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🎓 この記事を書いた人
🎯 結論
結論:高校受験生のスマホは「持たせるか奪うか」ではなく、「1日どれくらい・いつ・どこに置いて使うか」を先に決めるかどうかで結果が変わります。研究が示す目安は勉強以外の使用で1日1時間以内ですが、いきなりそこを目指す必要はありません。
まずは今の使用時間を知り、勉強中だけは手の届かない場所に置く。この2つだけでも、多くの受験生にとって現実的な一歩になります。
📌 この記事で解決できること
- 高校受験生のスマホ使用時間は平均どれくらいで、何時間までが目安なのか
- スマホが学力に与える影響は、どのデータでどこまで確認されているのか
- 親はスマホを取り上げるべきなのか、他に選べる手はあるのか
- 受験勉強にスマホを活かす使い方と、やってはいけない使い方
- 今日から始められる具体的な手順
読み終えたときには、「なんとなく不安」だったスマホの扱いが、家庭で話し合える具体的なルールの形に変わっているはずです。
📚 執筆にあたっての立場と情報の範囲
私は指導者としてスマホと受験勉強の関係を現場で見てきましたが、スマホの使用と学力の関係を自分で統計的に検証したわけではありません。数値に関する記述は、こども家庭庁および仙台市教育委員会・東北大学の公表資料に基づいています。特定のアプリ・端末・サービスから対価を受け取っておらず、本記事に広告は掲載していません。
高校受験生にとってスマホは本当に「敵」なのか?
🔍 この章でお伝えすること
「受験生にスマホを持たせていいのか」という相談は、私が受ける保護者からの質問のなかでも特に多いものです。ただ、この問いは答えが出にくい形をしています。まずは感覚ではなく、公表されているデータで現在地を確認するところから始めます。
高校受験生のスマホ・ネット利用時間は平均どれくらい?
📊 中学生のインターネット平均利用時間
こども家庭庁「令和7年度 青少年のインターネット利用環境実態調査(速報)」によると、中学生の1日あたりの平均インターネット利用時間は約5時間24分でした。高校生は約6時間44分、小学生(10歳以上)は約3時間54分で、いずれも過去最長です。
| 区分 | 平日1日あたりの平均利用時間 |
|---|---|
| 中学生 | 約5時間24分 |
| 高校生 | 約6時間44分 |
| 小学生(10歳以上) | 約3時間54分 |
※出典:こども家庭庁「令和7年度青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果(速報)」(令和8年2月公表・2026年9月3日参照)。スマホ単体ではなく、ゲーム機やタブレットを含む7機器の合計値です。
💬 この数字を指導者としてどう読むか
5時間24分という数字を見て「うちの子だけではなかった」と安心する保護者は多いのですが、私はむしろ逆の読み方をしています。これは中学1年生から3年生までを合わせた平均であり、しかも「利用している」と答えた層の平均です。つまり受験学年で平均並みに使っているなら、それは同学年のなかでは多い側に寄っている可能性が高い、ということです。
もう一つ見落とされやすいのが、この調査の中学生の利用目的で「動画を見る」が9割を超えている一方、「勉強をする」も7割台に達している点です。使用時間の中に学習用途が混ざっているため、「何時間使ったか」だけでは判断できない構造になっています。だからこそ、後述するように時間と用途を分けて考える必要があります。
相談を受けていて特に多いのが、この平均値を「うちの子は平均より少ないから大丈夫」という安心材料に使ってしまう比較です。しかし平均と比べても、その子の勉強時間が足りているかどうかは何もわかりません。比べる相手は同学年の平均ではなく、自分の志望校に必要な学習量です。
🔗 あわせて確認したい目安
スマホの時間を考える前提として、そもそも中3がどれだけ勉強しているかの相場を知っておくと判断しやすくなります。時期別の目安は高校受験生に必要な勉強時間の目安で詳しくまとめています。
スマホの使用時間と学力の関係は数値で報告されている
