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高校受験の推薦入試の作文例文と書き方|元塾講師が徹底解説

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kou/教育系Webライター・プロ家庭教師(指導歴10年超)

中学生時代に早稲田アカデミーへ通い慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部に在学中、早稲田アカデミーで多数の受験生を指導しました。現在は中学受験・高校受験・大学受験に加え、中高一貫校生・浪人生・不登校・発達障害のお子さんの指導も行っています。作文や志望理由書の添削は、受験学年の秋以降に毎年必ず担当してきた領域です。

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🎯 結論

結論:高校受験の推薦入試の作文は、うまい文章を書く試験ではなく「この子を入学させたいと思えるか」を答案から判断される試験です。だからこそ例文は丸写しするものではなく、構成の型だけを借りて、中身は自分の体験に総取っ替えするのが正しい使い方になります。

この記事では、私が実際に添削の現場で使ってきた4段構成の型と、テーマ別の例文5本、そして例文を自分用に作り替える手順までを一本にまとめました。

📌 この記事で解決できる疑問

  • 推薦入試の作文は何を評価されているのか
  • 作文と小論文はどう違い、どちらの書き方をすべきか
  • 合格答案に共通する構成の型はあるのか
  • テーマ別の例文は具体的にどう書けばよいのか
  • 例文を自分の答案に落とし込む手順はどうすればよいか
  • 減点されやすいポイントはどこか
  • 本番まで残り時間が少ないとき、何から着手すべきか

読み終える頃には、今日この場でペンを持って書き始められる状態になっているはずです。

📝 情報の扱いについて

本記事のうち入試制度に関する記述は、東京都教育委員会が公表している資料を出典として示しています。全国の入試制度は都道府県・学校ごとに異なるため、一般的な傾向として読んだうえで、必ず志望校の募集要項をご確認ください。記事内の例文はすべて、私が本記事のために書き下ろした指導用のサンプルであり、実在の受験生の答案ではありません。特定の塾・教材から金銭の提供を受けて執筆したものではありません。

  1. 高校受験の推薦入試で課される作文とは?まず押さえる基本
    1. 推薦入試の作文とは?合否のなかでの位置づけ
    2. 作文と小論文の違いをひと言で言うと
    3. 実際に出題されたテーマは公式資料で確認できる
  2. 推薦作文で評価される4つの観点と減点の実像
    1. 採点者が見ている4つの観点
    2. 減点されやすいポイントを一覧で確認する
  3. 合格に近づく推薦作文の構成|4段構成の型
    1. 結論→体験→学び→高校生活の4段で組む
    2. 字数別の配分と、書き出し・締めの型
  4. 高校受験の推薦作文の例文|テーマ別5パターン
    1. 例文1:中学校生活で最も力を入れたこと(約600字)
    2. 例文2:高校生活で挑戦したいこと(約400字)
    3. 例文3:抽象テーマ「協力するとは何か」(約600字)
    4. 例文4:志望理由と入学後の抱負(約500字)
    5. 例文5:失敗から学んだこと(約600字)
  5. 例文をそのまま使ってはいけない理由と自分用への直し方
    1. 丸写しが見抜かれるのは「文章力」ではなく「整合性」
    2. 例文を自分の答案に変える3ステップ
    3. 書くネタが見つからないときの棚卸し
  6. 推薦作文の注意点と、推薦一本に絞るリスク
    1. 原稿用紙と表記の基本ルール
    2. 内容面でありがちな失敗
    3. 推薦だけに賭けるのが向いていない人
  7. 今日から始める推薦作文の練習手順
    1. 3週間の練習スケジュール
    2. 添削してもらう相手をどう選ぶか?
    3. 学力検査の勉強と両立させる配分
  8. よくある質問
  9. まとめ:高校受験の推薦作文は例文をなぞらず自分の経験で書く

高校受験の推薦入試で課される作文とは?まず押さえる基本

🔰 この章で分かること

「作文の例文が知りたい」と検索した方に、いきなり例文を見せるのは実はおすすめできません。何を評価されている試験なのかを知らないまま例文を読むと、文章の見た目だけを真似してしまうからです。まずは推薦選抜のなかで作文がどんな位置づけにあるのかを、公式情報をもとに5分で押さえておきましょう。

