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山梨の高校受験を元塾講師が解説|前期後期と内申点の仕組み

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kou/教育系Webライター・プロ家庭教師
指導歴10年超。早稲田アカデミーに通い慶應義塾高等学校に進学、慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中は早稲田アカデミーで高校受験生を指導し、現在はフリーランスのプロ家庭教師として中学受験・高校受験・大学受験の指導にあたっています。

この記事を書く資格がある理由:公立高校入試の「学力検査+調査書」という判定構造と、面接・課題作文の指導は、私が講師として最も長く担当してきた領域です。本記事では、山梨県教育委員会の公表資料を一次情報として読み解いたうえで、指導者としての視点を加えて解説します。

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🎯 結論:山梨の高校受験は「前期・後期の二段構え」と「3年分の内申」で決まる

結論:山梨県の公立高校入試は、学力検査を行わない前期募集と、5教科500点の学力検査を課す後期募集の二段構えで組み立てられています。そして後期募集では、中学1年から3年までの評定が調査書として合否資料に加わり、しかも実技4教科が5教科より重く換算されます。つまり「中3の点数だけで逆転する」設計にはなっていません。

志望校の名前を決めることより先に、この2つの構造を理解しておくこと。それが山梨の高校受験でいちばん確実な出発点だと私は考えます。

📌 この記事でわかること

  • 山梨の高校受験の全体像(前期募集・後期募集・再募集の関係)
  • 後期募集の学力検査の配点と、調査書(内申点)の換算方法
  • 2027年度入試の日程と、解答時間の変更点
  • 調査書を使わない「特別選抜」という選択肢
  • 前期募集で受験生と保護者がつまずきやすい点
  • 教科別の優先順位と、中1・中2・中3の動き方

📚 執筆にあたっての立場と限界

私は山梨県内の教室で教壇に立った経験はありません。したがって本記事の制度解説は、山梨県教育委員会の公表資料および報道資料の調査に基づいて執筆しています。一方で、面接・課題作文の指導や、調査書と学力検査を組み合わせた公立入試の戦略設計については、私自身の指導経験に基づく見解として記述し、その旨を明示しています。特定の塾・高校から報酬を受けて執筆したものではありません。

  1. 山梨の高校受験の全体像|前期・後期の二段構えを最初に理解する
    1. 山梨の高校受験とは?公立入試は前期募集と後期募集の2回で構成される
    2. 前期募集は学力検査なし|自己推薦型で「入学を確約する」枠
    3. 後期募集は5教科500点|山梨の高校受験の本丸
  2. 山梨の内申点の仕組み|3年分・実技4教科3倍という県の特徴
    1. 内申点の計算方法は?中1から3年分が対象になる
    2. 実技4教科が3倍換算という設計から読み取れること
    3. 内申点と学力検査の比重をどう見るべきか?
  3. 2027年度入試の日程と変更点|解答時間と特別選抜に注目
    1. 前期・後期の日程はいつ?2027年度入試のスケジュール
    2. 4教科の解答時間が50分に変更される
    3. 調査書を使わない「特別選抜」という選択肢
  4. 山梨の高校受験でつまずきやすい点と注意すべきこと
    1. 前期募集を「腕試し」と考えることの危うさ
    2. 私立の選択肢が限られる地域で、併願設計をどう組むか?
    3. 内申が足りないときに取れる現実的な手
  5. 教科別の優先順位|山梨の出題構造から逆算する対策
    1. 国語の課題作文は「最後に伸びる」枠ではない
    2. 英語・数学を先に固めるべき理由
    3. 過去問と模試の使い方
  6. 今日から始める山梨の高校受験の進め方
    1. 中1・中2がやるべきこと
    2. 中3の時期別ロードマップ
    3. 塾・家庭教師・通信教育をどう選ぶか?
  7. よくある質問
  8. まとめ:山梨の高校受験は制度理解から始めるのが最短ルート

山梨の高校受験の全体像|前期・後期の二段構えを最初に理解する

🔰 まず押さえるべきこと

「山梨の高校受験」と検索したとき、多くの方がまず知りたいのは日程や偏差値ではなく、そもそもどういう仕組みで合否が決まるのかだと思います。山梨県の公立高校入試は、他県と比べても構造がはっきりしています。この章では、前期募集・後期募集・再募集という3つの入口を整理します。