📋 仙台市の大規模調査でわかったこと
仙台市教育委員会と東北大学加齢医学研究所が共同で進める「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」は、2010年度から毎年、仙台市立小中学校の児童生徒約7万人を対象にした調査を続けています。平成25年度の仙台市標準学力検査では、市立中学生2万2390名のデータを分析し、数学の平均点と「家庭学習時間」「携帯・スマホの使用時間」の関係が整理されました。
結果は次のとおりです。
| 家庭学習時間 | スマホ等の使用時間 | 数学の平均点 |
|---|---|---|
| 2時間以上 | 1時間より少ない | 75点 |
| 30分もしない | 使わない(持っていない) | 63点 |
| 2時間以上 | 4時間以上 | 58点 |
※出典:仙台市「仙台市の子どもの学力とスマホの関係」(学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト/東北大学加齢医学研究所・仙台市教育委員会、平成28年3月発行・2026年9月3日参照)
⚠️ 数字を読むときの注意点
このデータは相関を示したものであり、スマホが原因で必ず点数が下がると断定できるものではありません。生活習慣が乱れやすい生徒がスマホも長く使っている、という逆方向の説明も理論上は成り立ちます。
ただし、同プロジェクトが2015年に公表した研究では、無料通信アプリの使用による学力低下が睡眠時間や家庭学習時間とは独立した影響である可能性が高いと報告されています(東北大学プレスリリース)。少なくとも「勉強時間さえ確保すればスマホは何時間でも問題ない」とは言いにくい、というのが妥当な読み方だと私は考えます。
それでも「完全禁止」が最適解になりにくい理由
🗣️ 現場で見てきた「取り上げた後」に起きること
ここまでのデータだけを見れば「なら取り上げればいい」という結論になりそうですが、私は指導の現場でその判断がうまくいかない場面を何度も見てきました。
典型的なのは、親が一方的に没収したあと、生徒が別の端末や友人の端末で使うようになるケースです。表面上は解決したように見えて、実際には使用実態が親から見えなくなっただけ、という状態になります。もう一つは、志望校の話や成績の相談まで含めて、親子の会話そのものが止まってしまうケースです。受験期に相談相手を失うのは、スマホを1時間削るより大きな損失になり得ます。
加えて、現在の中学生にとってスマホは学校の連絡や友人関係の基盤でもあります。完全に切り離せば、それはそれで別の負荷がかかる。だから私は「ゼロにする」ではなく「設計する」という言い方をしています。
🔗 1日の使い方から考えたい方へ
スマホの時間だけを切り出すより、起床から就寝までの流れの中に置いたほうが調整しやすくなります。時期別の生活リズムは受験生の1日のスケジュール例を参考にしてください。
高校受験生のスマホ使用時間の目安と現実的なライン
🔢 この章でお伝えすること
「何時間までなら大丈夫ですか」という質問には、研究に基づく目安と、現実に運用できるラインの2つの答えがあります。両方を提示したうえで、時期による違いにも触れます。
研究が示す目安は「勉強以外で1日1時間以内」
📌 公的資料が示している推奨ライン
前述の「学習意欲の科学的研究に関するプロジェクト」は、調査結果をふまえてスマホは「どんなに長くても1時間以内にする」ことを強くすすめると、仙台市が市民向けに公表した資料のなかで明記しています。この1時間は、勉強以外の目的での使用時間を指しています。
※出典:仙台市「仙台市の子どもの学力とスマホの関係」(平成28年3月発行・2026年9月3日参照)
💬 「1時間」をそのまま家庭に持ち込むと失敗しやすい
この1時間という数字は根拠のある目安ですが、私が家庭に伝えるときは必ず条件をつけます。今5時間使っている中3に、明日から1時間と言っても、まず守れないからです。
ルールは守れなかった時点で機能を失います。守れないルールを設定すると、「どうせ守れない」という前例が積み上がり、次のルールも効かなくなる。これは指導のなかで繰り返し見てきたパターンです。
