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🎓 この記事を書いた人

kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
指導歴10年超。中学時代に早稲田アカデミーへ通い慶應義塾高等学校に合格、慶應義塾大学経済学部卒。在学中は早稲田アカデミーで多くの受験生を指導し、現在は中学受験から大学受験までを担当するフリーランスの家庭教師です。
公開日:2026年10月16日/最終更新日:2026年10月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。
🎯 結論
結論:大安寺中学(岡山県立岡山大安寺中等教育学校)の受験は、倍率約2.7倍・出願は県立1校のみ・高校からの入学枠なしという「一発勝負」の選抜です。合否は適性検査Ⅰ・Ⅱ(各70点)、集団面接、小学校の調査書の総合判定で決まるため、知識の暗記量よりも「読んで、考えて、書いて説明する力」を小5から計画的に鍛えられるかが分かれ目になると私は考えています。
🔍 この記事でわかること
「大安寺中学に挑戦させたいけれど、どれくらい難しいの?」「私立の中学受験と何が違うの?」と迷っている保護者の方は多いのではないでしょうか。この記事では、次の疑問に答えます。
- 大安寺中学はどんな学校で、県立中学校と何が違うのか
- 倍率の推移と、定員140名への減少が受検生に与える影響
- 2027年度(令和9年度)入試の日程と出願の流れ
- 適性検査・集団面接・調査書で見られること
- 小4〜小6で何をすればよいか、塾は必要か
- 不合格だった場合の進路をどう考えておくか
💬 この記事の立ち位置
私は首都圏で中学受験の指導に携わってきましたが、岡山大安寺中等教育学校の生徒・受検生を直接指導した経験はありません。そのため本記事は、岡山県教育委員会・学校の公開資料と民間の入試結果集計を一次資料とし、私の中学受験指導の経験から「その情報をどう読むか」を加えて構成しています。学校関係者・塾との利害関係はありません。
大安寺中学(岡山大安寺中等教育学校)とは?受験前に知るべき基本
📌 まず押さえたいこと
「大安寺中学」は通称で、正式名称は岡山県立岡山大安寺中等教育学校です。一般的な「中学校」とは学校の種類が異なり、その違いが受験の戦略にも直結します。
大安寺中学とは?県内初の中等教育学校の特徴
📋 学校の概要
岡山大安寺中等教育学校は、2010年4月に開校した岡山県初の中等教育学校で、中学1年から高校3年にあたる6年間を1つの学校で学ぶ県立校です。前期課程(中学段階)3年と後期課程(高校段階)3年に分かれますが、途中で高校入試はありません。
| 正式名称 | 岡山県立岡山大安寺中等教育学校 |
| 所在地 | 岡山市北区北長瀬本町19-34 |
| 最寄り駅 | JR「北長瀬駅」徒歩約5分 |
| 募集人員 | 140名(2026年度入試から160名→140名) |
| 学校の種類 | 中等教育学校(6年一貫・後期課程からの外部募集なし) |
| 授業料 | 前期課程(中学段階)は公立の義務教育のため不要 |
出典:iBASE「岡山大安寺中等教育学校」(開校年・所在地・アクセス)、岡山県教育委員会「令和9年度入学者選抜実施大要」(募集人員)(2026年10月16日参照)
学校が掲げる教育目標は、課題解決型の学習を通じて主体性や協調性を育て、地域や国際社会を牽引するリーダーを育成することです。求める児童像として「勉強好き」「好奇心旺盛」「思いやりがある」ことが示されています(学校のスクール・ポリシー)。
進学面では、東京大学の合格者が2023年に9名、2024年に13名(すべて現役)と集計されています(インターエデュ「東大・京大・難関大学合格者ランキング」、2026年10月16日参照)。6年一貫で大学受験を見据えた学習ができることは、この学校を選ぶ大きな理由の一つになると考えます。
県立中学校・市立後楽館との違い
🆚 岡山の公立中高一貫校の比較
岡山市周辺で公立の中高一貫校を考えると、候補は主に次の5校です。大安寺だけが「中等教育学校」で、募集人員も最多です。
| 学校名 | 設置 | 形態 | 募集人員 |
|---|---|---|---|
| 岡山大安寺中等教育学校 | 県立 | 中等教育学校 | 140名 |
| 岡山操山中学校 | 県立 | 中学校(高校と一貫) | 105名 |
| 倉敷天城中学校 | 県立 | 中学校(高校と一貫) | 105名 |
| 津山中学校 | 県立 | 中学校(高校と一貫) | 70名 |
| 岡山後楽館中学校 | 岡山市立 | 中学校(高校と一貫) | 70名 |
出典:岡山県教育委員会「令和9年度入学者選抜実施大要」、育伸社「2026年度 公立中高一貫校・私立中学 入試結果【岡山県】」(2026年10月16日参照)
💡 「高校入試がない」ことの重み
