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高校受験の英語勉強法|元塾講師が教える正しい順番と時期別対策

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kou|教育系Webライター・プロ家庭教師
指導歴10年超。中学生時代に早稲田アカデミーへ通い慶應義塾高等学校に合格、慶應義塾大学経済学部を卒業。在学中は早稲田アカデミーで多数の高校受験生を指導しました。高校受験の英語を、教わる側と教える側の両方で経験していることが、この記事を書く根拠です。

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🎯 結論

結論:高校受験の英語は「単語 → 文法 → 短文の精読 → 長文 → リスニング」の順で積み上げるのが最短です。この順番を守れば、たとえ中3の夏からでも英語は動きます。逆に、順番を飛ばして長文演習から入った受験生は、演習量のわりに点数が伸びません

📌 この記事で解決できること

  • 高校受験の英語がどんな試験で、どこに配点が集まっているのか
  • 勉強しているのに英語だけ伸びない原因はどこにあるのか
  • 単語・文法・長文・リスニング・英作文を、どの順番でどう進めるか
  • 中1から入試直前期まで、時期ごとに何をやるべきか
  • やりがちな失敗と、英検・塾・教材との付き合い方

読み終えたときに、「今の自分は次に何をやればいいのか」が一つに絞れている状態を目指して書きました。

🏷️ 執筆の前提と情報の限界

本記事は、私自身の高校受験経験と早稲田アカデミーでの指導経験、およびプロ家庭教師としての指導経験に基づいて書いています。制度・データについては文部科学省および国立教育政策研究所の公開情報を参照し、参照日を明記しました。全国すべての都道府県の入試問題を網羅的に分析したわけではないため、出題形式や配点の細部は志望校・自治体の公式情報で必ずご確認ください。本記事に関して、特定の企業・団体からの依頼や金銭の授受はありません。

慶應義塾大学経済学部在籍当時の学生証

慶應義塾大学経済学部在籍当時の学生証

私の早稲アカ講師時代の給与明細

早稲アカで働いていた証明として、当時の給与明細を載せておきます。

  1. 高校受験の英語はどんな試験か?|出題構成と配点の全体像
    1. 高校受験の英語とは?問われているのは「処理速度を伴う運用力」
    2. 公立高校と私立高校で出題の重心は変わる
    3. リスニングとスピーキングの扱いは自治体で異なる
  2. 高校受験の英語が伸びない3つの原因|公的データが示すつまずき
    1. データで見る中学生の英語|「話す」「書く」が突出して低い
    2. 原因1|単語を「読める」で終わらせている
    3. 原因2|文法を「穴埋め問題」としてしか触っていない
    4. 原因3|長文を「和訳作業」にしている
  3. 高校受験の英語勉強法は「順番」で決まる|積み上げの5ステップ
    1. 高校受験の英語を伸ばす5ステップ
    2. 1日の学習配分の目安
  4. 分野別の高校受験英語対策|単語・文法・長文・リスニング・英作文
    1. 英単語|1冊を高速で何周も、必ず音声つきで
    2. 文法|中1から通しでやり直し、ランダム出題で確認する
    3. 長文読解|「戻り読み」をやめる訓練から
    4. リスニング|聞き流しではなく、聞き取れなかった箇所の特定を
    5. 英作文|「書ける型」を10個持っておく
  5. 時期別の高校受験英語の学習計画|中1から入試直前まで
    1. 中1・中2|受験勉強ではなく「定期テストで英語を落とさない」
    2. 中3・1学期〜夏|基礎の総ざらいに全力を使う
    3. 秋〜直前期|過去問と失点パターンの潰し込み
    4. 今日からできる最初の一歩
  6. 高校受験の英語対策でやりがちな失敗と注意点
    1. 英検を取れば安心とは限らない
    2. 教材・塾を増やしても、英語は伸びない
    3. この勉強法が向いていない人
  7. よくある質問
  8. まとめ:高校受験の英語は順番と積み上げで伸ばす

高校受験の英語はどんな試験か?|出題構成と配点の全体像

📋 この章でお伝えすること

「英語の勉強法」を考える前に、そもそも入試の英語が何を測っているのかを押さえておく必要があります。ここを誤解したまま勉強すると、努力の方向がずれます。まずは試験そのものの構造から整理します。

