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高校受験の面接の志望理由|例文と作り方を元塾講師が徹底解説

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kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
指導歴10年超。中学生時代に早稲田アカデミーへ通い慶應義塾高等学校に合格、慶應義塾大学経済学部卒。在学中は早稲田アカデミーで高校受験生を中心に多数指導し、現在はフリーランスとして中学受験・高校受験・大学受験の指導と執筆を行っています。
高校受験生の面接練習に何度も立ち会い、志望理由を一緒に組み立ててきた経験をもとに、この記事を書いています。

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公開日:2026年8月16日/最終更新日:2026年8月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。

🎯 結論

結論:高校受験の面接の志望理由は、「その高校の事実」+「自分の経験」+「入学後にやりたいこと」の3つをつなげて30〜60秒で話すだけで、十分に伝わります。

面接で問われているのは、感動的なエピソードでも、うまい言い回しでもありません。「なぜ他の高校ではなく、この高校なのか」を、自分の言葉で説明できるかどうかです。ここさえ外さなければ、話し方が多少ぎこちなくても評価は大きく崩れません。

📋 この記事を読むと解決すること

  • 面接官が志望理由から何を確認しているのか
  • 公立一般・公立推薦・私立単願・私立併願・専門学科それぞれの例文
  • 例文を自分用に書き換える4つの手順
  • 「家から近いから」など、言い方に迷う理由の扱い方
  • 深掘り質問に崩されない準備の仕方と、本番での話し方

読み終えるころには、白紙の状態からでも自分の志望理由を組み立てられるようになっているはずです。

📝 この記事の立場と情報の範囲

私は特定の高校・塾から報酬を受け取っておらず、利益相反はありません。また、入試制度は都道府県や学校ごとに大きく異なるため、制度に関する記述は公的機関が公表している情報の範囲にとどめ、確認できない部分は「確認できない」と書いています。志望理由の作り方・例文は、私自身の指導経験に基づく見解です。

  1. 高校受験の面接で志望理由が重視される理由
    1. 志望理由とは「なぜこの高校なのか」を説明する質問
    2. 面接官が志望理由から確認している3つのこと
    3. 志望理由の答えは合否にどこまで影響するのか?
  2. 高校受験の面接で使える志望理由の例文5パターン
    1. 公立高校(一般入試)の志望理由 例文
    2. 公立高校(推薦・特色選抜)の志望理由 例文
    3. 私立高校(単願・専願)の志望理由 例文
    4. 私立高校(併願)の志望理由 例文
    5. 専門学科・特色あるコースの志望理由 例文
  3. 志望理由の作り方4ステップ
    1. ステップ1・2:事実と経験を「先に」集める
    2. ステップ3:入学後にやりたいことまで言い切る
    3. ステップ4:30〜60秒の型に収める
  4. 伝わる志望理由と埋もれる志望理由を分けているもの
    1. 学校案内の言葉をそのまま返す志望理由は記憶に残らない
    2. エピソードは「小さくて具体的」なほど強い
    3. 深掘り質問に耐えられるかで完成度がわかる
  5. 志望理由でやりがちな失敗と注意点
    1. 「家から近い」「制服が好き」は言い方次第
    2. 事実を盛る・つくり話をするのが最も危険
    3. 大人が書いた文章をそのまま覚えない
    4. 併願校で「第一志望ですか」と聞かれたとき
  6. 面接本番までの練習手順と当日の話し方
    1. 覚えるのは文章ではなく「3つの要素」
    2. 第三者に3回見てもらう
    3. 当日は結論から話し、間を怖がらない
  7. よくある質問
    1. 高校受験の面接で志望理由は何秒くらい話せばよいですか?
    2. 「家から近いから」という志望理由は面接で言ってはいけませんか?
    3. 志望理由書と面接で話す志望理由は同じ内容でよいですか?
    4. 併願校の面接で「本校が第一志望ですか」と聞かれたら何と答えますか?
    5. 志望理由は丸暗記して話しても大丈夫ですか?
    6. 志望理由がどうしても思いつかないときはどうすればよいですか?
    7. 集団面接や保護者同伴の面接では志望理由の話し方を変えるべきですか?
  8. まとめ:高校受験の面接の志望理由は「事実・経験・入学後」で組み立てる