私自身は中学から慶應義塾高校を受けた「高校受験組」です。高校受験は、中学3年間で伸びた子にもう一度チャンスを与えてくれる仕組みでした。大安寺はその「二度目のチャンス」がない学校です。入学できれば6年間を見通した学習ができる一方、受験する側から見ると、小6の1月の1日で決まる選抜だということを保護者の方には最初に理解しておいてほしいと考えます。
大安寺中学の倍率と受験データ
📊 数字で見る難しさ
「何人に1人が受かるのか」は、受験を決めるうえで最初に知りたい数字だと思います。ここでは過去5年の倍率と、2026年度入試の県内比較を整理します。
大安寺中学の倍率の推移(2022〜2026年度)
📈 倍率は3倍前後から2.5〜2.7倍へ
2022年度の3.13倍から緩やかに下がり、2025年度は2.53倍まで落ち着きました。2026年度は定員が20名減ったことで2.70倍に上がっています。
出典:育伸社「2026年度 公立中高一貫校・私立中学 入試結果【岡山県】」ほか(2026年10月16日参照)。数値は民間集計で、学校の公式発表ではありません。
2026年度入試の結果を県内の公立中高一貫校と比較
⚖️ 2026年度 入試結果の比較
| 学校名 | 募集 | 応募者 | 合格者 | 倍率 |
|---|---|---|---|---|
| 岡山大安寺中等教育学校 | 140 | 378 | 140 | 2.70倍 |
| 岡山操山中学校 | 105 | 356 | 105 | 3.34倍 |
| 倉敷天城中学校 | 105 | 286 | 105 | 2.65倍 |
| 津山中学校 | 70 | 130 | 70 | 1.86倍 |
| 岡山後楽館中学校(市立) | 70 | 91 | 70 | 1.24倍 |
出典:育伸社「2026年度 公立中高一貫校・私立中学 入試結果【岡山県】」(2026年3月27日現在の集計、2026年10月16日参照)
✏️ 倍率より「合格率」で見てほしい
倍率は母数が変わると印象が大きく変わります。合格者÷志願者の「合格率」に直すと、2025年度は約39.6%(160÷404)、2026年度は約37.0%(140÷378)です。志願者は26名減ったのに、合格の椅子は20席減ったため、実感としては「少し狭き門になった」と見るのが正確だと私は考えています。
また、倍率の数字は塾の模試の偏差値と違い、受検者の学力分布までは教えてくれません。数字だけで「2.7倍なら3人に1人は受かる」と楽観せず、適性検査で合格者層に届く答案が書けるかで判断してください。倍率の読み方の基本は実質倍率と出願倍率の違いでも解説しています。
2027年度(令和9年度)入試の日程と出願の流れ
📌 今年度の受検生へ
この記事の公開時点(2026年10月)は、まさに出願準備の時期です。岡山県教育委員会が公表した令和9年度の実施大要から、受検生が押さえるべき日程をまとめます。
大安寺中学の入試日程一覧
📋 令和9年度 入学者選抜の主な日程
| 項目 | 日程 |
|---|---|
| 事前審査(学区外出願許可)申請 | 2026年10月29日(木)〜11月20日(金) |
| 志願者情報等登録(WEB) | 2026年10月29日(木)〜11月27日(金) |
| 出願(郵送・簡易書留) | 2026年11月25日(水)〜11月27日(金)※27日消印有効 |
| 受検案内・受検票 | 2026年12月4日(金)以降に受領 |
| 適性検査・面接 | 2027年1月9日(土)集合8:50 |
| 選抜結果の通知 | 2027年1月22日(金)までに受検者全員へ |
| 入学確約書の提出 | 2027年1月26日(火)〜1月28日(木) |
入学者選抜手数料は2,200円で、出願サイトで納付します。
出典:岡山県教育委員会「令和9年度 岡山県立中学校及び岡山県立中等教育学校入学者選抜実施大要」(岡山県教育庁 高校教育課のページ、2026年10月16日参照)
📝 日程に関する注記
本記事の日程は記事掲載時点の公表情報です。変更の可能性があるため、出願前に必ず岡山県教育委員会の実施要項と学校の公式サイトでご確認ください。
出願は県立1校のみ|申込から受検までの手順
🔰 出願の流れ
岡山県立の中学校・中等教育学校は1校しか出願できません。大安寺・操山・天城・津山から1校を選びます。
住所などの条件によっては学区外出願の事前審査が必要です。対象となる条件は本記事の調査では確認できなかったため、県の実施要項で必ず確かめてください。申請期限は11月20日なので、該当しそうな場合は早めに確認します。
10月29日から11月27日までに出願サイトで登録します。
11月25日〜27日に簡易書留で郵送します。小学校が作成する調査書の依頼も忘れずに。
午前に適性検査Ⅰ・Ⅱ、午後に集団面接があります。
⚠️ 「出願1校のみ」の落とし穴
操山と大安寺で迷うご家庭は多いと思いますが、両方を受けて結果を見てから選ぶことはできません。倍率だけで決めず、通学時間、6年一貫の中等教育学校か併設型の中学校か、学校説明会での印象などを家族で話し合っておくことをおすすめします。