推薦入試の作文とは?合否のなかでの位置づけ

📋 作文は「単独で合否を決める試験」ではない

推薦入試の作文とは、出願書類とは別に、試験当日に会場で書く記述式の検査を指します。ここで見落とされがちなのが、作文だけで合否が決まるわけではないという点です。

東京都の例で言えば、推薦に基づく選抜の選考は東京都教育委員会の実施要綱で定められており、調査書・個人面接(集団討論を実施する学校は集団討論を含む)・小論文又は作文等の検査を総合した成績で選考することとされています(令和7年度実施要綱)。つまり作文は複数ある評価材料のひとつです。

そもそも推薦入試という枠組み自体を整理しておきたい方は、推薦入試の仕組みと内申点の関わり方を解説した記事を先に読むと、この後の話が立体的に理解できます。

💬 講師として現場で感じてきたこと

私が推薦対策の相談を受けるとき、最初に確認するのは文章力ではなく「調査書と面接で、この子はもう何を伝えてしまっているか」です。作文・面接・調査書がバラバラの人物像を語っている答案は、一つひとつの完成度が高くても評価が伸びにくいと感じてきました。

逆に言えば、作文の内容は面接で話す内容と意図的に重ねてよいのです。同じ体験を、面接では話し言葉で、作文では書き言葉で語る。この一貫性が、短い時間で人物を判断しなければならない側にとっては最も伝わりやすい、というのが私の見解です。

私が添削で最初にやらせるのも、原稿を書くことではなく「調査書に載る活動」「面接で話す予定の話」「作文に書きたい体験」を三列に並べて書き出す作業です。三列がまったく別の話になっている生徒は、たいてい作文だけが浮いた答案になります。逆に三列に同じ体験が並んだ生徒は、面接で深掘りされても答えが揺れません。文章の練習より先にこの一枚を作るほうが効く、というのが私のやり方です。

作文と小論文の違いをひと言で言うと

🆚 体験で語るか、根拠で論証するか

作文は自分の体験と考えを軸に書く形式、小論文は課題に対して根拠を挙げて意見を論証する形式——これが最もシンプルな線引きです。

比較軸作文小論文
中心にあるもの自分の経験・実感課題に対する主張と根拠
典型的な問い中学校生活で力を入れたこと資料を読み、考えを述べよ
説得の材料具体的なエピソードデータ・事実・論理
一人称の扱い「私は」を前面に出す私情より論の筋を優先
評価の重心人物像が伝わるか考えが筋道立っているか

ただし注意が必要です。東京都の資料では「小論文又は作文等の検査」と一括りに表現されており、実際の出題には両者の中間に位置するもの(体験も論証も求めるタイプ)が少なくありません。「うちは作文だから体験だけ書けばいい」と決め打ちするのは危険だと考えます。

志望校が小論文型に近い出題をしている場合は、高校受験の小論文の書き方をまとめた記事のほうが実戦的です。

実際に出題されたテーマは公式資料で確認できる

⭕ 過去テーマの一次情報は無料で公開されている

ここが対策の分かれ目です。推薦入試の作文には「過去問集」が市販されていないと思い込み、傾向を調べないまま本番を迎える受験生が非常に多いのですが、少なくとも東京都では一次情報が公開されています。

東京都教育委員会は、推薦に基づく選抜で実施した小論文・作文、実技検査等のテーマ等一覧を年度ごとに公表しています(平成25年度以降の複数年度分が掲載)。志望校がどんな問い方をする学校なのかは、ここを開けば数分で分かります。

他の道府県でも、教育委員会サイトに実施要項や過去の検査内容が掲載されている場合があります。まずは「都道府県名+高等学校入学者選抜+推薦」で公式サイトを確認してください。

💡 過去テーマは「求める生徒像」の逆算に使える

公表資料は、テーマを知るためだけのものではないと私は考えています。読むべきは問い方の癖です。中学校生活の体験を書かせる学校は、入学後に行事や委員会で動ける生徒を想定していることが多く、資料や社会的な話題を読ませて考えを述べさせる学校は、授業で議論に参加できる生徒を想定していると読めます。

私が生徒に指示するのは、志望校の過去テーマを3年分並べ、「体験を聞くタイプ」か「考えを聞くタイプ」かで分類させることです。ここが決まれば、準備すべき素材が体験のストックなのか、意見の材料なのかがはっきりします。テーマそのものを予想しにいくより、はるかに再現性のある準備になります。

📝 進路選択に関する注記

本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。制度は年度ごとに変更されるため、出願前には必ず最新の募集要項をご確認ください。