そこで私が提案しているのは、いきなり1時間にするのではなく、現状から30分ずつ削って、2週間ごとに固定していく方法です。5時間なら4時間半、次は4時間。到達点を1時間に置きつつ、途中を刻む。遠回りに見えて、こちらのほうが最終的に短くなります。
時期別に見るスマホルールの重点の置き方
✏️ なぜ時期で重点を変えるのか
同じ「1時間以内」でも、守るべき時間帯は時期によって変わります。夏休みに削るべきは午前中の使用で、秋以降に削るべきは夜の使用です。理由は単純で、夏は午前が最大の学習ブロックになり、秋以降は演習と睡眠の質が得点に直結するからです。
私が家庭に伝えるときも、「1日1時間」より「朝食後から昼までは触らない」のほうが圧倒的に守られやすい。時間の総量ではなく、時間帯で区切るほうが人間には実行しやすいのだと思います。
🗣️ 同じ「1時間」でも意味が変わる2つの条件
私は同じ目安を、生徒の状況によって説明の仕方を変えて伝えています。判断を分けるのは次の2点です。
1つ目は志望校と現在地の距離です。合格ラインまで余裕がある生徒に厳しい制限をかけると、受験期全体のモチベーションを削るほうが痛手になります。逆に、残り期間に対して詰めるべき単元が多い生徒ほど、可処分時間の確保が最優先になります。
2つ目は通塾の有無です。塾に通っていれば、自宅の外に強制的に勉強する時間が確保されます。塾なしで進める生徒は、その時間まで自宅で自力で作らなければならないため、同じ「1時間」でも家庭内ルールの重みがまったく違ってきます。私が塾なしの生徒に対して時間帯の固定を特に強く求めるのは、この差があるからです。
「何時間か」より「いつ触るか」が差を生む
❌ 同じ1時間でも結果が変わる使い方
- 勉強の合間に10分ずつ6回触る:そのたびに集中が切れ、再開のコストが積み上がる
- 就寝直前に1時間触る:入眠が遅れ、翌日の学習効率にも影響する
- やる気が出ないときに触る:スマホが「勉強からの逃げ場」として学習される
✅ 同じ1時間を活かす使い方
- 学習を終えた後にまとめて使う:区切りが明確で、勉強への割り込みが起きない
- 夕食後など時間帯を固定する:「いつ使えるか」が読めると、我慢の負荷が下がる
- 使う前に翌日の学習の目標を書き出しておく:再開地点が決まっていると戻りやすい
🔗 勉強の進め方から見直したい場合
スマホの時間を削っても、空いた時間の使い道が決まっていなければ成果にはつながりません。教科ごとの優先順位は高校受験の勉強法の全体像で整理しています。
スマホが受験勉強を削る4つのメカニズム
🔍 この章でお伝えすること
「使いすぎると成績が下がる」だけでは、行動は変わりません。何がどう削られているのかを分解すると、対策の打ちどころが見えてきます。ここでは4つの経路に分けて説明します。
通知1回で集中が切れ、復帰に時間がかかる
💡 「5秒見ただけ」が5分の損失になる理由
生徒に「通知を見ていた時間はどれくらい?」と聞くと、たいてい「5秒くらい」と答えます。しかし実際に失われているのは、通知を見ていた時間ではありません。直前まで解いていた問題の途中経過が頭から消え、もう一度読み直すところからやり直す時間です。
数学の証明や英語の長文のように、前の情報を保持しながら進める作業ほど、この損失は大きくなります。私が指導のなかで通知オフを最初に提案するのは、これが最も費用対効果の高い一手だからです。設定を変えるだけで、行動を我慢する必要がありません。
睡眠が削られ、翌日の学習効率まで落ちる
🔺 夜のスマホが翌日に持ち越すもの
就寝前の使用は、睡眠時間そのものを削るだけでなく、寝つきにも影響します。中3の時期に睡眠が削られると、翌日の授業と自習の両方の質が下がり、それを取り戻すためにさらに夜が遅くなる、という循環に入りやすくなります。
私が家庭で最初に固定してもらうルールは「充電器をリビングに置く」です。寝室に持ち込まないだけで、夜間の使用は物理的に止まります。
🔗 睡眠時間の目安について
中3がどれくらい眠るべきかについては、受験生に必要な睡眠時間の考え方で詳しく解説しています。
「勉強したつもり」を作り出してしまう
🗣️ 動画講義に潜む落とし穴