高校受験の面接で志望理由が重視される理由

📌 まず押さえたいこと

面接には自己紹介・長所短所・中学校生活など多くの質問がありますが、ほぼすべての学校で聞かれ、かつ深掘りされるのが志望理由です。なぜこの質問だけが特別扱いされるのか。その理由を理解すると、何を話すべきかが自然に決まります。この章では、志望理由という質問の正体と、合否への影響の考え方を整理します。

志望理由とは「なぜこの高校なのか」を説明する質問

🔍 質問の定義

高校受験の面接における志望理由とは、「数ある高校の中から、なぜこの学校を選んだのか」を受験生自身の言葉で説明する質問です。「本校を志望した理由を教えてください」「なぜ本校を選びましたか」といった形で問われます。

ここで意外と見落とされているのが、聞かれているのは学校の良さではなく「学校と自分の接点」だという点です。校風がすばらしい、進学実績が高い、部活動が盛んである——これらはすべて学校側が自分で知っている事実です。面接官が知らないのは、その事実が目の前の受験生とどうつながっているのかという部分だけです。

💬 私が生徒に最初に伝えていること

面接練習で「志望理由を言ってみて」と頼むと、多くの生徒が学校紹介を始めます。私はそこで一度止めて、「今の話、他の受験生100人が言っても成立する?」と聞くようにしていました。成立してしまうなら、それは志望理由ではなく学校説明です。自分の名前を入れ替えたら成り立たなくなる話を1つ入れる——志望理由づくりは、結局この一点に集約されると考えています。

面接官が志望理由から確認している3つのこと

📊 志望理由から読み取られる3つの要素

確認される要素面接官の関心受験生がやるべきこと
入学意思本当に入学するつもりがあるか学校を実際に調べた形跡を示す
入学後の見通し入学後に学校生活を続けられそうかやりたいことを具体的に言う
表現力自分の考えを筋道立てて話せるか結論から短く話す

逆に言えば、この3つが伝わっていれば、志望理由の内容自体が特別である必要はありません。

✏️ 面接官の側に立ってみると見えること

私自身は高校の面接官を務めた経験がありませんので、ここから先は生徒の面接練習を何十本と聞いてきた立場からの推測です。面接官が1日に何十人もの受験生と向き合う状況を想像すると、パンフレットの引き写しのような話が続けば、内容はほとんど記憶に残らないはずです。ここで効いてくるのが、その生徒にしか話せない小さな事実です。面接で実際にどんな質問が飛んでくるかは面接で聞かれる質問の一覧にまとめていますので、志望理由以外の準備もあわせて確認しておくと安心です。

志望理由の答えは合否にどこまで影響するのか?

🏢 制度上わかっていること

面接の重みは、入試の種類によって大きく変わります。学力検査中心の一般入試では、面接は参考資料や小さな配点にとどまる学校が多い一方、学力検査を行わない推薦系の選抜では、面接が主要な検査そのものになります。

たとえば東京都の場合、推薦に基づく選抜では学力検査を実施せず、面接などの検査と調査書によって選抜が行われます(東京都教育委員会「東京都立高等学校入学者選抜実施要綱・同細目」関連ページ/2026年8月16日参照)。調査書と各検査の満点は各校が設定する仕組みで、総合成績に占める調査書点の比率にも上限が定められています。正確な数値は年度ごとの実施要綱と、各校の選抜方法を示す一覧で確認する必要がありますが、いずれにしても当日の検査が合否に及ぼす影響は小さくありません。推薦入試の全体像は推薦入試の仕組みと対策の記事で詳しく整理しています。

一方で、面接の配点や評価基準を公表していない学校も多く、「志望理由が何点になるか」を外から確定させることはできません。この点は、私が調べた範囲でも確認できませんでした。

⚠️ 制度は都道府県・学校ごとに違います

面接の有無、個人面接か集団面接か、配点、調査書との比率は、都道府県や高校によってまったく異なります。上記はあくまで東京都の例であり、全国共通のルールではありません。志望校の扱いは、必ず各都道府県教育委員会が公表する入学者選抜の実施要綱と、志望校の募集要項でご確認ください。