高校受験の英語とは?問われているのは「処理速度を伴う運用力」

🔍 一言でいうと

高校受験の英語とは、中学3年間で学ぶ語彙と文法を、制限時間内に読む・聞く・書くの形で運用できるかを測る試験です。

知識を持っているかどうかではなく、その知識を試験時間内に取り出せるかが問われます。

ここが英語という科目の特殊なところです。数学なら、時間をかければ解ける問題は「あと少し」の状態です。しかし英語は、単語の意味を思い出すのに3秒かかる状態が100語続けば、それだけで5分が消えます。知識の有無ではなく、知識の取り出し速度が点数を決める科目だと考えてください。

公立高校と私立高校で出題の重心は変わる

🆚 志望校タイプ別・出題の重心

志望校タイプ出題の重心対策の優先順位
公立高校(一般入試)教科書範囲内の語彙・文法。長文とリスニングの比重が大きい基本語彙の定着 → 読解速度
公立高校(自校作成問題)長文の分量が多く、記述・英作文が重い速読力 → 英作文の型
私立高校(一般入試)学校ごとの癖が強い。文法単独問題や語彙レベルが高い学校も過去問による形式適応

この表は、私が指導で扱った受験生の志望校の答案と過去問という限られた範囲での傾向であり、全国の入試問題を横断的に分析したものではありません。特に私立は学校ごとの差が大きく、一般論だけで対策を組むと外します。必ず志望校の過去問そのもので確認してください。

💬 私が現場で最初に確認していたこと

新しく英語を担当する受験生に対して、私が最初にやっていたのは「志望校の過去問を1年分、時間を計らずに解かせる」ことでした。時間を外すのがポイントです。時間無制限で解けるのに本番で解けないなら課題は処理速度、時間無制限でも解けないなら課題は知識で、対策がまったく変わるからです。

この切り分けをせずに「とにかく長文をたくさん」と指示するのは、指導としては雑だと私は考えています。実際、時間無制限なら8割取れる生徒に長文演習を追加しても伸びは鈍いままでした。

そこで速度が課題だと判定した生徒に対して私がやっていたのは、演習量を増やすことではなく、「1語1秒」で答えられるかを測る単語チェックでした。単語カードを見せて1秒以内に日本語が出なければ、その語は「知っている」ではなく「思い出せる」段階で止まっていると判断します。そのうえで、印のついた語だけを毎日30語、音声を流しながら口に出す訓練に切り替えます。後述する5ステップの①に、いったん全員を戻すという判断です。遠回りに見えますが、長文の読了時間が数週間で目に見えて縮んだ生徒が多く、私はこの切り分けを英語指導の出発点にしていました。

リスニングとスピーキングの扱いは自治体で異なる

⚠️ 「音声」の扱いは必ず自治体単位で確認を

公立高校入試の英語では、リスニングが独立した大問として出題されるのが一般的です。さらに東京都のように、中学校英語スピーキングテストの結果を都立高校入試に活用する自治体もあります。

配点や活用方法は自治体ごとに異なり、年度によって変更されることもあります。「去年の先輩がこう言っていた」を根拠にしないでください。確認先は、各都道府県教育委員会が毎年公表する「公立高等学校入学者選抜実施要項(実施要綱)」という文書です。「〇〇県 公立高校 入学者選抜 実施要項」で検索すれば、教育委員会の公式ページから当年度版に到達できます。

なお、合格に必要な得点の目安は自治体・学校ごとの差が非常に大きいため、本記事では具体的な点数を示していません。この点については、同じ実施要項および各校・各教育委員会が公表する選抜結果の資料でご確認いただくのが確実です。

高校受験の英語が伸びない3つの原因|公的データが示すつまずき

📊 この章でお伝えすること

「英語だけ伸びない」という相談を、私は指導歴の中で数え切れないほど受けてきました。そして原因は、ほとんどの場合3つのうちのどれかに収束します。まず全国データで全体像を確認し、そのうえで個別の原因に入ります。