山梨の高校受験とは?公立入試は前期募集と後期募集の2回で構成される

📋 山梨県公立高校入試の3つの入口

区分実施校主な検査
前期募集全日制課程を設置するすべての高校・学科面接(全員)+高校が定める検査(特色適性検査・特技・個性表現のいずれか)。学力検査は行わない
後期募集全日制課程を設置するすべての高校・学科5教科の学力検査+調査書。長期欠席者等を対象とした特別選抜も設定
再募集入学許可予定者が募集定員に満たない学科年度ごとに実施内容を決定

出典:山梨県教育委員会が公表する公立高等学校入学者選抜の実施要項・入試状況(2026年9月1日参照)

🔍 出願は1人1校1学科が原則

山梨県の公立高校入試では、出願は1人1校1学科が原則です。後期募集では、特定の高校・学科の組み合わせに限って第2希望の学科まで志望順位をつけられる場合があります。「複数校を併願して受かったところに行く」という発想は、少なくとも県内公立に関しては通用しません。前期・後期という2つの機会をどう使うかが、そのまま受験戦略になります。
なお、前期・後期という呼び方は全国共通の制度ではないため、他県の情報と混ざりやすい部分です。制度としての一般的な考え方は前期入試と後期入試の違いを整理した解説もあわせてご覧ください。

前期募集は学力検査なし|自己推薦型で「入学を確約する」枠

📌 前期募集の3つの特徴

  • 学力検査を行わない。面接は全員に実施され、これに加えて各高校長が必要と認めた場合に特色適性検査・特技(書類審査)・個性表現のいずれか(複数可)が課されます。
  • 中学校長の推薦は不要。各高校が定める出願の条件を満たせば、生徒自身の判断で出願できる自己推薦型です。一般的な推薦入試の仕組みとは出願要件の考え方が異なる点に注意してください。
  • 合格内定時の入学確約が条件。志願理由書と確約書を提出し、内定した場合は入学することが出願の前提となります。

🔢 前期募集で採用できる人数の上限

学科募集人員の上限
普通科募集定員の40%以内
理数科・文理科・英語理数科・探究科募集定員の40%以内
総合学科・職業に関する学科募集定員の50%以内

出典:山梨県教育委員会公表の入学者選抜基本事項(2026年9月1日参照)。年度により変更される可能性があります。

💬 講師として見た「学力検査なし」の意味

ここは誤解が起きやすいところなので、指導者としての見解を先に書いておきます。学力検査がないということは、学力が問われないという意味ではありません。前期募集の判定資料の中心は調査書、つまり日々の定期テストと授業態度の積み上げです。私がこれまで担当してきた生徒でも、推薦型の入試で結果を出した子はほぼ例外なく、中1・中2の定期テストを丁寧に取り切っていました。

むしろ前期募集は「入試当日に強い子」より「日常を積み上げてきた子」に有利な設計です。これは短期間の対策では動かしにくい部分であり、逆に言えば中1・中2の段階で最も差がつくポイントだと考えています。

後期募集は5教科500点|山梨の高校受験の本丸

📊 後期募集の学力検査(5教科・各100点)

教科配点特記事項
国語100点近年は課題作文を含む形式。出題形式は年度により変わり得ます
数学100点2027年度入試から解答時間が50分に
社会100点2027年度入試から解答時間が50分に
理科100点2027年度入試から解答時間が50分に
英語100点リスニングを含む。2027年度入試から解答時間が50分に

合計500点満点。学科によっては特定教科の傾斜配点が行われる場合があります。

⚠️ 倍率の見方には注意が必要です

山梨県教育委員会は出願状況を段階的に公表しており、志願変更前の倍率と最終倍率は一致しません。また、前期募集で内定した人数が後期募集の実質的な枠に影響するため、単純な倍率比較は判断を誤らせます。倍率という数字そのものの読み方は高校受験の倍率3種類の違いを整理した記事で詳しく扱っています。