📝 進路選択に関する注記

本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。記事掲載時点の情報であり、制度は変更される可能性があります。

高校受験の面接で使える志望理由の例文5パターン

📌 例文の使い方

ここからは入試の種類別に例文を示します。ただし、例文はそのまま覚えるためのものではなく、「構造を借りるためのもの」です。校名・学校の特徴・自分の経験の3か所を自分の情報に入れ替えると、そのまま自分の志望理由になります。話し言葉では「貴校」より「御校(おんこう)」が自然です。

なお、以下の例文はすべて、受験生が話す場面を想定して私が作成した見本です。実在の生徒の発言をそのまま掲載したものではありません。

公立高校(一般入試)の志望理由 例文

📋 例文|公立高校・一般入試(普通科)

「私が御校を志望したのは、学校説明会で伺った、授業中に自分の考えを話す機会が多いという点に強く惹かれたからです。私は中学2年生の社会の授業でグループ討論を行ったとき、自分の意見を言葉にする難しさを初めて実感しました。それ以来、学んだ内容を自分の言葉で説明し直してからノートにまとめる勉強を続けています。御校では発表や意見交換の機会が多いと伺いましたので、入学後はこの力をさらに伸ばし、進路を決めるときにも自分で考えて選べるようになりたいと考えています。」

✏️ この例文のポイント

一般入試は学力検査が中心のため、面接では奇をてらう必要がありません。学校の事実を1つ、自分の経験を1つ、入学後の話を1つ。この最小構成で十分です。「グループ討論で困った」という、決して華やかではない経験を使っている点にも注目してください。うまくいった話より、困った話のほうが具体的になりやすいのです。

公立高校(推薦・特色選抜)の志望理由 例文

📋 例文|公立高校・推薦系の選抜

「私が御校を志望した理由は、地域と連携した活動に力を入れている点です。私は中学校で図書委員を2年間務め、3年生のときに小学生向けの読み聞かせ行事の運営を担当しました。準備は思うように進みませんでしたが、当日に小学生が本を借りていく姿を見て、人に何かを手渡す活動のおもしろさを知りました。御校の地域連携の取り組みでは、こうした経験を生かして企画や運営の側に立ちたいと考えています。学習面では、活動と両立できるよう、日々の予習復習を欠かさない生活を続けていくつもりです。」

✏️ この例文のポイント

推薦系の選抜は学力検査がない分、面接での言葉がそのまま評価対象になります。だからこそ、「活動の実績」ではなく「活動から何を学び、それを高校でどう続けるか」まで話す必要があります。また、最後の一文で学習面にも触れているのは、推薦で入学した後の学習継続を気にする学校が多いためです。自己PRカードを提出する地域では、自己PRカードの書き方と例文と内容の軸をそろえておくと、面接での深掘りにも一貫して答えられます。

私立高校(単願・専願)の志望理由 例文

📋 例文|私立高校・単願/専願

「私が御校を第一志望としたのは、少人数の授業で先生に質問しやすい環境が整っていると感じたからです。私は数学が苦手で、中学2年生のときに授業についていけなくなった時期がありました。そのとき、先生に放課後何度も質問して基礎からやり直し、少しずつ解けるようになった経験があります。人に聞ける環境があれば自分は伸びると実感しましたので、御校の学習環境で3年間しっかり学び直したいと考えています。入学後は、まず数学と英語を毎日続けることから始めるつもりです。」

✏️ この例文のポイント

単願・専願は「合格したら必ず入学します」という前提の受験ですから、面接官が最も知りたいのは入学意思の本気度です。ここで効くのが、苦手や失敗を正直に出したうえで「だからこの環境を選んだ」とつなげる型です。弱点の開示は、志望理由に説得力を持たせる最も手堅い方法だと私は考えています。

私立高校(併願)の志望理由 例文

📋 例文|私立高校・併願

「私が御校を受験したのは、探究学習の発表会を文化祭で見学し、生徒の皆さんが自分の調べたことを楽しそうに説明していた姿が印象に残っているからです。私は理科の自由研究で身近な水質を調べたことがあり、調べた結果を人に説明する過程が一番おもしろいと感じました。御校では調べたことを形にして発表する機会が多いと伺っていますので、入学した際にはその活動に取り組みたいと考えています。」