学習アプリや動画講義は、受験勉強に有効な道具です。ただし、視聴時間が学習時間として記録され、本人の手応えも残るのに、実際には解けるようになっていないという状態が起こりやすい。
私が指導で見てきた範囲では、「講義を見たのに模試で点が伸びない」という相談の多くが、視聴と演習の比率が偏っていることに原因がありました。そこで私が指導の目安として使っているのが、講義を見た時間と同じかそれ以上の時間を、手を動かす演習に充てるという配分です。これは公的な基準ではなく私の経験則ですが、この比率を守れているかどうかが分かれ目になると感じています。
机の上にあるだけで注意の一部を持っていかれる
❗ 「触らなければいい」では足りないことがある
「見ないようにしている」という生徒は多いのですが、視界の隅にある端末を意識し続けること自体に負荷がかかります。私が自習の様子を見ていて感じるのは、スマホを裏返して机に置いている生徒より、別の部屋に置いてきた生徒のほうが、問題を解く手が止まりにくいということです。
これは私の観察に基づく印象であり、統計的に検証したものではありません。ただ、試す価値のある工夫としては十分だと考えています。
受験生のスマホは取り上げるべき?親ができる対応
⚖️ この章でお伝えすること
保護者からの相談で最も多いのが、この「取り上げるべきか」という問いです。答えは家庭によって変わりますが、判断を分ける条件と、取り上げる以外の選択肢を整理します。
強制的な没収がうまくいく家庭・いかない家庭
📋 判断が分かれる条件の整理
| 状況 | 没収の妥当性 | 補足 |
|---|---|---|
| 本人が「使いすぎている」と自覚し、助けを求めている | 比較的機能しやすい | 預ける形にすると本人の主体性が残る |
| 親子で事前にルールを決め、本人が同意していた | 機能しやすい | 合意に基づく運用のため反発が出にくい |
| 本人に自覚がなく、成績の話から一方的に始まった | 機能しにくい | 隠れて使う・会話が止まる副作用が出やすい |
| 友人関係や学校の連絡に不可欠になっている | 慎重な判断が必要 | 時間帯限定の運用に切り替える方が現実的 |
※執筆者が指導経験をもとに整理したものであり、公的な基準ではありません。
家庭でルールを決めるときの3原則
🔰 手順で決めるスマホルール
「何時間にするか」を親が決めると反発が生まれます。上限だけ親が示し、時間帯の割り振りは本人に決めてもらうと、守られやすくなります。
後から罰を追加すると、ルールではなく感情のぶつかり合いになります。「守れなかった日は翌日30分減らす」など、機械的に処理できる形にしておきます。
入試が近づけば必要な時間配分は変わります。「模試のたびに見直す」と決めておくと、変更が交渉ではなく手続きになります。
⚠️ 制限機能は「使える」が、それだけでは足りない
端末のスクリーンタイム制限やフィルタリングは、取り上げるか放置するかの中間にある現実的な手段です。使用時間の上限設定やアプリ単位の制限は、意志に頼らずに済む点で有効だと考えています。
一方で限界もあります。設定の抜け道が共有されることは珍しくありませんし、親が一方的に設定した場合は没収と同じ反発を招きます。制限機能は「本人が同意したルールを支える道具」として使うと機能しやすく、「本人を管理する道具」として使うと機能しにくいというのが、私が相談を受けてきた実感です。導入するなら、設定内容を本人に開示したうえで一緒に決めることをおすすめします。
親のスマホの使い方も見られている
💬 説得力がどこから生まれるか
仙台市が公表した保護者向け資料でも、まず大人がよいお手本を見せることが呼びかけられています。私も同じ実感を持っています。親がリビングで動画を見ながら「勉強しなさい」と言う状況では、ルールは形だけのものになります。
逆に、家族全員で「食事中は端末を触らない」といった小さな共通ルールを作った家庭では、子ども側のルールも定着しやすい印象があります。子どもだけに課すルールほど、続きにくいのだと思います。
🔗 親の関わり方をもっと知りたい方へ