山梨の内申点の仕組み|3年分・実技4教科3倍という県の特徴

🔍 この章の位置づけ

山梨の高校受験で、県外の情報をそのまま当てはめると最も危険なのが内申点です。対象学年も換算方法も都道府県によってまったく違うためです。ここでは公表されている換算の枠組みを整理したうえで、そこから何が読み取れるかを考えます。

内申点の計算方法は?中1から3年分が対象になる

🧮 後期募集における調査書の換算

区分換算1学年あたり
5教科(国数社理英)5段階評定 × 2倍50点
実技4教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)5段階評定 × 3倍60点
合計110点

この換算を中学1年・2年・3年の3学年分について行い、合計します。したがって単純計算で330点分が調査書の枠となります。

なお、この換算方式は入試情報を扱う各社が公表している整理に基づくもので、110点・330点という数値はそこから導いた計算値です。県教育委員会の原資料そのものを本記事で直接引用したものではありません。換算の細目は年度ごとの入学者選抜実施要項で定められ、2027年度(令和9年度)入試の実施要項は2026年10月に公表される予定です。数値を判断材料にする際は、必ず山梨県教育委員会 高校教育課の公表資料でご確認ください。

📊 後期募集の判定資料の重み(イメージ図)

後期募集:学力検査と調査書の点数規模 単位=点/調査書は5教科2倍・実技4教科3倍で3学年分を合計した場合 学力検査(5教科) 500 調査書(中1〜中3) 330 合計830点のうち調査書は約40%。中1の評定も同じ重みで加算されます。 学力検査500点=公表事項。調査書330点=換算方式からの計算値(本文の注記を参照)

実技4教科が3倍換算という設計から読み取れること

💡 「実技のほうが重い」県で、私が指導を組み替えてきた考え方

5教科が2倍、実技4教科が3倍。この一行が、山梨の高校受験のバランスを決めています。実技4教科は9教科のうち4教科しかないのに、1学年110点のうち60点、つまり調査書の半分以上を実技4教科が占める計算になります。

私は実技を重く扱う自治体の生徒も指導してきましたが、そこで痛感したのは「実技の評定は、努力の方向が正しければ最も上げやすい」ということでした。副教科は提出物・実技テスト・授業への取り組みという評価軸が明確で、5教科のように学力の積み上げを必要としない場面が多いからです。中3の秋になって5教科の偏差値を1上げるより、中2のうちに実技の評定を1つ上げるほうが、山梨においては確実で効率的だと私は考えます。

逆に言えば、「主要5教科は得意だが副教科は捨てている」タイプの生徒は、山梨の後期募集で最も損をします。ここは県外から転入してきたご家庭が見落としやすいポイントです。

📌 前期募集では換算方法が変わる

前期募集では、高校・学科・コース、選抜区分によって調査書の扱いが異なります。特定教科の倍率を大きくしたり、中3の評定のみを2倍にして学年間の比率を変えたりする学校もあります。「山梨の内申はこう計算する」と一本化して覚えるのではなく、志望校の募集要項単位で確認する必要があります。
内申点の対象学年が都道府県ごとにどれだけ違うかは、高校受験の内申点はいつの成績かを都道府県別に整理した記事にまとめています。

内申点と学力検査の比重をどう見るべきか?

⚠️ 「比重は同等」という説明を鵜呑みにしない

後期募集について「調査書と学力検査の比重は同等」という説明を目にすることがあります。これは民間の入試情報サイトが各校の選抜資料比重を一般化して整理した表現であり、県教育委員会が公式にそう表明しているものでも、すべての高校・学科で数値どおり半々になるという意味でもありません。実際の扱いは各年度の実施要項と各校の選抜方法に従います。

数字を扱う記事で私が最も避けたいのは、断定によって受験生の判断を誤らせることです。合否ラインの具体的な数値については、公表資料の範囲では学校別に確認できないため、本記事では推計値を示しません。中学校の進路指導で開示される資料と模試の判定を併用してください。

📝 情報の取り扱いについて

本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。制度の詳細は毎年更新されるため、最終的な判断は在籍中学校の進路指導担当と山梨県教育委員会の公表資料にご確認ください。