✏️ この例文のポイント

併願の場合、「第一志望です」と言い切る必要はありません。言うべきなのは、併願であっても、その学校をきちんと見て選んだという事実です。この例文が「入学した際には」という表現を使っているのも同じ理由です。無理に第一志望を装うより、実際に足を運んで見たことを具体的に話すほうが、結果として印象は良くなると感じています。

専門学科・特色あるコースの志望理由 例文

📋 例文|商業科・工業科・国際コース等

「私が御校の商業科を志望したのは、実務に直結する知識を高校のうちから学べる点に魅力を感じたからです。私は家の手伝いで小さな店の在庫のメモを任されるようになり、数字を整理すると次に何を仕入れるべきかが見えることを知りました。もっと体系的に学びたいと思い、簿記について自分で調べたのが御校を知ったきっかけです。入学後は簿記の資格取得に挑戦し、卒業後は学んだ知識を生かせる進路に進みたいと考えています。」

✏️ この例文のポイント

専門学科では、普通科以上に「なぜ普通科ではなく、この学科なのか」が問われます。ここを避けて学校の雰囲気の話だけで終えると、学科選択の理由が説明できていない状態になります。資格・卒業後の進路といった先の話まで一言添えると、学科への理解があると受け取られやすくなります。

✏️ 私が原稿に赤を入れてきた頻出3パターンと直し方

生徒が最初に持ってくる志望理由は、驚くほど同じ形で崩れます。私が繰り返し直してきたのは、次の3つです。

崩れ方私が出す直しの指示
校名を他校に入れ替えても成立する説明会・見学で自分が見た場面を1つ足す。学校案内に載っていない情報が入れば合格
経験が肩書きで止まっている(「部長を務めました」)その役職で自分が実際に手を動かしたことを1つ、動詞で言い直す
入学後の話が「頑張ります」で終わる入学後の最初の1か月にやることに限定して言い換える

この3つを潰すだけで、原稿の完成度は目に見えて上がります。逆に言えば、志望理由の直しは表現を巧みに整えることではなく、抽象的な語を具体的な行動に置き換える作業がほぼすべてだと私は考えています。

🔢 例文をタイプ別に位置づけると

志望理由のタイプ別ポジションマップ 学校についての記述の具体性 → 自分の経験の具体性 → 自分語り型 経験は具体的だが、 その学校である理由が不明 →「どの高校でも成立する」と  判断されやすい 伝わる志望理由 学校の事実と自分の経験が 1本の線でつながっている → 深掘り質問にも答えられる  (本記事の例文はすべてここ) テンプレ型 「校風に惹かれました」だけで 中身がない状態 → 記憶に残らず、追加質問で  答えに詰まりやすい 学校紹介型 学校の特徴には詳しいが、 自分の話が出てこない →「調べたことは伝わるが  本人が見えない」状態 出典:筆者作成(高校受験生の面接指導経験に基づく分類。評価基準を示すものではありません)

志望理由の作り方4ステップ

📌 白紙からでも書ける手順

「志望理由が思いつかない」という相談を何度も受けてきましたが、原因のほとんどは頭の中だけで探そうとしていることです。志望理由は思い出すものではなく、材料を集めて組み立てるものです。ここでは私が実際に生徒と一緒にやっていた手順を、そのまま4段階に分けて示します。

🧭 志望理由づくりの4ステップ

① 学校の事実を3つ書き出す
学校案内・ホームページ・説明会のメモから、数字や固有名詞を含む事実を3つ抜き出します。「校風が良い」は事実ではありません。
② 自分の中学校生活の出来事を5つ書き出す
部活・委員会・授業・行事・家庭のことなど、何でも構いません。成功談に限定しないことが重要です。
③ ①と②の中から、最も結びつく1組を線でつなぐ
3×5=15通りの組み合わせを見比べて、一番自然につながるペアを1つだけ選びます。
④ 「結論→経験→入学後」の順に並べ、声に出して30〜60秒に収める
書いた文章を読むのではなく、要素を見ながら話す練習に切り替えます。