大安寺中学の適性検査・面接・調査書の中身
📌 検査の全体像
大安寺中学の選抜は、私立中学のような「国語・算数・理科・社会」の教科別の学力試験ではありません。調査書・適性検査・面接の3つを総合して判定されます。それぞれで何が問われるのかを見ていきます。
適性検査Ⅰ・Ⅱで問われる力
🧮 適性検査の構成
| 検査 | 題材 | 配点 | 時間の目安 |
|---|---|---|---|
| 適性検査Ⅰ | 身のまわりの事象や自然現象など | 70点 | 45分(9:30〜) |
| 適性検査Ⅱ | 日常生活や社会的事象など | 70点 | 45分(10:45〜) |
適性検査Ⅰは算数・理科的な考え方や、計算の過程を説明する力が、適性検査Ⅱは文章や資料を読み取って自分の考えを記述する力が問われる傾向があると、民間の受検対策サイトでは分析されています。
出典:岡山県教育委員会「令和9年度入学者選抜実施大要」(題材・配点・開始時刻)、iBASE「岡山大安寺中等教育学校」(検査時間・出題傾向、2026年10月16日参照)
💬 私立型の勉強と何が違うのか
私が指導してきた私立中学の算数は、「速く正確に答えを出す」ことに重心があります。一方、適性検査は答えに至るまでの考え方を、相手に伝わる日本語で書けるかが採点の土台です。
首都圏の私立型の指導では、特殊算の解法パターンを覚えて答えだけ出せる子が少なくありません。そうした子に「なぜその式になるのか、小学4年生にわかるように説明して」と求めると、急に手が止まることがよくありました。適性検査で失点しやすいのは、まさにこの「わかっているつもり」の部分だと考えます。日頃の算数でも、答えだけでなく式の意味を一言書き添える習慣が、そのまま適性検査の練習になります。
💡 「45分・70点」から逆算する時間感覚
公表されている数字を割り算すると、適性検査は1点あたり約39秒(45分÷70点)しかありません。記述問題では、下書きを書いてから清書する余裕はほぼないと見てよいでしょう。
私が記述の指導でまず教えるのは、書き始める前に「結論→理由→条件の確認」を問題用紙の余白に単語だけでメモすることです。これなら30秒ほどで済み、書き直しによる時間のロスを防げます。大問ごとの配点は公表されていないため、練習の段階で「1問に何分まで使うか」を決めておき、時間が来たら次へ進む判断も身につけておきたいところです。
集団面接で見られること
🗣️ 面接の形式
面接は午後(13:00〜)に集団面接の形式で行われます。志望理由や入学後の意欲などが確認されると紹介されていますが、評価の観点や配点の詳細は公表されていません。
- なぜ大安寺で学びたいのか(説明会や学校の取り組みと結びつけて話せるか)
- 小学校で力を入れたこと、そこから学んだこと
- 他の受検生の発言を聞き、話がかみ合っているか
💡 集団面接で差がつくのは「聞く姿勢」
個人面接と違い、集団面接では他の子の答えを聞いている時間の方が長くなります。学校が「協調性」や「思いやり」を求める児童像に掲げていることを考えると、自分の番以外の時間の態度も見られていると考えて準備するのが自然です。家庭で練習するなら、親子で同じ質問に答え合い、「お母さんの答えのどこがよかった?」と相手の話を受けて返す練習が効果的だと私は考えます。
調査書(通知表)はどれくらい重要?
📋 調査書の扱い
合否判定には小学校から提出される調査書が使われますが、配点や比重は公表されていません。民間の受検対策サイトでは小学5・6年の記録が中心と紹介されていますが、公式には確認できませんでした。
確実に言えるのは、適性検査の当日の出来だけでなく、小学校での日々の学習や活動も判定材料に含まれるということです。宿題の提出や授業への参加など、学校生活を大切にすることが、そのまま受検対策の一部になります。
大安寺中学に合格するための対策と学年別スケジュール
📌 いつから何をするか
「何年生から準備すればいいの?」という質問は、中学受験で最も多い相談の一つです。ここでは適性検査型の選抜に合わせた、学年ごとの進め方の目安を示します。
小4〜小6の学年別の勉強の進め方
🧭 学年別ロードマップの目安
学校の学習内容を確実にし、新聞の子ども向け記事や図鑑を読んで「なぜ?」を言葉にする習慣をつけます。日記や短い作文で書くことに慣れる時期です。
グラフ・表を読み取って特徴を説明する問題、算数の考え方を文章で書く問題に取り組み始めます。調査書の対象になりうる学年なので、学校生活も大切に。
公立中高一貫校向けの問題集で、時間を計って記述を書き切る練習をします。例年7月下旬ごろのオープンスクールや秋の入学者選抜説明会(民間サイトでは学校公式サイトでの事前登録制と紹介されています)に参加し、志望理由を固めます。
過去の適性検査を45分で解き、第三者に添削してもらって書き直すサイクルを回します。集団面接の練習もこの時期に。
中学受験全体の時期別の流れは学年別の全手順をまとめたロードマップで詳しく解説しています。