2027年度入試の日程と変更点|解答時間と特別選抜に注目

📅 この章で扱う範囲

山梨県教育委員会は2026年5月26日に、2027年度(令和9年度)入学者選抜の基本事項を公表しました。現在の中学3年生が対象となる入試です。ここでは公表されている日程と、受験生に実際の影響がある2つの変更点を整理します。

前期・後期の日程はいつ?2027年度入試のスケジュール

📊 2027年度(令和9年度)入試の主要日程

令和9年度 山梨県公立高校入試スケジュール 2026年10月 入学者選抜実施要項の公表(細目はここで確定) 2027年1月14日〜18日 前期募集の出願受付 2027年1月28日・29日 前期募集の検査(面接ほか) 2027年2月5日 前期募集 入学許可予定者の内定 2027年2月16日〜18日 後期募集の出願受付 2027年3月3日・4日 後期募集の学力検査(追検査は3月9日) 2027年3月11日 合格発表 出典:山梨県教育委員会が2026年5月26日に公表した令和9年度入学者選抜の基本事項(2026年9月1日参照)

❗ 実施要項の公表前であることに留意

上記は基本事項として公表された日程です。出願期間の時間区分や検査当日の細目を含む正式な内容は、2026年10月に公表される実施要項で確定します。願書提出に関わる手続きは必ず最新版で確認してください。

もう一点、混同しやすいのが2月上旬の扱いです。前期募集で2月に通知されるのは「入学許可予定者の内定」であり、正式な合格発表ではありません。前期・後期を通じた合格発表は3月に行われます。内定した時点で入学が実質的に決まるとはいえ、手続き上は別物として理解しておいてください。

4教科の解答時間が50分に変更される

🔺 2027年度入試からの変更点

2027年度入試より、学力検査の解答時間が変更され、社会・数学・理科・英語の4教科は各50分となることが公表されています。国語を含むそのほかの取り扱いについては、公表資料の範囲では確認できていません。詳細は2026年10月公表予定の実施要項で確定します。

✏️ 解答時間が延びると、何が変わるのか

「5分増えるだけ」と受け取る方が多いのですが、指導する側から見ると、これは対策の優先順位を変えうる変更です。制限時間が短い入試では「解ける問題を落とさない処理速度」が得点を決めます。一方、時間に余裕が生まれると、記述・思考を要する問題を最後まで詰め切れる受検生とそうでない受検生の差が開きます。

過去問演習をするとき、旧年度の45分設定のまま練習を積むと、本番との感覚がずれる可能性があります。私であれば、まず旧設定で速度を作り、直前期は新しい時間設定で「余った時間を見直しと記述の推敲にどう配分するか」を練習させます。ただし出題傾向そのものが変わるかどうかは公表資料からは判断できないため、ここは私の指導方針としての見解です。

調査書を使わない「特別選抜」という選択肢

⭕ 特別選抜のポイント

  • 対象:不登校をはじめ、病気・ヤングケアラーなど、中学校時代に長期にわたって欠席等をした生徒
  • 特徴:調査書を合否判定の資料に用いない
  • 選抜方法:5教科の学力検査と個人面接。学力検査には一般選抜を参考とした合格ライン(最低点)が設定される
  • 実施区分:後期募集(および定時制課程)
  • 提出書類:受検生本人が「特別選抜の出願に係る自己申告書」、在籍校の校長が「特別選抜出願資格確認書」を提出

令和7年度入試で後期募集に導入され、令和8年度入試からはすべての県立高校と甲府市立甲府商業高等学校で実施されています。

❌ 併願はできない

特別選抜と一般選抜(学力検査と調査書による選抜)は併願できません。出願時にどちらかを選ぶ必要があります。調査書が不利に働く状況にあるかどうか、学力検査で合格ラインに届く見込みがあるかどうかの両面から判断することになります。
欠席が多い状況での進路選択の考え方は不登校からの高校受験で内申・出席日数をどう扱うかをまとめた記事で詳しく整理しています。