推薦作文で評価される4つの観点と減点の実像

🔍 「うまい文章」を書こうとすると外れる

作文が苦手な人ほど、比喩を凝ったり難しい語を使ったりして「文章のうまさ」で勝負しようとします。しかし採点する側が短時間で確認しているのは、もっと素朴なことです。ここでは私が添削の現場で使ってきた評価の4観点と、実際に減点されやすい箇所を整理します。

採点者が見ている4つの観点

📊 4観点と、答案のどこに表れるか

観点問われていること答案での表れ方
設問対応問われたことに答えているか第1段落で問いに直答している
具体性体験が本人のものか固有の場面・数・会話がある
論理体験と結論がつながるか「だから何を学んだか」が明記
表記基本ルールを守れるか誤字・原稿用紙の使い方

この4つのうち、受験生が最も落としやすいのは「設問対応」です。用意してきた自己PRを書きたい気持ちが先行し、問いから微妙にずれた答案になる。次に落としやすいのが「具体性」で、誰にでも当てはまる一般論に終始してしまうパターンです。

なお、この4観点は各校が公表している採点基準ではなく、私が添削で用いている整理です。実際の配点や評価項目は公表されていないため、確定的な基準としてではなく、答案を見直す視点としてお使いください。

減点されやすいポイントを一覧で確認する

推薦作文 減点チェックリスト12 添削時に指摘頻度が高い項目を筆者が分類 形式・表記(最も直しやすい) □ 指定字数の8割に届いていない □ 段落の頭を1マス下げていない □ 話し言葉(すごい・~かな)が混じる □ 「です・ます」と「だ・である」の混在 □ 誤字・脱字、送り仮名の誤り □ 消し跡が残り読みにくい 内容(合否に直結しやすい) □ 設問に直接答えていない □ 体験が一般論に置き換わっている □ 学んだことが書かれていない □ 高校生活とつながっていない □ 他人・学校への批判で終わっている 表現(伸びしろが大きい) □ 一文が長く、主語と述語がねじれる □ 抽象語(努力・大切)の多用 □ 結論が最後の1行にしか無い 優先順位 形式は前日でも直せる/内容は3週間かかる。 残り時間が短いときは内容から着手する。
出典:筆者が指導で用いる添削観点を分類したもの(2026年8月時点)

⚠️ 「形式から直す」の罠

受験生に自己添削をさせると、ほぼ全員が誤字と原稿用紙の使い方から直し始めます。気持ちは分かるのですが、形式の減点は前日でも取り戻せる一方、内容の作り直しには数週間かかります。残り時間が少ないほど、着手順は内容が先です。

合格に近づく推薦作文の構成|4段構成の型

🧭 型があれば、書き出しで固まらない

本番で最も時間を溶かすのは「何から書こう」と迷う数分間です。あらかじめ段落の役割を決めておけば、考えるべきは中身だけになります。ここで紹介するのは、私が作文でも志望理由書でも共通して使ってきた4段構成です。

結論→体験→学び→高校生活の4段で組む

推薦作文 4段構成と字数配分 600字指定の場合の目安 1 結論を先に置く 約90字 問いに直接答える1文+その要約。 例「私が最も力を入れたのは合唱祭の伴奏です。」 2 体験を1つに絞る 約240字 場面・数字・会話のどれかを必ず入れる。 うまくいかなかった局面を書くと具体性が出る。 複数の体験を並べない(1つを深く)。 3 学びを言語化する 約150字 「だから何を得たのか」を自分の言葉で。 ここが一般論だと答案全体が薄くなる。 4 高校生活へつなぐ 約120字 学びを入学後どう使うかを1つだけ宣言する。 志望校の特色に触れられると説得力が増す。 出典:筆者の指導上の配分目安(2026年8月時点)。字数指定に応じて比率を維持して調整

✏️ なぜ「体験は1つに絞る」のか

受験生の下書きを読むと、部活・委員会・行事の3つを並べた答案が本当に多いのです。書いた本人は「頑張ってきた量」を示しているつもりなのですが、1つあたり100字程度になり、どれも要約の羅列になってしまいます

私は必ず「一番説明に時間がかかる出来事はどれ?」と聞き、そこ一本に絞らせます。説明に時間がかかる=細部を覚えている=本人にしか書けない、という関係があるからです。文章力ではなく、素材選びの段階で答案の質はほぼ決まるというのが、10年以上添削してきた実感です。