まとめると、①学校の事実を3つ書き出す→②自分の経験を5つ書き出す→③最もつながる1組を選ぶ→④結論・経験・入学後の順に並べて30〜60秒で話す、という手順です。

ステップ1・2:事実と経験を「先に」集める

📚 事実として使えるもの・使えないもの

区分
使える事実週◯時間の◯◯の授業がある/◯◯という行事がある/説明会で校長が話していた方針/実際に見学した施設や部活動
使いにくい表現校風が良い/自由な雰囲気/面倒見が良い/レベルが高い(学校案内にある言葉をそのまま使ったもの)

後者が悪いわけではありませんが、そのままでは他の受験生と完全に重なります。使うなら「自由な雰囲気を、説明会での◯◯という話から感じた」と、根拠を必ず添えてください。

💬 経験は「うまくいかなかった話」から探す

生徒に経験を挙げてもらうと、たいてい「部長を務めた」「県大会に出た」といった目立つ実績から出てきます。ただ、私の実感では、面接官の記憶に残るのはむしろ地味な話のほうです。「部活の練習メニューを自分でノートに書き直していた」「毎回同じ計算ミスをしていたので原因を書き出した」——こうした話は本人にしか語れず、話が自然と具体的になります。実績がないから志望理由が書けない、ということはまずありません。

ステップ3:入学後にやりたいことまで言い切る

🔍 志望理由が「過去形」で終わると弱くなる

志望理由は、放っておくと「〜だから志望しました」という過去の説明で終わります。しかし面接官が本当に知りたいのは、入学後にこの生徒がどう過ごすかという未来の部分です。最後の一文を「入学後は〜したいと考えています」で締めるだけで、志望理由の印象は変わります。

ここで挙げる内容は、壮大である必要はありません。入りたい部活動、挑戦したい行事、続けたい学習習慣。実際に自分がやりそうなことを1つ言えれば十分です。

頭の中の材料を文章の形に落とすところでつまずく場合は、作文の構成と書き方を解説した記事で紹介している「結論を先に置く」考え方が、そのまま志望理由の組み立てにも使えます。

ステップ4:30〜60秒の型に収める

🔢 60秒で話す場合の構成配分

志望理由「60秒」の時間配分マップ 合計約60秒/文字数の目安は250〜300字(1分あたり約300字で計算) 10秒 25秒 13秒 12秒 ① 結論(約10秒/40字) 「私が御校を志望したのは、◯◯だからです」と一文で言い切る。 ② 自分の経験(約25秒/110字)=最も長く取る 中学校生活の具体的な出来事。ここが他の受験生と重ならない部分。 ③ 学校の事実との接続(約13秒/60字) 説明会や見学で得た事実を挙げ、②とつながることを示す。 ④ 入学後の展望(約12秒/50字) 「入学後は〜したいと考えています」で締める。 ※30秒で話す場合は②を半分に削り、①④は削らない。①を削ると何の話か伝わらなくなる。 出典:筆者作成(指導経験に基づく推奨配分。学校が定める基準ではなく、話す速さにも個人差があります)

伝わる志望理由と埋もれる志望理由を分けているもの

💬 この章でお伝えすること

ここからは制度の話ではなく、私が指導の現場で繰り返し見てきたことを書きます。同じ学校を受ける生徒でも、志望理由の完成度には大きな差が出ます。その差はセンスではなく、いくつかの決まったポイントから生まれていました。

学校案内の言葉をそのまま返す志望理由は記憶に残らない

✏️ 「文化祭が盛んだから」の落とし穴

面接練習でよく出てくるのが、「文化祭が盛んだと聞いて惹かれました」という理由です。悪くはありません。ただ、この一文だけで止まると、面接官からは「文化祭で何をしたいですか」と必ず聞かれます。そこで答えに詰まると、印象は志望理由を言う前より下がってしまいます。

志望理由は「言った瞬間」ではなく「その次の一問」で評価が決まると考えておくと、準備の質が変わります。文化祭の話をするなら、自分が中学校の行事で何をしたのかまでセットで用意しておくべきです。

エピソードは「小さくて具体的」なほど強い

💡 具体性の差はここに出る

私が生徒の原稿を直すとき、最も多く入れる赤字は「それはいつの話?」「そのとき何をした?」の2つです。この2つに答えられる形に直すだけで、同じ内容でも説得力がまったく変わります。