データで見る中学生の英語|「話す」「書く」が突出して低い

🔢 全国学力・学習状況調査が示す技能別の課題

中3英語・発信技能に集中する課題(令和5年度) ■ 平均正答率 話すこと 12.4% 書くこと 24.1% 0% 50% 100% ■ 得点分布の形は、受容技能と発信技能でまったく違う 受容技能|聞くこと・読むこと ほぼ左右均等な得点分布 (極端な低得点への偏りは小さい) 発信技能|書くこと・話すこと 0点の生徒の割合が最も高い歪んだ分布 自分の考えを書く・話す問題の無解答率は約2割 出典:文部科学省・国立教育政策研究所「令和5年度 全国学力・学習状況調査 報告書(中学校 英語)」、 文部科学省「令和5年度全国学力・学習状況調査の英語の結果を活用した専門的な分析」(いずれも2026年8月6日参照) ※令和8年度調査の中学校英語は項目反応理論に基づくスコアで公表され、年度間の単純比較はできません

令和5年度(2023年度)の全国学力・学習状況調査では、中学3年生の英語のうち「話すこと」の平均正答率が12.4%、「書くこと」が24.1%と報告されています(出典:文部科学省・国立教育政策研究所令和5年度 全国学力・学習状況調査 報告書【中学校/英語】、2026年8月6日参照)。さらに文部科学省の専門的分析では、聞くこと・読むことがほぼ左右均等な得点分布であるのに対し、書くこと・話すことは0点の生徒の割合が最も高い歪んだ分布で、自分の考えを書く問題と話す問題の無解答率は2割程度と報告されています(出典:文部科学省令和5年度全国学力・学習状況調査の英語の結果を活用した専門的な分析、2026年8月6日参照)。

※本記事執筆時点で、技能別の平均正答率という形で参照できる直近の公表結果が令和5年度調査です。令和8年度調査の中学校英語は項目反応理論に基づくスコアで公表される方式に変わっており、年度をまたいだ単純比較はできません。最新の状況は公式資料でご確認ください。

💡 このデータを、私はこう読んでいます

この数字を「日本の英語教育の失敗」として語る記事は多いのですが、受験生にとっての実務的な意味はまったく別のところにあると私は考えています。

「話す」「書く」はアウトプット、つまり自分の頭から英語を取り出す技能です。ここが極端に低いということは、多くの中学生の英語知識が「見れば分かるが、自分では出てこない」状態で止まっていることを意味します。そしてこの状態は、実は読解の速度にも直結します。自分で組み立てられない構文は、読むときにも一瞬止まるからです。

私が現場で見てきた「英語が伸びない子」の共通点も、まさにここでした。単語帳の意味は答えられるのに、和文英訳になると手が止まる。そして、止まる構文はほぼ決まっていました。関係代名詞(the man who lives in Tokyo)、分詞の後置修飾(the girl playing the piano)、間接疑問文(I don’t know where he is)の3つです。

興味深いのは、この3つが書けない生徒は、長文の中で同じ構文が出てきたときにも必ず一度目線が戻るということです。名詞のうしろに文がつながる形を、自分で組み立てた経験がないため、読むときにも「ここで切れるのか続くのか」を判断できない。アウトプットの欠落が、そのまま読解の減速として現れる——これが、全国データの示す発信技能の弱さと、目の前の受験生のつまずきをつなぐ線だと私は考えています。だからこそ、後述する勉強法では「短文を自分で書く」工程を必ず挟むよう設計しました。

原因1|単語を「読める」で終わらせている

❌ 最も多い、そして最も損をしている状態

英語が伸びない受験生の圧倒的多数が、ここで止まっています。単語帳を見れば意味が言える。でも、英文の中に出てきたときに一瞬止まる。音で聞いたら分からない。自分では綴れない。

単語には「見て分かる」「聞いて分かる」「自分で書ける」の3段階があります。入試で必要なのは、頻出語については3段階目まで、それ以外は少なくとも2段階目までです。単語帳を1周して満足している状態は、まだスタート地点に立っただけだと考えてください。

📌 必要語数の目安

文部科学省の中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編では中学校で1600〜1800語程度、小学校学習指導要領(平成29年告示)解説では小学校で600〜700語程度の語を扱うとされています(2026年8月6日参照)。単純に合計すれば、中学卒業時点で2200〜2500語程度に触れている計算です。