字数別の配分と、書き出し・締めの型

🔢 字数が変わっても比率は変えない

指定字数結論体験学び高校生活
400字60字160字100字80字
600字90字240字150字120字
800字110字330字200字160字

指定字数がある場合、8割を下回ると内容以前に評価されにくくなります。9割以上を目標にしてください。逆に、行数指定を超えて欄外に書くのは避けます。

✅ 書き出しと締めの安全な型

  • 書き出し:「私が◯◯において最も力を入れたのは、△△です。」——問いの言葉をそのまま使って直答する
  • 書き出しの別型:「◯◯という言葉を、私は△△の経験を通して考え直しました。」——抽象テーマのとき有効
  • 締め:「この経験で得た△△を、貴校の◯◯で活かしたいと考えています。」——学びと高校生活を1文で結ぶ

凝った書き出し(会話文・情景描写)は、字数を消費するわりに設問対応が弱く見えるため、私は推薦作文では勧めていません。

🔗 文章そのものの書き方を鍛えたい方へ

構成以前に「文が書けない」と感じる場合は、高校受験の作文で差がつく書き方をまとめた記事で基礎の型から確認すると回り道になりません。

高校受験の推薦作文の例文|テーマ別5パターン

📖 例文の読み方

ここからが本題です。以下の5本はすべて、私が本記事のために書き下ろした指導用サンプルであり、実在の受験生の答案ではありません。読むときは内容を覚えるのではなく、各段落が4段構成のどこに当たるかを目で追ってください。真似すべきはそこだけです。

例文1:中学校生活で最も力を入れたこと(約600字)

📖 例文(体験重視・最頻出タイプ)

私が中学校生活で最も力を入れたのは、吹奏楽部でパートリーダーとして初心者の後輩を育てたことです。

二年生の秋、私のクラリネットパートには経験者が私だけという状況で三人の一年生が入りました。合奏に間に合わせようと、私は最初、正しい指使いと息の使い方を一方的に説明し続けました。しかし十一月の練習で、後輩の一人から「教わった通りにやっているのに音が出ない」と言われ、私は自分が「できない理由」を一度も聞いていなかったことに気づきました。そこから練習の最初の五分を、その日うまくいかなかった箇所を本人に説明してもらう時間に変えました。原因は指ではなく楽器の構え方にあることが多く、三か月後には三人とも合奏に参加できるようになりました。

この経験から私が学んだのは、教えるとは正解を渡すことではなく、相手がどこでつまずいているかを一緒に探すことだということです。自分が分かっていることを話すより、相手の言葉を聞くほうが時間はかかりますが、結果的に近道でした。

貴校では合唱祭や部活動で学年を越えて活動する機会が多いと伺っています。私はそこで、まず相手の話を聞くという姿勢を持ち続け、周囲が力を出しやすい環境を作る役割を担いたいと考えています。

ポイント:第2段落に「十一月」「三人」「五分」という具体が入っていること、失敗した局面から書き起こしていることが、他人には書けない答案にしています。

例文2:高校生活で挑戦したいこと(約400字)

📖 例文(未来志向・短字数タイプ)

私が高校で挑戦したいのは、英語で自分の考えを伝える力を身につけることです。

中学二年の校内スピーチコンテストで、私は原稿を暗記して臨みました。しかし発表後に留学生の生徒から質問を受けたとき、一言も返せませんでした。用意した英語は話せても、その場で考えて話す英語をまったく練習していなかったのです。それ以来、週に一度、その日の出来事を三文だけ英語で書き留める習慣を続けています。

この経験で私が学んだのは、伝える力は準備の量ではなく、その場で考える回数で決まるということです。

貴校には海外の学校との交流行事があると学校説明会で伺いました。私はその機会に参加し、準備した言葉ではなく自分の頭で組み立てた言葉で話すことに挑戦したいと考えています。

ポイント:400字でも4段構成は崩しません。字数が短いときは体験を1場面だけに絞り、学びを1文で言い切るのがコツです。

例文3:抽象テーマ「協力するとは何か」(約600字)

📖 例文(定義から入る抽象テーマ型)

協力するとは、全員が同じ作業をすることではなく、それぞれが違う役割を引き受けたうえで同じ目的を共有することだと私は考えます。

三年生の体育祭で、私は学級旗の制作班に入りました。当初は八人全員で下絵から色塗りまで行おうとしましたが、作業が重なって進まず、期限の一週間前になっても半分しか塗れていませんでした。そこで私は、絵が得意な二人に構図を任せ、他の六人は色ごとに担当を分ける形に変えることを提案しました。全員が同じ作業をやめた結果、三日で塗り終えることができました。作業量は同じでも、誰が何に責任を持つかが決まっているかどうかで、これほど進み方が変わるのだと実感しました。