直す前直した後
部活動を通して継続する力がつきました2年生の秋から、練習後に毎回その日の課題を3行だけノートに書くようにしました
英語が好きになりました2年生の夏に洋楽の歌詞を訳してみたら、教科書の文法が実際に使われていて驚きました

右側は、盛っているわけでも大げさなわけでもありません。事実の粒を細かくしただけです。志望理由に必要なのは、この作業だけだと言っても言い過ぎではないと考えています。

深掘り質問に耐えられるかで完成度がわかる

🗣️ 自分でできる「3回なぜ」テスト

完成した志望理由に、自分で3回「なぜ?」と問いかけてみてください。「なぜその高校?」→「なぜその点に惹かれた?」→「なぜそれが自分にとって大事?」。3回目まで自分の言葉で答えられれば、面接での深掘りにはまず対応できます。

逆に2回目で止まる場合、それは志望理由そのものではなく、材料集めが足りていない状態です。ステップ1に戻って学校の事実を集め直すほうが早く解決します。面接で評価が分かれる要因については、面接で落ちる人と受かる人の違いもあわせてご覧ください。

志望理由でやりがちな失敗と注意点

📌 ここは正直にお伝えします

志望理由には、良かれと思ってやったことが逆効果になる場面がいくつかあります。受験生本人だけでなく、保護者の方にも知っておいていただきたい内容です。

「家から近い」「制服が好き」は言い方次第

⚠️ 禁止ではないが、単独では成立しない

通学距離や制服は、多くの受験生にとって実際の判断材料です。私は、これらを口にすること自体が減点になるとは考えていません。問題は、その理由だけで話が終わると「その高校でなければならない理由」が示されないことです。

使うのであれば、「通学時間が短い分、朝の時間を学習にあてたい」「制服を含めた学校の雰囲気が、説明会で見た生徒の様子と重なった」というように、必ず自分の行動や観察につなげてください。

事実を盛る・つくり話をするのが最も危険

❌ 一番避けるべき失敗

「行っていない説明会に行ったことにする」「読んでいない本を挙げる」「所属していない役職を言う」。これらは面接官が一言追加で質問するだけで崩れます。しかも、崩れた瞬間に失われるのは志望理由の説得力だけでなく、その受験生の話全体の信頼性です。

調査書や志望理由書に書かれた内容と食い違えば、なおさら目立ちます。志望理由に嘘を混ぜて得られる利益より、失うもののほうがはるかに大きいというのが、私の一貫した考えです。

大人が書いた文章をそのまま覚えない

❗ 語彙のズレは意外と伝わる

保護者や塾の講師が整えた文章は、たしかに読み物としては上手にまとまります。ただ、中学生が普段使わない語彙が混ざると、話しているときの不自然さとして表に出てしまいます。さらに、その文章の中身を本人が本当に理解していない場合、深掘り質問で必ず止まります。

周囲の大人の役割は、代筆ではなく質問して材料を引き出すことだと考えています。「なぜそう思ったの?」と聞いて、本人が答えた言葉をそのまま使うほうが、結果的に良い志望理由になります。

併願校で「第一志望ですか」と聞かれたとき

⚖️ 正直さと敬意は両立できる

併願で受験している以上、第一志望が別にあること自体は学校側も前提として理解しています。ですから、事実と異なることを言う必要はありません。「第一志望は別にありますが、御校の◯◯を見て受験を決めました」という形で、選んだ理由を具体的に語れば十分です。

ただし、出願方式によって話は変わります。単願・専願で出願しているなら、その学校が第一志望であることは出願時点で確定していますので、迷わず第一志望であると伝えてください。なお、面接での立ち居振る舞いを含めた注意点は面接でやってはいけないこと15選にまとめています。

面接本番までの練習手順と当日の話し方

📌 準備の最終段階

志望理由が組み上がったら、あとは「本番で出せる状態」に持っていくだけです。ここで多くの受験生がつまずくのが、原稿を覚える方向に進んでしまうことです。練習の目的は、暗記ではありません。

