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中学受験の併願シミュレーション|日程と費用の組み方を元講師が解説

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kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
指導歴10年超。慶應義塾大学経済学部卒。在学中は早稲田アカデミーで多数の受験生を指導し、現在はフリーランスで中学受験から大学受験まで指導しています。

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公開日:2026年10月15日/最終更新日:2026年10月15日
※情報変更があった場合は随時更新します。

🎯 結論

結論:中学受験の併願シミュレーションは、「どこを受けるか」ではなく「合否が出るたびに次にどこへ行くか」と「最大でいくらかかるか」まで決めておくことが本質です。

偏差値表を眺めて受験校を並べるだけでは、入試本番の数日間に起きる「合格発表の夜に翌日の受験校を決める」「第一志望の発表前に入学金の締切が来る」といった場面に対応できません。この記事では、私が塾講師・家庭教師として受験生と保護者の方に伴走してきた経験をもとに、シミュレーションの手順を5つのステップに分けて解説します。

🔍 この記事で解決できる疑問

  • 併願シミュレーションでは、具体的に何を・どの順番で決めればよいのか
  • チャレンジ校・実力相応校・安全校は、どうやって振り分ければよいのか
  • 第一志望の結果次第で、翌日以降の受験校をどう切り替えればよいのか
  • 受験料と入学金は、最大でどのくらいかかる可能性があるのか
  • 併願でよくある失敗と、それを避ける方法

💬 読み終えたときに手元に残るもの

読み終えるころには、ご家庭で使える「受験ルート表」と「費用の上限額」を自分で作れる状態になっているはずです。私自身、受験生として慶應義塾高等学校の入試を経験し、講師になってからは中学受験・高校受験の生徒を指導してきました。本番の数日間は、大人が想像する以上に判断の余裕がなくなります。だからこそ「迷う場面を事前に減らしておく」ことが、シミュレーションの一番の価値だと考えています。

📝 この記事の前提と情報の限界

費用の数値は東京都の公表データ(令和8年度・都内私立中学校の平均)に基づく試算です。個別の学校の日程・受験料・入学金・手続締切は学校ごとに異なり、年度によって変わります。特定の塾や学校から対価を受け取って執筆したものではありません。

  1. 中学受験の併願シミュレーションとは?始める前に押さえる基本
    1. 併願シミュレーションとは「合否の分岐」と「費用・体力」を事前に試算すること
    2. チャレンジ校・実力相応校・安全校の3層で考える
    3. 首都圏の入試開始日と1月受験の位置づけ
  2. 併願シミュレーションのやり方5ステップ
    1. ステップ1:持ち偏差値と過去問の相性で候補校を振り分ける
    2. ステップ2:入試日・合格発表・手続締切を一覧にする
    3. ステップ3:合否で分岐する受験ルート表を作る
    4. ステップ4:受験料と入学金の上限を試算する
    5. ステップ5:移動時間と体力を確認する
  3. 併願パターンの比較と選び方
    1. 挑戦型・バランス型・堅実型の3パターン比較
    2. 午後入試を入れる・入れないの判断基準
    3. 併願校選びで偏差値以外に見るべきポイント
  4. 中学受験の併願にかかる費用シミュレーション
    1. 東京都の私立中学の受験料と入学金の平均額
    2. 受験回数と押さえ校の数で変わる総額の試算
    3. 入学金の負担を抑えるための考え方
  5. 元塾講師が見てきた併願の失敗パターンと注意点
    1. 偏差値上は安全でも不合格になる「相性」の落とし穴
    2. 合格がないまま2月3日以降に進む危うさ
    3. 受験校を増やしすぎることのデメリット
    4. シミュレーションで決めきれないこと
  6. 中学受験の併願シミュレーションでよくある質問
    1. 中学受験の併願校は何校受けるのがよいですか?
    2. 併願シミュレーションはいつから始めればよいですか?
    3. 安全校は偏差値をどのくらい下げればよいですか?
    4. 午後入試は受けたほうがよいですか?
    5. 入学金を払った学校を辞退したら返ってきますか?
    6. 第一志望に不合格だった日の夜はどうすればよいですか?
  7. 今日からできる併願シミュレーションの第一歩
    1. 時期別にやること(6年生の夏〜入試直前)
    2. 塾の先生との面談で確認したい5つのこと
  8. まとめ:中学受験の併願シミュレーションは「分岐」と「費用」まで決めて安心をつくる