この経験から私が学んだのは、協力の本質は仲の良さではなく、役割の設計にあるということです。全員で仲良く同じことをするのは一見協力的に見えますが、実際には誰も判断せずに済む状態を作ってしまうこともあると気づきました。

貴校の探究活動では、グループで長期間ひとつの課題に取り組むと伺っています。私はそこで、まず役割を明確にすることを提案できる生徒でありたいと考えています。

ポイント:抽象テーマでは冒頭で自分なりの定義を示し、その定義を裏づける体験を1つ出すという順番が有効です。定義だけで終わる答案が最も評価されにくくなります。

例文4:志望理由と入学後の抱負(約500字)

📖 例文(志望理由と重なるタイプ)

私が貴校を志望するのは、理科の探究活動を三年間続けて取り組める環境で、自分の問いを最後まで追いたいと考えたからです。

中学二年の自由研究で、私は家の近くの用水路の水質を月に一度調べました。四か月目に数値が大きく変わり、原因を調べると上流で工事が行われていたことが分かりました。予想と違う結果が出たときにこそ調べる価値があると感じましたが、研究は夏休みで終わりになり、その後の変化を追えないまま終わったことが心残りでした。

この経験から私が学んだのは、観察は続けて初めて意味を持つということです。一度きりの測定では、それが異常なのか通常なのかさえ判断できません。

貴校では学校説明会で、二年次に個人研究に取り組めると伺いました。私は入学後、中学で途中になった水質の調査を長期の記録として作り直し、季節による変化まで含めて考察したいと考えています。

ポイント:志望理由型では、「学校のどこに惹かれたか」より「自分の何を続けたいか」を主語にすると、パンフレットの引き写しになりません。面接の受け答えとも自然につながります。面接での志望理由の作り方は志望理由の例文と組み立て方の記事で詳しく扱っています。

例文5:失敗から学んだこと(約600字)

📖 例文(挫折・改善タイプ)

私が中学校生活で最も学んだのは、成果が出ない原因を人ではなく方法に求めることの大切さです。

二年生の秋、私は生徒会の書記として朝の挨拶運動を担当しました。参加者を増やそうと呼びかけを続けましたが、二週間経っても集まるのは同じ五人ほどで、私は「協力してくれない」と周囲に不満を持つようになりました。三年生の先輩に相談したところ、「集合が七時四十分なのは、部活の朝練と重なっていないか」と指摘されました。実際に確認すると、朝練のある生徒は物理的に参加できない時間設定でした。開始時刻を十分遅らせただけで、翌週の参加者は十五人を超えました。

この経験から私が学んだのは、うまくいかないときに相手の意欲を疑うのは、最も簡単で最も的外れな判断だということです。仕組みの側に原因がないかを先に確かめる習慣は、その後の学習計画の立て方にも生きています。

貴校では生徒が主体となって行事を運営すると伺っています。私はそこで、参加しない人を責めるのではなく、参加しやすい条件を整えることから始められる生徒でありたいと考えています。

ポイント:失敗談は「反省しました」で終わると印象が弱くなります。何をどう変え、その結果どうなったかまで書くことで、改善できる人物だと伝わります。

例文をそのまま使ってはいけない理由と自分用への直し方

❗ ここを飛ばすと、例文は逆効果になる

例文を探している人の多くは、心のどこかで「使えるものがあればそのまま書きたい」と思っています。正直な気持ちだと思いますし、否定するつもりはありません。ただ、丸写しが評価されにくい理由には構造的な必然があります。ここではその仕組みと、例文を安全に活用する手順を示します。

丸写しが見抜かれるのは「文章力」ではなく「整合性」

❌ 借りた答案が崩れる3つの場面

  • 設問とずれる:用意した文章を書こうとするため、問いに直答しない答案になる
  • 調査書と食い違う:作文で語った活動が調査書に記載がない、あるいは逆になる
  • 面接で説明できない:作文の内容を掘り下げられたとき、細部を答えられない

とくに3つ目は決定的です。東京都のように、推薦に基づく選抜で個人面接と小論文又は作文等の検査を同じ選考のなかで課す例があり、その場合は作文に書いた体験について面接で質問される可能性があります。自分の体験でなければ、深掘りに耐えられません。面接で何を聞かれるかは面接で聞かれること一覧の記事で確認しておくと、作文の内容選びの精度も上がります。