覚えるのは文章ではなく「3つの要素」

✅ 暗記ではなく再現できる状態にする

覚えるのは、結論・自分の経験・入学後にやりたいことの3点だけです。この3つを順番に思い出せれば、文は毎回少しずつ違っても構いません。むしろ、少し違うほうが自然に聞こえます。

一字一句覚える方法には、一語飛んだだけで全体が止まるという明確な弱点があります。緊張する場面ほど、覚える情報は少ないほうが安全です。

第三者に3回見てもらう

🔰 練習の進め方

① 1人で声に出して録音する
スマートフォンで録音し、自分で聞き返します。速すぎる、語尾が消えているなど、機械的な問題はここでほぼ潰せます。
② 家族に聞いてもらい、質問をしてもらう
内容の評価より、「そこ、もう少し詳しく」と深掘りしてもらうことが目的です。
③ 学校の先生や塾の講師に見てもらう
志望校の傾向を知る第三者の視点を最後に入れます。学校ごとの面接の形式は先生のほうが情報を持っています。

面接練習まで対応してくれるかどうかは指導先によって差があります。指導者選びで迷っている場合は、学習塾・家庭教師の比較記事で選び方の基準を整理していますので参考にしてください。

当日は結論から話し、間を怖がらない

⭕ 本番で意識する3点

  • 最初の一文で結論を言う……緊張しても、ここさえ出れば後は続きます
  • 詰まったら黙って考えてよい……「少し考えます」と言えば数秒の沈黙は問題になりません
  • 面接官の目ではなく眉のあたりを見る……目を合わせるのが苦手な人向けの現実的な方法です

身だしなみや持ち物といった当日の準備は、受験当日の持ち物リストで別途まとめています。話す中身が固まった後は、こうした外形的な準備で不安を減らすほうが効率的です。

よくある質問

高校受験の面接で志望理由は何秒くらい話せばよいですか?

❓ 回答

目安は30〜60秒、文字数にすると200〜300字程度です。最初の一文で結論を言い切り、そのあとに理由となる自分の経験と入学後にやりたいことを続ける構成にすると、この長さに自然に収まります。1分を超えると要点がぼやけやすく、逆に15秒程度で終わると深掘り質問で答えに詰まりやすくなります。

「家から近いから」という志望理由は面接で言ってはいけませんか?

❓ 回答

通学距離そのものは事実であり、口にしてはいけない理由ではありません。問題になるのは、それだけで話が終わってしまい「その高校でなければならない理由」が示されない場合です。通学時間が短い分をどう学習や部活動に使うつもりなのかまで話せば、志望理由として成立すると考えます。

志望理由書と面接で話す志望理由は同じ内容でよいですか?

❓ 回答

軸は同じにしてください。書類と口頭で内容が食い違うと、どちらが本当なのかを確かめる質問が増えます。ただし文章をそのまま暗唱するのではなく、書類に書いた要素のうち中心となる1つを選んで話し言葉に直し、残りは深掘り質問で答える材料として温存する形が話しやすいです。提出書類の内容は調査書の仕組みを解説した記事もあわせて確認しておくと全体像がつかめます。

併願校の面接で「本校が第一志望ですか」と聞かれたら何と答えますか?

❓ 回答

事実と異なることを言う必要はありません。併願であることを正直に伝えたうえで、その学校を受けようと決めた理由を自分の言葉で具体的に話すのが誠実な答え方です。単願・専願で出願している場合は当然その学校が第一志望ですので、迷わず第一志望であると伝えて構いません。

志望理由は丸暗記して話しても大丈夫ですか?

❓ 回答

文章を一字一句覚える方法はおすすめしません。緊張で一語飛ぶと全体が止まりやすく、続く深掘り質問にも対応しづらくなるためです。結論・自分の経験・入学後にやりたいことという3つの要素だけを覚え、その場で文をつくり直せる状態にしておくほうが安全だと考えます。

志望理由がどうしても思いつかないときはどうすればよいですか?

❓ 回答

志望理由を頭の中だけで探すのをやめ、学校案内・学校ホームページ・説明会で聞いた話から事実を3つ書き出すところから始めてください。そのうえで、その3つのうち自分の中学校生活の出来事と最も結びつく1つを選びます。志望理由は思い出すものではなく、事実と自分の経験をつなげて組み立てるものだと考えると手が動きやすくなります。

集団面接や保護者同伴の面接では志望理由の話し方を変えるべきですか?