中学受験の併願シミュレーションとは?始める前に押さえる基本

📌 この章でわかること

首都圏の中学入試は、1月から2月上旬までの短い期間に、複数の学校を続けて受けるのが一般的な形です。この章では、併願シミュレーションの定義と、受験校を振り分けるための基本的な考え方を整理します。

併願シミュレーションとは「合否の分岐」と「費用・体力」を事前に試算すること

📋 定義

中学受験の併願シミュレーションとは、第一志望を含む複数の受験校について、入試日・合格発表・入学手続締切を一覧にし、合否の結果ごとに次の受験校と必要な費用をあらかじめ決めておく作業のことです。

単に「受ける学校のリスト」を作るのではなく、「2月1日に不合格だったら2月2日はどこへ行くか」「合格したら入学金を納めるか」といった分岐まで想定する点がポイントです。

チャレンジ校・実力相応校・安全校の3層で考える

📊 受験校の3つの役割

区分位置づけ役割
チャレンジ校現在の偏差値より上第一志望・上位校への挑戦
実力相応校現在の偏差値と同程度実力どおりの合格を狙う本命層
安全校(押さえ校)現在の偏差値より下「合格を1つ持つ」安心の確保

模試各社は、志望校ごとに「合格可能性80%」などの基準偏差値を示しています。お子さんの偏差値と各校の基準を比べると、どの層に入るかを判断しやすくなります。偏差値表の読み方は、模試4社の偏差値の違いと見方で詳しく解説しています。

💡 元塾講師の視点:「偏差値」は1回分ではなく平均で見る

指導の現場で保護者の方とお話しすると、直近1回の模試結果で受験校を上げ下げしてしまうケースがよくありました。模試の偏差値は回ごとに数ポイント上下するのが普通です。私は、直近3〜4回の平均を「持ち偏差値」として3層の振り分けに使うようお伝えしています。1回の好結果で安全校を外してしまうのが、最も避けたい判断です。

首都圏の入試開始日と1月受験の位置づけ

📋 首都圏の私立中学の入試開始日(例年の目安)

地域入試開始日の目安2027年入試の曜日
埼玉県1月10日以降1月10日(日)
千葉県1月20日以降1月20日(水)
東京都・神奈川県2月1日以降2月1日(月)

東京都・神奈川県在住のご家庭では、埼玉・千葉の1月入試を「本番の予行」と「合格を1つ持つ安心」のために受けるケースが多く見られます。各校の具体的な入試日は、首都圏・関西の入試日程一覧でまとめています。

📝 日程に関する注記

入試開始日は例年の慣行に基づく目安で、2027年入試の曜日は暦から算出したものです。個別の学校の入試日は年度ごとに変わります。必ず各校の募集要項でご確認ください。

💬 元塾講師の視点:1月受験は「結果」より「その後の過ごし方」

1月受験の価値は、合格を1つ持てることだけではありません。試験会場の空気や、休み時間の過ごし方を本番前に一度体験できることも大きな意味があります。一方で、1月に思うような結果が出なかった場合に2月まで気持ちを立て直す時間を、ルート表の中であらかじめ確保しておくことも大切だと考えています。

また、東京都立の中高一貫校は例年2月3日に適性検査を行います。公立中高一貫校を併願する場合、私立の手続締切のほうが公立の合格発表より先に来ることがあるため、入学金を納めるかどうかの判断がより早く必要になる点に注意してください。

併願シミュレーションのやり方5ステップ

📌 この章でわかること

「何から手をつければいいのかわからない」という声は、毎年のように聞きます。ここでは、私が保護者の方に実際にお伝えしている順番で、併願シミュレーションの作り方を5つのステップに分けて解説します。

🔰 併願シミュレーションの全体像

① 候補校を3層に分ける(持ち偏差値と過去問の相性で判断)
② 日程・発表・手続締切を一覧にする(1校ごとに4つの日時を書き出す)
③ 合否で分岐するルート表を作る(合格時・不合格時の翌日の行き先を決める)
④ 費用の上限を試算する(受験料+押さえ校の入学金)
⑤ 移動時間と体力を確認する(午後入試・連続受験の可否を判断)

ステップ1:持ち偏差値と過去問の相性で候補校を振り分ける

📋 振り分けの手順

  1. 直近3〜4回の模試の平均偏差値を「持ち偏差値」として出す
  2. 候補校を、持ち偏差値より上・同程度・下の3層に分ける
  3. 各層の学校で過去問を1年分解き、合格最低点との差を確かめる
  4. 差が大きくマイナスの学校は層を1つ上に、安定して上回る学校は1つ下に見直す