例文を自分の答案に変える3ステップ

🧮 手順どおりに進めれば1時間で下書きができる

① 例文から中身を全部消し、骨だけ残す
「結論/体験/学び/高校生活」の4行だけを紙に書き出します。例文の言い回しは一切写しません。

② 体験の欄を、自分の記憶で埋める
ここで必要なのは、時期・人数・数値・誰かの言葉のうち最低2つです。思い出せないなら、その体験は素材として弱いので別の出来事に替えます。

③ 学びの欄を、体験からしか出てこない言葉にする
「努力の大切さを学んだ」は誰でも書けるので不可。「原因を人ではなく仕組みに求める」のように、その体験を経ていなければ出てこない一文に書き換えます。

この3ステップを終えた時点で、例文とは似ても似つかない答案の骨組みができているはずです。あとは骨に肉をつけるだけなので、清書は30分ほどで終わります。

書くネタが見つからないときの棚卸し

💡 「何もしていない」は、ほぼ思い込み

「部活も委員会も特別なことはしていないので書けません」という相談を、私は毎年受けます。しかし話を聞いていくと、書けないのではなく「入賞」や「役職」といった目立つ実績しか素材だと思っていないことがほとんどです。

私が聞き取りで使う質問は次の4つです。①この3年で一番面倒だったことは何か。②誰かに「ありがとう」と言われた場面はいつか。③やめようと思ってやめなかったことはあるか。④自分のやり方を途中で変えた経験はあるか。

とくに③と④は、肩書きのない生徒からこそ良い素材が出てくる質問です。実績ではなく変化を書けばよいのだと分かると、多くの受験生がその場で書き始められるようになります。

推薦作文の注意点と、推薦一本に絞るリスク

🔺 都合の良い話だけを書かないために

ここまで書き方を中心に述べてきましたが、推薦入試には受験生と保護者が知っておくべき前提もあります。おすすめだけを並べる記事にはしたくないので、私が実際に注意を促してきた点を正直に書きます。

原稿用紙と表記の基本ルール

📋 当日に確認したい表記チェック

項目守るべきこと
段落書き出しと段落の頭は1マス下げる
文体「です・ます」か「だ・である」に統一
話し言葉「すごい」「〜みたいな」「でも」は避ける
数字縦書きは漢数字、横書きは算用数字が一般的
字数指定の9割以上を目標にする
訂正二重線で消し、詰めずに書き直す

なお、原稿用紙の書き方や記述の型は入試国語全体に効いてきます。国語そのものの底上げを図りたい方は、国語の勉強法をまとめた記事も参考にしてください。

内容面でありがちな失敗

📉 評価が伸びにくい書き方

  • 学校や先生への批判で終わる:問題提起は構いませんが、自分がどう動いたかがなければ不満の表明になります
  • 成果の自慢に終始する:結果ではなく過程と変化が読みたい答案です
  • 盛った話を書く:面接で細部を聞かれると必ず苦しくなります
  • 志望校名を書き間違える:毎年一定数あります。清書後に必ず確認してください

作文で語る自分像は、出願書類とも整合している必要があります。調査書に何が書かれ、どう扱われるのかは調査書の中身と内申点への影響を解説した記事で確認しておくと安心です。

推薦だけに賭けるのが向いていない人

⚠️ 作文対策より優先すべき場合がある

次のいずれかに当てはまる場合、私は作文対策の比重を下げるよう助言してきました。

  • 一般入試の学力が志望校の水準に届いていない:推薦は募集人数が限られ、不合格の場合はそのまま一般入試に進みます。学力対策の時間を削るのは合理的ではありません
  • 出願要件を満たしているか未確認:要件は学校ごとに異なります。作文を書き始める前に募集要項の確認が先です
  • 併願の設計ができていない:推薦の結果が出てから慌てると選択肢が狭まります

専願・併願の考え方を整理していない方は、専願と併願の違いと判断軸の記事を先に読むことをおすすめします。

📝 制度に関する注記

推薦選抜の実施の有無・出願要件・検査内容は、都道府県および学校によって大きく異なり、年度ごとに変更されます。本記事の記述は2026年8月時点で確認できた公開情報に基づくものです。最終的な判断は、必ず志望校の募集要項および中学校の進路指導の先生にご確認ください。