スマホ以外も含めた保護者の関わり方は受験生の親ができることに、勉強に向かわない状態への対応は勉強しない中3への対応手順にまとめています。
受験勉強に活かせるスマホの使い方
🧭 この章でお伝えすること
ここまでリスクを中心に書いてきましたが、スマホは使い方次第で受験勉強を支える道具にもなります。私が実際に生徒にすすめている用途を、条件付きで紹介します。
動画講義・学習アプリの位置づけ
⭕ 学習用途として相性がよい場面
- 授業でわからなかった単元を、別の説明で聞き直したいとき
- 塾に通っていない、または通えない時間帯を埋めたいとき
- 移動時間や待ち時間など、紙の教材を開きにくい場面
特に単元の穴を埋める用途では、映像教材は効率がいいと感じています。スタサプ中学講座の評判と実力では、高校受験での使いどころと限界を具体的に検証しています。
⚠️ 学習用途でも守りたい条件
- 視聴中は機内モードにする(学習中に通知が届く状態を作らない)
- 演習と丸つけは紙で行う(画面上では手が止まりやすい)
- 視聴時間と演習時間を分けて記録する(「勉強したつもり」の防止)
記録・タイマー・暗記ツールとしての使い方
📈 消費するのではなく管理する道具にする
スマホの用途を「情報を受け取る」から「自分の行動を管理する」に寄せると、性質が変わります。具体的には学習時間の記録、タイマーによる区切り、暗記カード、間違えた問題の写真での蓄積などです。
なかでも英単語は、隙間時間との相性がよい分野です。用途別の選び方は高校受験向けアプリの選び方と英単語アプリの比較で解説しています。
検索と生成AIをどこまで使うか?
📖 高校受験の段階での線引き
こども家庭庁の同じ調査では、中学生の生成AI利用は30.8%と報告されています(令和7年度速報)。すでに珍しいものではありません。
私が生徒に伝えている線引きは単純です。「答えを出させる」のではなく「自分の答えの確認に使う」。先に自力で解き、詰まった箇所だけを説明させる使い方であれば、思考の負荷は本人に残ります。一方、問題を丸ごと入力して答えを写す使い方は、入試本番で最も必要になる「自分で考え切る力」を削ります。
また、生成される内容には誤りが含まれることがあります。答え合わせは必ず教科書や解答解説で行ってください。
高校受験生のスマホで注意すべき失敗パターン
🔍 この章でお伝えすること
ここでは、実際に起きやすい失敗を3つ挙げます。いずれも「悪意なく」起きるもので、気づかないうちに進行するのが厄介な点です。
「勉強アプリだから」で使用時間が膨らむ
📉 学習用途が例外になると起きること
「勉強で使うときは時間に含めない」というルールにすると、多くの場合そこが抜け道になります。学習アプリを開いたついでに通知を確認し、そのまま別のアプリに移る。本人にも自覚がないまま時間が伸びていきます。
対策としては、学習用途も含めた総使用時間を週に一度だけ確認する運用が現実的です。毎日確認すると監視のようになり、続きません。
SNSでの比較が不安を増幅させる
⚠️ 直前期に起きやすい心理的な負荷
入試が近づくと、SNS上の勉強時間の投稿や模試の結果が目に入りやすくなります。他人の情報が正確とは限らないうえ、比較そのものが自分の学習計画を崩す原因になります。
直前期に不安が強く出ている場合は、受験生の不安との向き合い方もあわせて読んでみてください。心身の不調が続く場合は、抱え込まずに学校の先生やスクールカウンセラー、医療機関など専門家にご相談ください。
入試当日のスマホの扱いを確認していない
❌ ルール確認漏れは不正行為につながることがある
試験会場でのスマホの扱いは、都道府県や学校によって規定が異なります。試験中の電源オフや所定の場所への収納が求められることが多く、これに反した場合は不正行為として扱われることがあります。
持ち込みの可否と当日の具体的な手順は、必ず受験校の募集要項・受験上の注意で確認してください。会場ごとの一般的な扱いは高校受験のスマホ持ち込みルールで整理しています。
📝 進路選択に関するご注意
本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。
今日から実行できるスマホ対策の手順
🧭 この章でお伝えすること