過去問をいつから何年分解くかは、過去問の時期と解き方を参考にしてください。

ステップ2:入試日・合格発表・手続締切を一覧にする

📋 1校ごとに書き出す4つの日時

項目書き出す内容見落としやすい点
出願期間Web出願の開始日と締切当日出願ができない学校がある
入試日・時間午前か午後か、集合時刻同じ学校で複数回の入試がある
合格発表日付と時刻当日夜か翌日かで翌日の判断が変わる
入学手続締切入学金の納入期限第一志望の発表より前に締切が来る

出願を検討する時期には、各校の出願状況の読み方も判断材料になります。

💡 元塾講師の視点:最も大事な列は「手続締切」

入試日と合格発表だけを並べた一覧表は、よく目にします。しかし、シミュレーションで本当に効いてくるのは入学手続締切の列です。安全校の締切が第一志望の発表より前に来る場合、「入学金を納めて押さえるかどうか」を先に決めなければなりません。この判断を本番中に迫られると、ご家庭の中で意見が割れやすくなります。

ステップ3:合否で分岐する受験ルート表を作る

📊 受験ルートの分岐イメージ

中学受験の併願ルート分岐図(例)併願ルートの分岐例(東京・神奈川在住の場合)1月:前受け校(安全校)本番の予行と合格の確保2/1午前:第一志望A(チャレンジ)2/1午後:実力相応B(任意)2/1夜:A・Bの結果は?ここで迷わないよう事前に決めるA合格A不合格2/2以降受験を終えるまたは上位校に挑戦Aの手続締切を最優先2/2午前実力相応C(Bも不合格なら午後に安全D)2/3以降A校2回目入試または安全E費用の分岐点押さえ校の入学金を納めるかを事前に決定※A〜Eは説明のための架空の学校です。実際の日程・発表時刻・手続締切は各校の募集要項で確認作成:元塾講師のひとりごと(2026年10月)

📋 受験ルート表の書き方(記入例)

日付基本ルート前日までの結果で変える場合
1月中旬前受け校(安全)不合格なら2月の安全校を1校追加
2/1午前第一志望A―
2/1午後実力相応B体調が悪ければ欠席
2/2午前実力相応CA合格なら受験せず終了も可
2/2午後(空き)A・Bとも不合格なら安全D
2/3以降A校2回目合格がなければ安全Eに切り替え

ポイントは、右端の列を「その場で考える」のではなく、出願前に家族で合意しておくことです。出願は複数校に済ませておき、受けなかった学校は欠席とする方法をとるご家庭も多くあります。

ステップ4:受験料と入学金の上限を試算する

💰 費用の考え方

併願で必要になる費用は、大きく「受験料(検定料)×受験回数」と「押さえ校に納める入学金」の2つです。具体的な金額の試算は、後の「費用シミュレーション」の章で東京都の公表データを使って示します。

ステップ5:移動時間と体力を確認する

⚠️ 確認しておきたい3点

  • 午前校から午後校への移動時間:昼食をとる時間を含めて、集合時刻に余裕をもって間に合うか
  • 連続受験の日数:何日続けて受験しても集中力を保てそうか
  • 合格発表の確認方法:夜の発表をだれが、どの端末で確認するか

💬 元塾講師の視点:子どもの「疲れ方」は事前にわかる

連続受験に耐えられるかどうかは、本番前でもある程度わかります。たとえば、模試や過去問演習を1日に2本続けて解いたとき、2本目の得点がどれだけ落ちるかは一つの目安になります。2本目で大きく崩れるお子さんの場合、午後入試を入れる前に慎重に考えたほうがよいと私は考えています。

併願パターンの比較と選び方

📌 この章でわかること

同じ持ち偏差値のお子さんでも、ご家庭の方針によって適した組み方は変わります。ここでは代表的な3つのパターンを比べ、どのような家庭に向いているかを整理します。

挑戦型・バランス型・堅実型の3パターン比較

🆚 併願パターンの比較

パターン組み方の特徴利点注意点
挑戦型チャレンジ校を多めに入れる上位校の合格の可能性を広げられる不合格が続くと精神的な負担が大きい
バランス型3層を均等に配置する結果に応じた切り替えがしやすい受験回数が増え、費用がかさみやすい
堅実型早い日程に安全校・相応校を集める早めに合格を確保できる上位校に挑戦する機会が減る

