要かの判断基準も参考になります。
本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。
中学受験の振り子でよくある質問
保護者の方や受験生から特によく聞かれる疑問を、Q&A形式でまとめました。
振り子のおもりを重くすると周期は変わりますか?
変わりません。振り子が1往復する時間(周期)は、おもりの重さには関係せず、振り子の長さだけで決まります。ただし、おもりの付け方によって支点から重心までの長さが変わる場合は、周期も変わります。
振れ幅を大きくすると振り子の周期は変わりますか?
中学入試では「振れ幅によって周期は変わらない」として扱います。厳密には振れ幅が大きいほどわずかに長くなり、計算上は30度で約1.7%、60度で約7%長くなりますが、入試問題ではこの差を無視するのが前提です。
振り子の長さはどこからどこまで測りますか?
支点(糸をつるした点)から、おもりの重心(ふつうはおもりの中心)までを測ります。糸の長さだけを答えると誤りになる問題があるので注意が必要です。
長さ1mの振り子の周期は何秒ですか?
約2秒です。重力加速度を9.8m/s²として計算すると約2.0秒になります。長さが4倍になると周期は2倍、9倍になると3倍になるので、25cmで約1秒、225cmで約3秒と覚えておくと計算が速くなります。
くぎに引っかかる振り子の周期はどう求めますか?
くぎより左右それぞれで振れる振り子の周期を求め、それぞれの半分を足します。たとえば長さ100cm(周期約2秒)の振り子が、支点から75cm下のくぎに引っかかる場合、くぎから下は25cm(周期約1秒)なので、1秒÷2+2秒÷2=約1.5秒です。
振り子は小学何年生で習いますか?
文部科学省の小学校学習指導要領では、小学5年の理科「振り子の運動」で学習します。進学塾ではカリキュラムによって時期が前後するため、通っている塾のテキストで確認してください。
まとめ:中学受験の振り子は「長さ」と「比」で解ける
- 周期は振り子の長さだけで決まり、重さ・振れ幅では変わらない
- 長さは支点からおもりの重心まで。付け方で重心が動けば周期も変わる
- 長さ4倍で周期2倍、9倍で3倍。25cm=約1秒、100cm=約2秒が目安
- くぎは「半分+半分」、速さは「高さ」、衝突は「重さ×高さ」で考える
覚えた結論を当てはめる前に「この問題で何の条件が変わっているか」を確認することが、振り子で失点しない一番の近道です。
| 向いている人 | 別の対策も検討したい人 |
|---|---|
| 公式は覚えたが計算で手が止まる | 比・割合そのものがまだ不安(先に算数の比を復習) |
| くぎ・重心の問題で毎回迷う | テスト直前で応用まで手が回らない(基本の3条件に絞る) |
| 家庭で実験して理解を深めたい | 自分のミスの原因がつかめない(解く過程を第三者に見てもらう) |

kou|教育系Webライター・プロ家庭教師(指導歴10年超)
中学時代に早稲田アカデミーに通い、慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部卒業。在学中は早稲田アカデミーで多数の受験生を指導しました。現在はフリーランスのプロ家庭教師として、中学受験・高校受験・大学受験、中高一貫校生、浪人生、不登校・発達障害のお子さまの指導に携わっています。
この記事を書く資格がある理由:受験生として中学受験塾の理科を学び、講師として同じ単元を教えてきた両方の立場から、振り子で子どもがどこでつまずくかを具体的に知っているためです。
- 調査対象:中学受験理科「振り子」単元の学習内容と頻出の出題形式
- 調査方法:文部科学省「小学校学習指導要領」の確認/物理の公式に基づく数値計算/著者の指導経験に基づく知見
- 調査実施日:2026年10月16日
- 情報の限界:特定の学校の入試問題の出題頻度を統計的に集計したものではありません。数値は理想的な単振り子(糸の重さ・空気抵抗を無視)での計算値です。塾ごとのカリキュラムの学習時期は確認していません。
- 利益相反の有無:なし(本記事に広告・アフィリエイトリンクはありません)
- 文部科学省「平成29・30・31年改訂学習指導要領(本文、解説)」(参照日:2026年10月16日)
- 消費者庁「表示対策」(参照日:2026年10月16日)
公開日:2026年10月16日/最終更新日:2026年10月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。