💬 どちらを選ぶかを、私ならこう考えます

併願できない以上、この選択は出願の時点で一度きりです。私が相談を受けたなら、まず「調査書がどれだけ不利に働いているか」を数値で見えるようにします。欠席が多くても評定が保たれているなら、一般選抜のほうが有利に働く可能性が残ります。逆に、評定そのものが付いていない教科がある場合は、調査書を使わない選抜の意味が大きくなります。

もう一点、私が必ず確認するのは学力検査への準備状況です。特別選抜でも5教科の学力検査は課され、一般選抜を参考にした合格ラインが設定されます。「調査書を使わない」は「学力を問わない」ではありません。制度の存在を知って安心してしまい、9月以降の演習量が落ちるケースを私は最も警戒します。判断は必ず在籍中学校の進路担当と共有したうえで進めてください。

🏢 県外から山梨の公立高校を受ける場合

山梨県は前期募集で「全国募集」を実施しており、令和9年度入試では全日制課程の12校で行われます。学科ごとに数名程度の枠が設けられ、部活動の指定など条件が付く場合があります。対象校と条件は山梨県教育委員会の全国募集ページで毎年公表されます。県をまたぐ出願で確認すべき点は県外の高校受験の出願条件を整理した記事もあわせてご覧ください。

山梨の高校受験でつまずきやすい点と注意すべきこと

⚠️ この章は「都合の悪い話」を扱います

制度の説明だけを読むと、山梨の高校受験は分かりやすい仕組みに見えます。しかし実際には、この仕組みだからこそ起きる誤解と行き詰まりがあります。ここでは、私が公立入試の指導で繰り返し見てきたつまずきのパターンを、山梨の制度に当てはめて整理します。

前期募集を「腕試し」と考えることの危うさ

❌ 前期募集は「受かっても行かない」が成り立たない

前期募集の出願条件には、合格内定となった場合に入学を確約できることが含まれます。確約書を提出する制度である以上、「とりあえず上のレベルの学校に前期で挑戦し、内定したら考える」という使い方は想定されていません。

これは受検機会が2回あることのメリットと表裏一体です。前期募集で挑戦するなら、そこが第一志望であることが前提になります。

🗣️ 面接と志願理由書は「後付け」では通用しない

私は推薦型入試の面接指導を数多く担当してきましたが、志願理由書を1月に慌てて書き始めた生徒と、中2の段階から高校説明会に足を運んでいた生徒とでは、面接での受け答えの厚みが明確に違いました。前期募集は志望動機の明確さが出願条件に含まれる制度です。書類上の言葉は整えられても、面接で「なぜこの学校か」を自分の言葉で語れるかどうかは、準備期間の長さがそのまま出ます。

もし現在中1・中2で、前期募集を視野に入れているなら、今からできる最も効果的な準備は「志望校の学校説明会に行くこと」だと私は考えます。高校受験の面接で見られる観点と質問例を先に知っておくと、説明会での見方も変わります。

私立の選択肢が限られる地域で、併願設計をどう組むか?

🔺 首都圏の常識がそのままは通じない

山梨県は、首都圏のように私立高校が高密度に存在する地域ではありません。そのため「公立が第一志望、私立を複数併願して安全を確保する」という首都圏型の戦略が、そのままの形では組みにくい場合があります。通学時間の制約も現実的な検討材料になります。

私立各校の入試日程・出願条件は学校ごとに大きく異なり、本記事の調査範囲では網羅的に確認できていません。併願先の具体的な検討は、在籍中学校が持つ最新の私立入試資料を必ず参照してください。

📌 定員に満たなかった場合の受け皿

山梨県では、入学許可予定者が募集定員に満たない学科について再募集が実施されます。これは万一のときの重要な選択肢ですが、実施学科は年度ごとに異なり、事前には確定しません。二次募集の仕組みと出願条件を整理した記事で全体像を把握しておくと、いざというときに動きやすくなります。

内申が足りないときに取れる現実的な手

💬 中3の夏に「内申が足りない」と気づいたら

山梨の調査書は3年分が対象なので、中3の夏に気づいた時点では、すでに全体の3分の2が確定しています。ここで私が生徒に伝えてきたのは、次の3点です。

  • 中3の評定はまだ動く。3年分のうち1学年分は残っており、実技4教科は3倍換算です。ここを取りに行く価値は数字の上でも十分にあります。
  • 学力検査は500点ある。調査書の枠より学力検査のほうが点数規模が大きい構造です。逆転が制度上不可能というわけではありません。
  • 志望校の水準を1段下げる判断も、逃げではない。入学後に上位層で過ごせるかどうかは、その後3年間の学習意欲に直結します。