※パターン名は本記事での説明のための分類です。

午後入試を入れる・入れないの判断基準

✅ 午後入試を検討しやすいケース

  • 午前校から30〜40分程度で移動できる学校がある
  • 2本続けて問題を解いても得点が大きく落ちない
  • 2月1日・2日の早い段階で合格を確保しておきたい

❌ 午後入試を慎重に考えたいケース

  • 移動に1時間以上かかり、昼食や休憩の時間がとれない
  • 午前の結果を気にして、気持ちの切り替えが苦手
  • 翌日も朝から第一志望級の学校を受ける予定がある

併願校選びで偏差値以外に見るべきポイント

✏️ 元塾講師の視点:安全校こそ「通いたいか」で選ぶ

安全校は「受かるための学校」と考えられがちです。しかし、第一志望に届かなかった場合、6年間通う可能性が最も高いのは安全校や実力相応校です。私は、安全校こそ説明会や学校行事に足を運び、お子さんが「ここなら通ってもいい」と思える学校を選ぶことをおすすめしています。入学後の気持ちの立て直しが、まったく違ってくるからです。

また、倍率の数字にも注意が必要です。出願者数をもとにした倍率と、実際の受験者・合格者で計算した倍率は大きく異なることがあります。詳しくは実質倍率と出願倍率の違いで解説しています。

中学受験の併願にかかる費用シミュレーション

📌 この章でわかること

東京都の私立中学校の受験料は、1回あたり平均で約2.4万円です。受験回数が増えるほど費用は積み上がり、押さえ校の入学金を納めるかどうかで総額は大きく変わります。この章では、公表データをもとに具体的な金額を試算します。

東京都の私立中学の受験料と入学金の平均額

💰 令和8年度 都内私立中学校の学費の平均額

項目平均額
検定料(受験料)23,895円
入学金263,929円
授業料(年額)524,818円
初年度納付金の総額1,048,034円

出典:東京都「令和8年度 都内私立中学校の学費の状況」(2026年10月15日参照)。初年度納付金の総額は施設費・その他の費用を含みます。

受験回数と押さえ校の数で変わる総額の試算

🧮 併願パターン別の費用試算

併願パターン別の受験料と入学金の試算併願パターン別の費用試算受験料押さえ校の入学金5回受験入学金なし約11.9万円5回受験押さえ1校約38.3万円7回受験押さえ1校約43.1万円9回受験押さえ2校約74.3万円受験料23,895円×回数+入学金263,929円×校数で算出出典:東京都 令和8年度 都内私立中学校の学費(平均額)

🧮 受験回数別の費用一覧(平均額での試算)

受験回数受験料の合計押さえ1校の入学金を加えた場合
3回71,685円335,614円
5回119,475円383,404円
7回167,265円431,194円
9回215,055円478,984円

学校によっては、複数回の入試に同時出願すると受験料を割り引く制度を設けている場合があります。実際の金額は、受ける学校ごとに積み上げて計算してください。

📝 費用情報についての注記

本記事の費用情報はあくまで目安です。実際の料金は各学校の募集要項または直接のお問い合わせでご確認ください。記事掲載時点の情報であり、変更の可能性があります。

入学金の負担を抑えるための考え方

💡 元塾講師の視点:入学金は「保険料」と割り切れるか

押さえ校の入学金は、第一志望に合格すれば使わないお金になる可能性があります。私は保護者の方に、「この学校の入学金は、第一志望の結果が出るまでの安心を買う保険料と割り切れるか」を事前に話し合っておくようお伝えしています。割り切れないのであれば、手続締切が第一志望の発表より後に来る学校を安全校に選ぶ、という組み方もあります。

なお、入学金の延納や分納の制度を設けている学校もありますが、扱いは学校ごとに異なります。塾代を含めた受験全体の費用感は、大手4塾の月謝と3年総額で整理しています。

元塾講師が見てきた併願の失敗パターンと注意点

📌 この章でわかること

入念に準備したつもりでも、併願の組み方で苦しくなるご家庭はあります。ここでは、私が指導の中で繰り返し見てきた失敗の型と、それを避けるための考え方をお伝えします。

偏差値上は安全でも不合格になる「相性」の落とし穴

⚠️ 注意点

偏差値は、模試の問題に対する相対的な位置を示す数字です。学校ごとに出題形式や配点は大きく異なるため、記述問題が多い学校や、算数の配点が高い学校など、お子さんの得意・不得意と合わない学校では、偏差値上の「安全」が成り立たないことがあります。安全校こそ、過去問で合格最低点を安定して上回れるかを確かめてください。