今日から始める推薦作文の練習手順

🧭 3週間あれば形になる

作文対策は無限に時間をかけるものではありません。学力検査の勉強を圧迫しない範囲で、期限を区切って終わらせるのが正解です。ここでは私が実際に組んできた3週間の進め方を示します。

3週間の練習スケジュール

📊 週ごとの到達目標

時期やること到達点
1週目志望校の過去テーマ確認・素材の棚卸し書ける体験を3つ確保
2週目4段構成で2本書く・添削を受ける設問対応と具体性を修正
3週目時間を計って清書練習を3本制限時間内に9割の字数

3週目の時間計測は必ず行ってください。書ける内容を持っていても、時間内に書き切れなければ評価されません。本番と同じ字数・同じ時間で、最低3回は通し練習をしておきたいところです。同じ時期に推薦入試の面接で何を見られているのかも確認しておくと、作文で選んだ体験をそのまま面接の材料に転用でき、対策の総量を減らせます。

添削してもらう相手をどう選ぶか?

✅ 優先順位は「学校の先生」から

  • 第一候補:中学校の国語・進路指導の先生——志望校の傾向と本人の普段の様子を両方知っており、費用もかかりません
  • 第二候補:塾・家庭教師——推薦対策の添削に対応しているか、申し込み前の確認が必要です
  • 保護者の役割——直そうとせず、「ここが分かりにくい」と読者として伝える役に徹すると効果的です

塾や家庭教師を新たに検討する場合は、料金体系と対応範囲が事業者ごとにかなり異なります。選び方の基準を先に持っておきたい方は、学習塾・家庭教師の比較と選び方をまとめたランキング記事が判断の土台になります。

学力検査の勉強と両立させる配分

💬 作文に時間を使いすぎる受験生へ

推薦対策を始めると、多くの受験生が一時的に学力の勉強から離れます。しかし推薦選抜は募集人数が限られ、不合格だった場合はそのまま一般入試に向かうことになります。私は「作文は週2回・1回50分まで」と上限を決めさせることが多く、それ以上は学力対策に回してもらいます。

限られた時間で国語の記述力ごと底上げしたい場合、映像授業を隙間時間に使う方法もあります。中学生向けの内容と限界についてはスタディサプリ中学講座を実際の評判から検証した記事にまとめました。

よくある質問

❓ 相談で実際に多い質問に答えます

ここでは、推薦入試の作文について保護者・受験生から繰り返し受けてきた質問をまとめました。制度に関わる部分は公開情報の範囲でお答えし、確認できないことは確認できないとお伝えします。

❓ Q1. 推薦入試の作文は何字くらい書くのですか?

A. 字数と試験時間は学校ごとに定められており、全国共通の基準はありません。東京都の場合は、各校が実施した小論文・作文のテーマ等一覧を東京都教育委員会が年度別に公表しているため、志望校の実際の出題形式はそこで確認できます。一般には400字から800字程度の範囲で設定される例が多いものの、必ず志望校の募集要項と公表資料で確認してください

❓ Q2. 作文と小論文は何が違うのですか?

A. 大まかには、作文は自分の体験や考えを軸に書く形式、小論文は与えられた課題に対して根拠を示しながら意見を論証する形式です。ただし東京都の実施要綱では「小論文又は作文等の検査」とまとめて扱われており、実際の出題には両者の中間型も少なくありません。志望校が過去に出したテーマを見て、体験重視か論証重視かを見極めるのが確実です。

❓ Q3. 例文を暗記して本番でそのまま書いてもよいですか?

A. おすすめしません。作文は課題文の指示に沿って書けているかが評価の土台になるため、用意した文章を当てはめると設問とずれた答案になりやすいからです。また同日に面接がある場合、書いた体験を掘り下げられると答えられなくなります。例文は型と話の運び方を学ぶために使い、中身は自分の体験に置き換えてください

❓ Q4. 作文が苦手でも推薦入試を受けるべきですか?

A. 受けること自体に大きな不利益はありませんが、推薦だけに賭けるのは避けるべきだと私は考えます。推薦選抜は調査書や面接なども含めた総合評価であり、募集人数も限られます。一般入試の学力対策を継続したうえで、その時間を削らない範囲で作文対策を進めるのが現実的です。

❓ Q5. 作文の添削は誰にお願いすればよいですか?

A. 第一候補は中学校の国語の先生や進路指導の先生です。志望校の傾向と本人の普段の様子を両方知っているためです。塾や家庭教師を使う場合は、推薦対策の添削に対応しているかを申し込み前に確認してください。保護者が読む場合は、直すのではなく「ここが分かりにくい」と読者として伝える役に徹すると効果的です。

❓ Q6. 対策はいつから始めればよいですか?