ただし、どこまで逆転可能かは志望校の選抜資料比重によって変わります。数値的な判断は模試の判定と中学校の進路資料に委ねるべきで、この記事で「何点差なら逆転できる」と示すことはできません。逆転合格が成立する条件を先に押さえたうえで、現実的な線を引いてください。

教科別の優先順位|山梨の出題構造から逆算する対策

🔍 この章の前提

ここからは、公表されている入試の構造(5教科各100点・英語にリスニング・2027年度からの解答時間変更)を踏まえ、指導者として私が優先順位をどう組むかを述べます。個々の出題内容についての予測は行いません。

あわせてお断りしておくと、本記事では高校別の難易度やボーダーの目安は扱いません。各校の選抜資料比重や合格最低点は公表資料から個別に確認できず、推計を示せば受検生の判断を歪めるおそれがあるためです。合否の見通しをどう捉えるかという考え方については、公立入試の実質倍率と落ちる確率の読み方が参考になります。

国語の課題作文は「最後に伸びる」枠ではない

✏️ 作文指導で私が最初に直させること

課題作文が出題形式に含まれている以上、これは配点上の「おまけ」ではありません。そして作文は、私の経験上、直前1か月で最も伸ばしやすい領域のひとつです。理由は単純で、多くの受検生が形式を守れていないからです。

指導で最初に直させるのは、内容ではなく構成です。設問が求めている型(意見と根拠か、体験と考察か)を読み違えたまま書き進める答案が非常に多い。ここを直すだけで、内容の良し悪しに関係なく減点が減ります。具体的な組み立て方は高校受験の作文で差がつく書き方にまとめました。

英語・数学を先に固めるべき理由

📋 積み上げ型と暗記型で扱いを変える

教科性質着手すべき時期の考え方
英語・数学積み上げ型。前の単元が抜けると後が崩れる最優先。中2までの穴を先に埋める
理科・社会単元独立型の要素が強い中3後半からでも得点を作りやすい
国語読解は伸びにくいが、作文・知識は対策可能作文と語句を先に取りに行く

💡 5教科均等配点だからこその落とし穴

各100点で均等配点という構造は、「苦手教科を放置した分だけ、そのまま失点になる」ことを意味します。得意教科を100点に近づける労力と、40点の教科を70点にする労力を比べれば、後者のほうが圧倒的に少ない。当たり前のようでいて、実際の受検生は得意教科の演習に時間を使いがちです。

私が生徒の学習計画を組むときは、まず5教科の得点をグラフにして、最も低い教科から時間を割り当てます。傾斜配点が設定されている学科を志望する場合のみ、この原則を修正します。

過去問と模試の使い方

📌 過去問は「実力測定」ではなく「形式適応」の道具

過去問は点数を測るために解くのではなく、時間配分と設問形式に体を慣らすために解くものです。とくに2027年度は解答時間の変更があるため、旧年度の問題を新しい時間設定で解き直す使い方が有効だと考えます。着手時期の目安は高校受験の過去問をいつから始めるべきかを整理した記事で解説しています。

今日から始める山梨の高校受験の進め方

🧭 学年別にやることは違います

ここまで読んで「で、今日から何をすればいいのか」と思われた方へ。山梨の入試構造は3年分の調査書を前提としているため、やるべきことは学年によってはっきり分かれます。

中1・中2がやるべきこと

🔢 中1・中2の3ステップ

① 定期テストを「入試の一部」として扱う
中1の評定がそのまま調査書に入ります。定期テストは内申点そのものだと考えて準備します。
② 実技4教科を戦略的に取りに行く
3倍換算である以上、提出物・実技テスト・授業態度は5教科の勉強と同じ優先度で扱う価値があります。
③ 高校説明会に足を運ぶ
前期募集を視野に入れるなら、志望動機は早く育てるほど強くなります。