合格がないまま2月3日以降に進む危うさ

❌ 避けたい組み方

  • 2月1日・2日をすべてチャレンジ校で埋めている
  • 1月受験をしておらず、2月に入るまで合格が1つもない
  • 後半日程の学校ほど募集人数が少ないことを考慮していない

不合格が続いた状態で後半日程を迎えると、お子さんの精神的な負担はとても大きくなります。早い日程で安全校の合格を1つ持てる並びにしておくことが、後半の挑戦を支える土台になります。

💬 元塾講師の視点:子どもの表情を左右するのは「1つ目の合格」

受験期の生徒を見てきて強く感じるのは、1つでも合格を持っているかどうかで、翌日以降の表情や集中の仕方がまったく変わるということです。逆に、不合格が続くと実力相応校でも本来の力を出せなくなることがあります。併願シミュレーションでは、学校の並び順そのものが、お子さんの心の支えになると考えてください。

万が一すべて不合格になった場合の考え方は、全落ちした直後の行動でまとめています。不安をあおる意図はありませんが、最悪の場合を知っておくことで、かえって落ち着いて組み方を考えられるようになります。

受験校を増やしすぎることのデメリット

📉 受けすぎの3つのデメリット

  • 体力と集中力の消耗:連日の受験で、本命校の日に疲れが出る
  • 費用の増加:受験料と入学金が積み上がる
  • 過去問対策が浅くなる:1校あたりにかけられる演習時間が減る

シミュレーションで決めきれないこと

❗ シミュレーションの限界

模試の合格可能性は、あくまで確率です。どれほど丁寧にシミュレーションしても、当日の体調や問題との相性で結果は変わります。また、各校の受験者数は年度によって変動するため、例年どおりの難易度になるとは限りません。さらに、繰り上げ合格の連絡時期や方法も学校ごとに異なり、他校の入学金を納めた後に連絡が来ることもあります。シミュレーションは「結果を当てる」ためではなく、どの結果になっても慌てずに動けるようにするための準備だと考えてください。

📝 進路選択についての注記

本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。個別の受験校の判断は、通っている塾の先生など、お子さんの成績を把握している方にもご相談ください。

中学受験の併願シミュレーションでよくある質問

📌 この章でわかること

保護者の方から実際によくいただく質問をまとめました。迷いやすいポイントを、短く端的にお答えします。

中学受験の併願校は何校受けるのがよいですか?

❓ 回答

決まった正解はありません。大切なのは校数よりも「合格を確保する順番」です。私は、第一志望の発表前か直後に安全校の合格を1つ持てる並びになっているかを最優先で確認するようお伝えしています。そのうえで、お子さんの体力と費用の上限から受験回数を決めるのが現実的です。

併願シミュレーションはいつから始めればよいですか?

❓ 回答

6年生の夏までに候補校を広めに挙げ、9〜11月の模試結果で3層に絞り、12月中に出願校と合否別のルートを確定させる流れが目安です。出願期間は学校ごとに異なるため、候補校の募集要項が公開されたら早めに日程を一覧にしてください。

安全校は偏差値をどのくらい下げればよいですか?

❓ 回答

私の目安は、直近数回の模試の平均偏差値から5〜10程度下の学校です。ただし偏差値だけで判断せず、過去問で合格最低点を安定して上回れるかも必ず確かめてください。問題との相性が悪いと、偏差値上は安全でも不合格になることがあります。

午後入試は受けたほうがよいですか?

❓ 回答

早い日程で合格を確保できる点は大きな利点ですが、午前入試のあと移動して再び試験を受けるため、体力の消耗も大きくなります。移動時間が短く、お子さんが連続受験に耐えられそうな場合に検討するのがよいと考えます。

入学金を払った学校を辞退したら返ってきますか?

❓ 回答

入学金は辞退しても返還されない扱いの学校が多いため、納める前提で費用を試算しておくのが安全です。一方で、入学金の延納や分納の制度を設けている学校もあります。扱いは学校ごとに異なるので、必ず各校の募集要項で確認してください。

第一志望に不合格だった日の夜はどうすればよいですか?