ただし、これは「全部を完璧に暗記しなければ入試に対応できない」という意味ではありません。実際の入試問題で繰り返し登場する語は限られており、私の指導経験では、市販の高校受験用単語帳1冊を3段階目まで仕上げれば、公立高校入試の語彙面はほぼ足ります。語数について詳しくは高校受験に必要な英単語数と覚え方の記事で掘り下げています。

📈 語彙の負担は、旧課程より確実に増えている

学習指導要領の改訂で「扱う語数」はこう変わった 旧課程(平成20年告示) 中学校 1200語程度 現行課程(平成29年告示) 小 600-700 中 1600-1800語程度 計2200-2500語程度 出典:文部科学省「中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編」(1200語程度から1600〜1800語程度への改訂を明記)、 「小学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語活動・外国語編」(2026年8月6日参照) ※小学校分と中学校分を単純合算した参考値

旧課程で「1200語程度」とされていた中学校の語数は、現行課程で「1600〜1800語程度」に改訂されました(出典:文部科学省中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編、2026年8月6日参照)。保護者世代の感覚で「中学英語はこのくらい」と見積もると、実際の負担を過小評価します。語彙量の増加は、単語対策を後回しにできない直接的な理由です。

原因2|文法を「穴埋め問題」としてしか触っていない

❌ ワークの空欄は埋まるのに、長文で構造が見えない

学校のワークや塾のテキストは、単元ごとに問題が並んでいます。「関係代名詞の単元だから関係代名詞を入れる」と分かってしまう。これでは、文法を判断しているのではなく、ページの位置で答えているのと同じです。

入試の長文では単元名は書いてありません。目の前の1文がどういう構造なのかを、自力で判断する必要があります。ここが埋まっていない受験生は、文法問題は取れるのに長文で崩れるという典型的な失点パターンに陥ります。

原因3|長文を「和訳作業」にしている

❌ 全文を日本語に置き換えようとすると時間が足りない

丁寧な生徒ほど、長文を1文ずつ日本語に訳そうとします。真面目さゆえの失敗です。入試の長文は、全文を訳して理解する時間的余裕がない分量で設計されています。

必要なのは、英語の語順のまま意味のかたまりを追い、設問に関係する箇所だけ精密に読む切り替えです。ただし誤解しないでほしいのは、精読の力がない状態で「速読」をしても、それはただの飛ばし読みになるということ。だからこそ、順番が重要になります。

高校受験の英語勉強法は「順番」で決まる|積み上げの5ステップ

🧭 この章でお伝えすること

ここが本記事の中心です。英語は、他教科以上に「やる順番」で結果が変わります。以下の5ステップは、私が指導の現場で、特に英語が苦手な受験生に対して繰り返し使ってきた組み立てです。

高校受験の英語を伸ばす5ステップ

🔰 この順番を守ってください

① 英単語|音とセットで「聞いて分かる」まで
すべての土台です。音声を必ず使い、目・耳・口を同時に動かします。1日の量を多く、周回を速く。
② 文法|単元名を隠しても判断できるまで
中1のbe動詞から中3の関係代名詞まで、一気に通します。単元別ではなく、ランダム出題の問題集で確認します。
③ 短文の精読と英作文|自分で組み立てる
ここが最重要かつ、最も飛ばされやすい工程です。1〜2文の和文英訳で「取り出す力」を作ります。
④ 長文|語順のまま読む訓練
精読ができてから初めて量に入ります。時間を計り、読み方を固定します。
⑤ リスニング|①〜④の総合演習として
音声つき単語学習を続けていれば、ここでの伸びは速いです。過去問形式で仕上げます。

迷ったときは「一つ前のステップに戻る」のが正解です。長文が読めないなら文法へ、文法が判断できないなら単語へ。これを私は「戻る勇気」と呼んで、受験生に伝えていました。映像授業を使って各ステップを進める場合も考え方は同じで、英語講座を受ける順番を整理した記事のように、受講順を先に決めてから始めるほうが迷いません。