ここまでの内容を、順番に実行できる形にまとめます。すべてを同時に始める必要はありません。上から順に、1つずつで十分です。
まず1週間、使用時間を可視化する
🔰 最初の3ステップ
削る前に測ります。数字を見た時点で自発的に減る生徒も少なくありません。
全体を漠然と減らすより、時間を占めている上位だけを対象にするほうが実行しやすくなります。
「午前中」「就寝前1時間」など、時間帯で区切ります。総量ではなく時間帯のほうが守りやすい形です。
💬 スマホだけ止めても時間が戻らない理由
ここで必ずお伝えしているのが、スマホを制限した結果、時間がそのままゲーム機やタブレットへ移るケースがかなり多いということです。保護者は「スマホを減らせた」と手応えを感じているのに、勉強時間はまったく増えていない。この食い違いが、数か月経ってから成績の停滞として表面化します。
前掲のこども家庭庁の調査が、スマホ単体ではなくゲーム機やタブレットを含む7機器の合計時間を集計しているのは、実態がそうなっているからだと私は受け止めています。だから記録するときも、スマホだけでなく「勉強以外で画面を見ていた時間の合計」で測ってください。対象を機器名で決めると、必ず抜け道ができます。
意志ではなく距離で解決する
✅ 設定と配置で先に決めてしまう工夫
- 通知を切る(我慢を必要としない、最も効果的な一手)
- 充電器をリビングに移す(夜間の使用を物理的に止める)
- 勉強中は別の部屋か家族に預ける(視界から外す)
- 使用時間の確認は週1回に固定する(監視にしない)
自宅で難しければ環境を借りる
💬 「家では無理」は珍しくない
私が相談を受けるなかで一定数あるのが、「家にいる限りどうしても触ってしまう」というケースです。この場合、家庭内のルールを増やすより、触りにくい場所に身を置くほうが早いことが多いと感じています。学校の図書室、公共の学習スペース、塾の自習室などが候補になります。
自習環境の有無は、塾を選ぶときの判断材料にもなります。自習室が実際にどう運用されているかまで踏み込んだ分析は個別指導キャンパスの口コミ分析が参考になります。
複数の選択肢を横並びで比べたい場合は、学習塾・家庭教師のおすすめ比較で費用と指導形態の違いを整理しています。
塾に通わずに進めるなら、自宅の環境設計そのものが合否を左右します。具体的な進め方は塾なし高校受験の進め方でまとめています。
よくある質問
❓ Q1. 高校受験生のスマホは1日何時間までにすべきですか?
A. 仙台市教育委員会と東北大学加齢医学研究所の共同プロジェクトは、勉強以外のスマホ等の使用を「どんなに長くても1日1時間以内」にすることを推奨しています。ただしこれは仙台市の小中学生を対象にした調査に基づく目安であり、すべての生徒に当てはまる絶対的な基準ではありません。まずは現在の使用時間を1週間記録し、そこから段階的に短くしていく方が現実的です。
❓ Q2. 受験生のスマホは親が取り上げるべきですか?
A. 一律に取り上げることはおすすめしません。私が指導してきた範囲では、本人が納得しないまま没収された場合、隠れて使う・親子の会話が減る・勉強以外の相談ができなくなるといった副作用が出やすい印象があります。取り上げるかどうかではなく、本人と一緒に「置き場所」と「使う時間帯」を決めることを先に試すほうが、結果的に勉強時間を守れることが多いと考えます。
❓ Q3. スマホを勉強に使うのはありですか?
A. ありです。動画講義や英単語アプリ、学習記録アプリは受験勉強と相性が良い道具です。ただし通知が届く端末で学習することのリスクは残るため、機内モードにする、通知をオフにする、演習と丸つけは紙で行うといった条件をつけたうえで使うことをおすすめします。
❓ Q4. スマホを触ってしまうのを止められないときはどうすればいいですか?
A. 意志の力ではなく物理的な距離で解決するのが基本です。勉強中は別の部屋に置く、家族に預ける、電源を切って引き出しにしまうなど、手を伸ばしても届かない状態を作ってください。それでも難しい場合は、自習室や塾など「スマホを触りにくい環境」を借りるのが現実的な解決策になります。
❓ Q5. 入試当日にスマホを持っていってもいいですか?