❓ 回答

その夜に新しく考え直すのではなく、事前に作った合否別ルートに沿って翌日の受験校を確定させることが大切です。動揺した状態での判断は誤りやすいため、出願と持ち物の準備を含めて、不合格時のルートも前もって決めておいてください。

今日からできる併願シミュレーションの第一歩

📌 この章でわかること

入試本番まで残された時間は、学年や時期によって異なります。ここでは、時期ごとに取り組むことと、塾の先生との面談で確認したいことを整理します。

時期別にやること(6年生の夏〜入試直前)

🔰 時期別のステップ

① 6年生の夏まで:候補校を広めに挙げ、説明会や学校行事で雰囲気を確かめる
② 9〜11月:模試の平均偏差値と過去問の手ごたえで3層に振り分ける
③ 12月:出願校を確定し、合否別の受験ルート表と費用の上限を家族で共有する
④ 1月〜入試直前:1月受験の結果を受けてルートを最終調整し、出願・持ち物を準備する

学年ごとの準備の全体像は、学年別の中学受験ロードマップで確認できます。

塾の先生との面談で確認したい5つのこと

🧭 面談チェックリスト

  • 持ち偏差値から見て、各候補校はどの層に入るか
  • 過去問の得点から見て、相性の悪い学校はないか
  • 2月1日・2日の並びで、合格を1つ確保できる見込みがあるか
  • 午後入試を入れるべきか、お子さんの体力面での見立て
  • 第一志望が不合格だった場合の翌日のルート

💬 元塾講師の視点:面談には「ルート表の下書き」を持っていく

講師の立場から言うと、保護者の方が受験ルート表の下書きを持ってきてくださると、面談の中身がぐっと具体的になります。「この並びで問題ないか」「この日は空けるべきか」と、短い面談時間でも核心の相談ができるからです。

塾に通っていない、または家庭学習が中心のご家庭では、併願の相談相手がいないことが悩みになりがちです。家庭学習中心での中学受験の可能性はスタサプで中学受験ができるかの検証で検証しています。

個別に相談できる指導者を探す場合は学習塾・家庭教師の比較ランキングで整理しています。

まとめ:中学受験の併願シミュレーションは「分岐」と「費用」まで決めて安心をつくる

🎯 この記事のまとめ

  • 併願シミュレーションは、受験校の一覧ではなく合否ごとの分岐と費用まで決める作業
  • 受験校は、模試の平均偏差値と過去問の相性でチャレンジ・実力相応・安全の3層に分ける
  • 一覧表では入学手続締切の列を最も重視する
  • 東京都の平均額で試算すると、受験料は1回約2.4万円、入学金は1校約26.4万円
  • 早い日程で合格を1つ持てる並びが、後半の挑戦を支える

本番の夜に迷わないよう、ルート表と費用の上限を12月までに家族で共有しておくことが、シミュレーションの最大の目的です。

📋 併願の組み方のタイプ別チェックリスト

こんなご家庭は向いている組み方
上位校への挑戦を最優先したい挑戦型(ただし1月か2月1日に安全校を必ず入れる)
結果に応じて柔軟に切り替えたいバランス型
早く合格を確保して落ち着きたい堅実型
連続受験で疲れやすいお子さん午後入試を減らし、受験日数を絞る
入学金の負担をできるだけ抑えたい手続締切が遅い学校を安全校に選ぶ

🎓 著者プロフィール

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kou|教育系Webライター・プロ家庭教師

  • 指導歴10年超
  • 中学生時代に早稲田アカデミーへ通い、慶應義塾高等学校に合格
  • 慶應義塾大学経済学部卒業
  • 在学中、早稲田アカデミーで多数の受験生を指導
  • 現在はフリーランスのプロ家庭教師として、中学受験・高校受験・大学受験・中高一貫校・浪人生・不登校・発達障害のお子さんの指導経験あり

この記事を書く理由:受験生として入試本番を経験し、講師としても受験校選びに悩むご家庭と向き合ってきました。どの塾・学校にも偏らない立場から、併願の判断材料を正直にお伝えしたいと考えて執筆しています。

プロフィール|運営理念|プライバシーポリシー|お問い合わせ

📝 調査概要

  • 調査対象:首都圏の私立中学入試における併願の組み方と費用
  • 調査方法:公的機関の公表資料の調査/著者の指導経験と業界知見
  • 調査実施日:2026年10月15日
  • 情報の限界:個別の学校の入試日・合格発表時刻・手続締切・入学金の延納制度は調査していません。費用は東京都の平均額による試算であり、神奈川・埼玉・千葉の学校や個別校の金額とは異なります。首都圏全体の受験者数や平均受験校数については、公的な統計を確認できなかったため記載していません。
  • 利益相反の有無:なし(本記事に広告は掲載していません)

📚 参考文献・引用元

🏷️ 記事情報

公開日:2026年10月15日/最終更新日:2026年10月15日
※情報変更があった場合は随時更新します。