❓ 回答

骨組みは変えず、長さと役割だけ調整してください。集団面接は一人あたりの持ち時間が短くなるため、結論と経験を1つずつに絞って30秒前後にまとめます。保護者同伴の面接では、志望理由はあくまで受験生本人が答えるものと考え、保護者は家庭の方針や学校への期待を補足する立場に回るほうが自然です。面接の形式は学校ごとに異なりますので、募集要項で個人面接か集団面接かを必ず確認してください。

まとめ:高校受験の面接の志望理由は「事実・経験・入学後」で組み立てる

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🎯 この記事の結論

高校受験の面接の志望理由は、学校の具体的な事実・自分の経験・入学後にやりたいことの3点をつなげ、30〜60秒で話す。特別なエピソードも、うまい言い回しも必要ありません。

📌 記事のポイント

  • 面接官が見ているのは学校の良さではなく「学校と自分の接点」
  • 推薦系の選抜では面接の比重が大きく、一般入試では参考程度の学校も多い(配点は学校ごとに要確認)
  • 例文は覚えるものではなく、校名・学校の特徴・自分の経験の3か所を入れ替えて使う
  • 作り方は「事実3つ・経験5つを書き出す→つながる1組を選ぶ→結論・経験・入学後の順に並べる」
  • 評価が決まるのは志望理由を言った瞬間ではなく、その次の深掘り質問への対応
  • 盛った話・つくり話は追加質問で崩れ、話全体の信頼を失う

✅ この方法が特に向いている人

  • 志望理由が白紙で、何から手をつければよいかわからない人
  • 目立った実績や役職がなく、書くことがないと感じている人
  • 原稿は書けたが、深掘り質問が怖いと感じている人
  • 推薦・単願で、面接の比重が大きい入試を受ける人

❌ この記事だけでは足りない人

  • 志望校が独自形式(集団討論・プレゼンテーション等)を課している人……形式に応じた練習が別途必要です
  • 志望校がまだ決まっていない人……志望理由より先に学校選びを進めるほうが早く進みます
  • 面接の配点や実施方法を正確に知りたい人……各都道府県教育委員会の実施要綱と志望校の募集要項が一次情報です

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🎓 執筆者プロフィール

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kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
専門領域:中学受験・高校受験・大学受験、学習塾/個別指導の比較、中高一貫校・浪人生・不登校・発達障害の指導。

この記事を書く資格がある理由
中学生時代に早稲田アカデミーへ通い慶應義塾高等学校に合格、慶應義塾大学経済学部を卒業しました。在学中は早稲田アカデミーで高校受験生を中心に多数の生徒を指導し、独立後もプロ家庭教師として指導歴は10年を超えます。志望理由を一緒に組み立て、面接練習で深掘り質問を投げ続けてきた立場から、受験生がどこでつまずくのかを具体的に書けると考えています。

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📝 調査概要

調査対象高校受験の面接における志望理由の質問と、公立・私立高校の入学者選抜における面接の位置づけ
調査方法公的機関(教育委員会)が公表する入学者選抜実施要綱等の公式情報の確認/著者の指導経験に基づく分析
調査実施日2026年8月16日
情報の限界全国すべての都道府県・高校の面接実施状況および配点を網羅的に確認することはできていません。制度に関する記述は東京都の例を中心としており、他地域には当てはまらない場合があります。また、面接の評価基準を公表していない学校が多く、「志望理由が何点として扱われるか」は外部から確認できませんでした。学校関係者・受験生への直接のヒアリングや現地取材は実施していません。
利益相反の有無なし(特定の高校・学習塾等からの報酬、記事内容への関与はありません)

📚 参考文献・引用元

※入試制度は年度ごとに変更されます。受験の際は必ず、志望校および各都道府県教育委員会が公表する最新の募集要項・実施要綱をご確認ください。

🏷️ 記事情報

公開日:2026年8月16日/最終更新日:2026年8月16日
※情報変更があった場合は随時更新します。