✏️ ステップ③を飛ばさせなかった理由

市販の勉強法では、単語 → 文法 → 長文という3ステップで語られることが多いと感じます。しかし私は、その間に「短文を自分で英語にする」工程を必ず挟ませていました。

では具体的に何をやらせていたかというと、量はごくわずかです。1日3文の和文英訳。それだけを、基礎固め期のあいだ毎日続けさせていました。教材は特別なものを用意せず、使っている文法問題集の例文をそのまま日本語から英語に戻すだけで十分です。

ポイントは3つあります。①その日に学んだ文法単元の構文を必ず1文入れる、②書いたら三単現のs・時制・冠詞だけを自己チェックする、③週末に、間違えた文だけをもう一度書き直す。3文なら5分で終わるので、他教科を圧迫しません。逆に「1日20文」のような量を課すと、ほぼ確実に続きませんでした。この工程は量ではなく毎日触れる頻度で効くというのが、私が現場で得た実感です。

先ほど紹介した全国調査で「書くこと」の正答率が低いという事実は、裏を返せばここを埋めるだけで周囲と差がつくということでもあります。私はこれを、高校受験の英語における最大の穴場だと考えています。

1日の学習配分の目安

🧮 英語に使える時間が1日60分の場合

時期単語文法・短文長文・リスニング
基礎固め期20分40分0分
演習移行期15分20分25分
直前期10分10分40分

あくまで目安ですが、どの時期でも単語をゼロにしない点だけは共通です。単語は貯金ではなく、放置すれば減っていく残高だと考えてください。全教科を含めた勉強時間の設計は時期別の勉強時間の目安をまとめた記事が参考になります。

分野別の高校受験英語対策|単語・文法・長文・リスニング・英作文

📋 この章でお伝えすること

5ステップの各段階を、具体的な手の動かし方まで落とし込みます。「何をやるか」ではなく「どうやるか」が成果を分けます。

英単語|1冊を高速で何周も、必ず音声つきで

✅ 効果が出やすいやり方

  • 1冊に絞る。複数の単語帳を並行させない
  • 1回100語を10分など、1周を速くして周回数を稼ぐ
  • 音声を必ず流す。綴りを見て黙読するだけの学習は避ける
  • 覚えていない語に印をつけ、2周目以降は印だけを回す
  • 週末に、印のついた語だけ「日本語→英語」で書けるか確認する

「1回で完璧に覚える」より「忘れる前にもう一度会う」ほうが、はるかに効率的です。

まだ1冊を決めていない方へ、選定の基準を3つだけ挙げます。①高校入試の頻出順に配列されている(アルファベット順や学年別配列は、優先順位が分からず効率が落ちます)、②音声が無料で入手でき、単語だけでなく例文にも音声がついている、③収録語数が1500〜2000語程度で、1冊で完結している。この3つを満たしていれば、あとはどれを選んでも大差ありません。選ぶことに時間を使わないことのほうが、はるかに重要です。

文法|中1から通しでやり直し、ランダム出題で確認する

⭕ 崩れやすい単元から優先する

英語が苦手な受験生を見てきて、つまずきが集中する単元はほぼ決まっています。優先度の高い順に挙げます。

  1. be動詞と一般動詞の使い分け(中1)|ここが曖昧だと全部が崩れます
  2. 三単現・過去形・過去分詞の使い分け(中1〜中2)
  3. 不定詞・動名詞(中2)|長文での出現頻度が高い
  4. 比較(中2)|形が多く、独学で抜けやすい
  5. 受け身・現在完了(中2〜中3)
  6. 関係代名詞・分詞(中3)|長文読解の難所

なお、現行課程では「現在完了進行形」や「感嘆文のうち基本的なもの」など、旧課程では高校範囲だった項目が中学校に加わっています(出典:文部科学省中学校学習指導要領(平成29年告示)解説 外国語編、2026年8月6日参照)。保護者の方が持っている教材で教える場合は、抜けが出ないようご注意ください。