中3の時期別ロードマップ

📅 中3の1年間の流れ(2027年度入試の場合)

時期やること
夏まで中2までの英語・数学の穴を埋める。実技4教科の評定を取りに行く
9〜10月実施要項の公表を確認。前期募集に出願するかを判断する
11〜12月理科・社会を集中的に仕上げる。志願理由書の準備を始める
1月前期募集の出願・検査。並行して後期の演習を止めない
2月後期募集の出願。過去問を新しい時間設定で回す
3月後期募集の学力検査、合格発表

前期募集に出願する場合でも、後期の学習は止めないことが鉄則です。内定が出るのは2月上旬で、そこから後期に切り替えるのでは間に合いません。

塾・家庭教師・通信教育をどう選ぶか?

🧭 選択肢ごとの向き・不向き

選択肢向いている状況
集団指導塾競争環境で伸びるタイプ。地域の入試情報を得たい場合
個別指導塾特定教科の穴が明確な場合。部活との両立が必要な場合
家庭教師通塾が難しい地域に住んでいる場合。完全個別の設計が必要な場合
通信教育・映像授業費用を抑えたい場合。自習の習慣がすでにある場合

通学時間が長くなりやすい地域では、教室の質だけでなく「往復にかかる時間」も判断材料に含めるべきだと私は考えます。

💬 私が選び方で最も重視していること

私は塾業界にいた立場から言いますが、指導形態そのものに優劣はありません。問題は「今のお子さんに足りていないものが、その形態で埋まるか」です。自習の習慣がない子に映像授業だけを与えても機能しませんし、自分で進められる子に週3回の集団授業は過剰です。

形態ごとの比較は学習塾・家庭教師を目的別に比較したランキング記事で整理しています。費用を抑えつつ自習中心で進めたい場合はスタディサプリ中学講座の実力と限界を、個別指導で費用と指導内容のバランスを見たい場合は1000件超の口コミを分析した個別指導キャンパスの評価を参考にしてください。

よくある質問

❓ Q1. 山梨の高校受験はチャンスが何回ありますか?

A. 山梨県の公立高校入試は前期募集と後期募集の2回で構成されています。前期募集はすべての全日制の高校・学科で実施され、内定にならなかった場合でも後期募集に出願できます。さらに、入学許可予定者が募集定員に満たない学科では再募集が行われます。ただし出願は1人1校1学科が原則で、私立の併願も含めた全体設計が必要です。

❓ Q2. 山梨の内申点は中学1年生から関係しますか?

A. 後期募集の調査書は中学1年から3年までの3年間の評定が対象です。5教科の評定を2倍、実技4教科の評定を3倍に換算して各学年の点数を出し、3学年分を合計する方式が採られています。中学1年の成績もそのまま合否資料に含まれるため、早い段階からの定期テスト対策と実技教科の取り組みが重要になります。

❓ Q3. 前期募集で内定しなかった場合、後期募集は受けられますか?

A. 受けられます。前期募集で内定にならなかった受検生は、改めて後期募集に出願する形になります。ただし前期募集は合格内定時に入学を確約することが出願条件のため、辞退を前提とした「腕試し受験」はできません。志願理由書と確約書を提出する制度である点を理解したうえで出願先を決める必要があります。

❓ Q4. 山梨の後期募集の学力検査は何点満点ですか?

A. 国語・数学・社会・理科・英語の5教科がそれぞれ100点で、合計500点満点です。英語にはリスニング、国語には課題作文が含まれます。学科によっては特定教科の傾斜配点が行われる場合があります。なお2027年度入試からは社会・数学・理科・英語の4教科の解答時間が各50分に変更されることが公表されています。

❓ Q5. 不登校や長期欠席があっても山梨の公立高校を受験できますか?

A. できます。山梨県では、不登校・病気・ヤングケアラーなど長期にわたって欠席した生徒を対象に、調査書を合否判定に用いない「特別選抜」が後期募集に設けられています。選抜は5教科の学力検査と個人面接で行われ、一般選抜との併願はできません。出願には自己申告書と、在籍校の校長が作成する出願資格確認書が必要です。

❓ Q6. 県外に住んでいても山梨の公立高校を受験できますか?