A. 持ち込みの可否と会場でのルールは、都道府県・学校ごとに異なります。多くの会場では試験中の電源オフやカバンへの収納が求められ、違反は不正行為として扱われる場合があります。必ず受験校の募集要項と受験上の注意を確認し、当日は指示に従ってください。
❓ Q6. スマホをやめたら成績はすぐ上がりますか?
A. すぐに上がるとは言い切れません。仙台市の調査では、使用時間を減らした子どもの成績が改善する傾向も報告されていますが、これは集団としての傾向であり、個人の成績が何点上がるかを保証するものではありません。スマホの使用時間を減らして生まれた時間を実際の学習に充てられるかどうかが、成果を分けます。
まとめ:高校受験生のスマホは禁止より設計で決まる

🎯 この記事の結論
高校受験生のスマホは、取り上げるかどうかではなく、時間帯・置き場所・通知設定という3つの「設計」で結果が決まります。
- 中学生のインターネット平均利用時間は約5時間24分(こども家庭庁・令和7年度速報)
- 仙台市の大規模調査では、勉強2時間以上でもスマホ4時間以上の生徒の数学平均点は58点で、勉強していないがスマホを使わない生徒の63点を下回った
- 研究プロジェクトの推奨は勉強以外で1日1時間以内。ただし段階的に近づけるほうが定着しやすい
- 通知オフ・充電器の移動・勉強中は別室、の3つが最も実行しやすい対策
- 入試当日の持ち込みルールは学校ごとに異なるため、必ず要項で確認する
⭕ この記事の方針が合いやすい人
- 頭ごなしに禁止したくないが、今の使い方には不安がある
- 本人と話し合ってルールを決められる関係がある
- スマホを学習にも使いたいと考えている
📉 この記事だけでは足りない可能性がある人
- 使用時間が長く、生活リズムや心身の不調が出ている場合(学校や医療機関など専門家への相談を優先してください)
- すでに親子の対話が成立しにくくなっている場合(第三者の関与を検討する段階です)
- 入試まで残り期間が短く、学習計画そのものを立て直す必要がある場合
🔗 次に読むとよい記事
🎓 執筆者プロフィール
kou/教育系Webライター・プロ家庭教師(指導歴10年超)
中学生時代に早稲田アカデミーへ通い慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部に進学し、在学中は早稲田アカデミーで多数の受験生を指導しました。現在はフリーランスのプロ家庭教師として、中学受験・高校受験・大学受験に加え、中高一貫校生・浪人生・不登校の生徒・発達障害のある生徒の指導も担当しています。
この記事を書く理由:スマホと勉強の両立は、指導の現場で最も多く相談を受けるテーマの一つです。10年以上にわたって受験生本人と保護者の双方から話を聞いてきた立場として、禁止か放任かの二択ではない選択肢を、公的データとあわせて整理しました。特定のサービスから対価を受け取らず、いかなる教育機関にも忖度しない立場で執筆しています。
📝 調査概要
- 調査対象:高校受験生(中学生)のスマートフォン利用時間、利用実態と学力の関係に関する公的統計・研究報告
- 調査方法:公的機関の公表資料調査(こども家庭庁、仙台市)、大学の公表資料調査(東北大学)、著者の指導経験に基づく考察
- 調査実施日:2026年9月3日
- 情報の限界:著者はスマホ使用と学力の関係について独自の統計調査を実施していません。本文中の数値はすべて公表資料からの引用です。また、仙台市の調査は特定地域の児童生徒を対象としたものであり、全国のすべての受験生に同じ傾向が当てはまるとは限りません。時期別のスマホ運用や家庭内ルールに関する記述は、著者の指導経験に基づく考察であり、統計的に検証されたものではありません。入試当日のスマホの扱いは自治体・学校ごとに異なるため、個別の規定は確認できていません。
- 利益相反の有無:なし。本記事は特定の企業・サービスから対価や便宜の提供を受けておらず、広告も掲載していません。
📚 参考文献・引用元
🏷️ 更新情報
公開日:2026年9月3日/最終更新日:2026年9月3日
※情報変更があった場合は随時更新します。