A. 出願書類の準備と並行して、本番の3週間から1か月前に始められれば間に合うことが多いです。ただし書くネタになる中学校生活の出来事は、3年生の秋までにメモとして残しておくと大きく差がつきます。学力検査の勉強時間を削らないよう、1回50分程度を週2回といった形で組み込んでください。

まとめ:高校受験の推薦作文は例文をなぞらず自分の経験で書く

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🎯 この記事の結論

推薦入試の作文で問われているのは文章の巧拙ではなく、「この子と3年間を過ごしたいと思えるか」が答案から伝わるかどうかです。だからこそ例文は構成を借りるためのものであり、中身は自分の体験に総取っ替えする必要があります。

  • 作文は単独ではなく、調査書・面接と合わせた総合評価の一部である
  • 構成は「結論→体験→学び→高校生活」の4段で固定し、迷う時間をなくす
  • 体験は1つに絞り、時期・人数・数値・会話のうち最低2つを入れる
  • 学びは「その体験を経ていなければ出てこない一文」に書き換える
  • 志望校の過去テーマは教育委員会の公表資料で確認できる
  • 作文は週2回・1回50分を上限とし、学力対策の時間を削らない

✅ この対策法が向いている人

  • 学力検査の勉強と並行して、短期間で作文を仕上げたい
  • 書くことが思いつかず、素材選びから助けがほしい
  • 例文を読んでも自分の答案に落とし込めずに困っている
  • 志望校の出題傾向を一次情報から確認したい

❌ 別の対策を優先すべき人

  • 一般入試の学力が志望校の水準に届いていない(学力対策が先)
  • 出願要件を満たしているか未確認(募集要項の確認が先)
  • 資料やデータを読ませる論証型の出題が中心の学校を志望している(小論文対策が先)

🧭 今日やる最初の一歩

今日中に、志望校の教育委員会サイトで過去の作文・小論文テーマを1つ確認し、紙に4段構成の見出しだけ書き出してください。所要時間は20分ほどです。素材が1つ決まれば、あとは書くだけの状態になります。

添削してくれる相手が身近にいない場合は、対応範囲と料金を比較したうえで検討してください。判断材料としては、個別指導キャンパスの口コミを1000件超から分析した記事のように、実際の利用者の声を集めた記事が役に立ちます。

🎓 執筆者プロフィール

元塾講師のひとりごと運営者・kouのプロフィール画像

kou/教育系Webライター・プロ家庭教師

専門領域:中学受験・高校受験・大学受験/中高一貫校生・浪人生・不登校・発達障害のお子さんの指導

中学生時代に早稲田アカデミーへ通い、慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部に在学中は早稲田アカデミーで多数の受験生を指導し、現在はフリーランスのプロ家庭教師・教育系ライターとして活動しています。指導歴は10年を超えます。

この記事を書く資格:受験学年の秋から冬にかけて、志望理由書・自己PRカード・推薦作文の添削を毎年担当してきました。本記事の構成の型・素材の引き出し方・添削観点は、いずれも実際の指導で使ってきたものです。一方で、私自身が推薦入試を受験した経験はないため、制度に関する記述は公表資料を出典として示し、私の見解と事実を明確に区別して執筆しています。

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📝 調査概要

  • 調査対象:高校受験の推薦入試における作文・小論文の位置づけ、出題傾向、答案の構成
  • 調査方法:東京都教育委員会の公表資料の調査/著者の指導経験に基づく添削観点の整理
  • 調査実施日:2026年8月23日
  • 情報の限界:制度の詳細を確認できたのは公表資料が整備されている東京都が中心であり、全都道府県・全学校の実施状況を網羅的に確認したものではありません。各校の実際の採点基準・配点は公表されておらず、本記事の「評価の4観点」は著者の添削経験に基づく整理であって公式の採点基準ではありません。また著者自身に高校受験の推薦入試を受験した経験はなく、記事内の例文は指導用に書き下ろしたサンプルで、実在の受験生の答案ではありません。
  • 利益相反の有無:本記事の作成にあたり、特定の学校・塾・教材事業者から金銭その他の提供は受けていません。

🏷️ 更新情報

公開日:2026年8月23日/最終更新日:2026年8月23日
※情報変更があった場合は随時更新します。