A. 山梨県は前期募集で「全国募集」を実施しており、県外からの受検を受け入れる高校・学科があります。対象校や募集人数、出願条件は年度ごとに山梨県教育委員会が公表しており、部活動などの条件が付く枠もあります。保護者の転居を伴わない出願が可能かどうかは高校ごとに条件が異なるため、募集要項の確認が必須です。

まとめ:山梨の高校受験は制度理解から始めるのが最短ルート

インフォグラフィック

🎯 この記事の要点

  • 山梨の公立高校入試は前期募集(学力検査なし・面接等)と後期募集(5教科500点)の二段構え
  • 前期募集は自己推薦型で、内定時の入学確約が出願条件。腕試しには使えない
  • 後期募集の調査書は中1〜中3の3年分。5教科2倍・実技4教科3倍という換算で、実技の比重が高い
  • 2027年度入試では社会・数学・理科・英語の解答時間が各50分に変更される
  • 長期欠席等がある場合は、調査書を用いない特別選抜という選択肢がある
  • 細目は2026年10月公表の実施要項で確定する。最終判断は必ず最新の公表資料で

✅ 山梨の公立入試で有利になりやすいタイプ

  • 定期テストを毎回きちんと積み上げてきた
  • 実技4教科の提出物・授業態度に手を抜いていない
  • 志望校が早い段階で定まっており、志望動機を語れる
  • 5教科に極端な苦手教科がない

❌ 対策の組み替えが必要なタイプ

  • 主要5教科は得意だが、副教科を軽視してきた
  • 中1・中2の評定が低く、中3の学力検査だけで挽回しようとしている
  • 前期募集を「受かったら考える」枠だと思っている
  • 県外の入試情報をそのまま山梨に当てはめている

いずれも今から修正が効きます。制度の理解が遅れているだけで、能力の問題ではありません。

🎓 執筆者プロフィール

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kou/教育系Webライター・プロ家庭教師
専門領域:中学受験・高校受験・大学受験、学習塾および個別指導の比較

中学生時代に早稲田アカデミーに通い、慶應義塾高等学校に進学。慶應義塾大学経済学部を卒業し、在学中は早稲田アカデミーで高校受験生の指導にあたりました。指導歴は10年を超え、中高一貫校生・浪人生・不登校の生徒・発達障害のある生徒の指導経験があります。現在はフリーランスの教育系Webライター兼プロ家庭教師として活動しています。

この記事を書く資格がある理由:「学力検査+調査書」で合否が決まる公立高校入試の設計、推薦型入試における面接・志願理由書の指導、課題作文の添削は、私が講師として継続的に担当してきた領域です。山梨県内での指導経験はないため、制度部分は県の公表資料を一次情報として読み解き、指導者としての見解は明確に区別して記述しました。

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公開日:2026年9月1日/最終更新日:2026年9月1日/※情報変更があった場合は随時更新します。

📝 調査概要

  • 調査対象:山梨県公立高等学校入学者選抜(前期募集・後期募集・特別選抜・全国募集)の制度、および2027年度(令和9年度)入試の公表済み日程
  • 調査方法:山梨県教育委員会の公表資料の調査、入試制度に関する報道資料の調査、著者の高校受験指導における業界知見
  • 調査実施日:2026年9月1日
  • 情報の限界:著者は山梨県内の教室で指導した経験がありません。県内の私立高校の入試日程・併願条件、高校別の合格ラインや選抜資料比重の具体的数値、2027年度入学者選抜実施要項(2026年10月公表予定)の内容は、本調査の範囲では確認できていません。国語の解答時間の変更有無についても公表資料からは確認できませんでした。また、調査書の換算(5教科2倍・実技4教科3倍・1学年110点)は入試情報各社が公表する整理に基づく数値であり、県教育委員会の原資料で直接確認したものではありません。学校訪問・関係者へのヒアリングは実施していません。
  • 利益相反の有無:なし。本記事は特定の学習塾・高校・企業から報酬や便宜の提供を受けて執筆したものではありません。アフィリエイト広告も掲載していません。