確認は必ず、単元名が伏せられたランダム出題の問題集で行ってください。単元別の問題集だけで「できる」と判断するのは危険です。

長文読解|「戻り読み」をやめる訓練から

🔍 読み方を固定する4つの手順

① 設問に先に目を通す
何を探しながら読むのかを決めてから本文に入ります。
② 意味のかたまりごとにスラッシュを入れる
前置詞句・接続詞・関係詞の前で区切り、語順のまま追います。
③ 分からない語で止まらない
1段落読み終えてから、文脈で推測できるか確認します。
④ 解き終えたら必ず全文を精読する
ここが復習の本体です。訳せなかった1文を放置しないでください。

そのうえで、「戻り読み」を物理的にやめさせる訓練を1つだけ紹介します。精読が終わった長文を教材にして、①スラッシュごとに区切って音読を3回、②区切りを意識しながら通しで音読を2回、③最後に黙読で1回、時間を計るという手順です。同じ文章を5回音読すると、語順のまま意味が入る感覚がつかめます。新しい文章でこれをやっても効果は薄いので、必ず一度精読した文章で行ってください。

演習の価値は、解いた瞬間ではなく復習の精読と音読にあります。10題を解きっぱなしにするより、3題を音読まで仕上げるほうが伸びます。

リスニング|聞き流しではなく、聞き取れなかった箇所の特定を

❗ 「毎日聞き流す」だけでは伸びにくい

リスニングで伸び悩む原因は、大きく2つに分かれます。①そもそもその単語を知らない、②知っているが音と結びついていない。この切り分けをしないまま量を増やしても効率が悪くなります。

おすすめは、演習後にスクリプトを見て「聞き取れなかった箇所」に線を引き、それが①か②かを判定すること。①が多ければ単語学習に戻ります。

②(知っているのに聞き取れない)が多い場合は、短いディクテーションが効きます。1回30秒程度の音声を選び、①通して聞く、②書き取れるまで区切って3回まで再生する、③スクリプトと照合して聞き取れなかった箇所に印をつける、④その箇所だけを5回シャドーイングする、という手順です。1日1本、5分で終わります。音がつながる箇所(did you、want to など)に印が集中するはずで、そこが自分の弱点そのものです。

英作文|「書ける型」を10個持っておく

✅ 減点されない答案を作る考え方

入試の英作文で高度な表現は不要です。求められているのは「文法的に正しく、意味が伝わる文」であって、洗練された英語ではありません。

  • 自分が確実に正しく書ける構文だけを使う
  • 難しい日本語は、まず簡単な日本語に言い換えてから英訳する
  • I think that… / because… / It is … to … など汎用の型を10個用意しておく
  • 書いたら必ず、三単現のsと時制と冠詞を自己チェックする

型を絞ってミスを消すほうが、確実に得点になります。

✏️ 英作文の失点は、発想力ではなく「基本」で起きていた

英作文の添削をしていて意外だったのは、点を落とす理由がほとんど「書けなかったから」ではなかったことです。多くの答案は、内容としては伝わっている。それでも減点される。原因を分類していくと、私の手元では三単現のsの脱落、時制の不一致、冠詞と複数形の抜けの3つで大半を占めていました。

ここから私が受験生に伝えていたのは、「書き終えた瞬間に、内容を読み返すな。sと時制と冠詞だけを見ろ」という指示です。内容を読み返すと「もっといい表現があるのでは」と迷いが生まれ、結果として時間を使ったうえに新しいミスを増やします。チェックの対象を3点に固定してしまうほうが、同じ30秒でも回収できる点数が大きい。英作文は、表現力を上げるより減点要因を消すほうが速く点になる——これは、答案を見続けてきたからこそ言える実務的な結論だと思っています。

時期別の高校受験英語の学習計画|中1から入試直前まで

📋 この章でお伝えすること

同じ勉強法でも、残り時間によって優先順位は変わります。ここでは「今どこにいるか」別に、やるべきことを整理します。

中1・中2|受験勉強ではなく「定期テストで英語を落とさない」

📈 この時期の最大の投資

中1・中2で受験用の特別な対策は不要です。この時期にやるべきことは、定期テストのたびに英語の穴を残さないこと、それだけです。

英語は積み上げ型の科目なので、中1で開いた穴は中3まで残ります。逆に言えば、中1・中2の定期テストで英語を安定させておくことが、最も費用対効果の高い受験対策です。この時期に内申点を確保できることも大きな意味を持ちます。ただし内申点の算定対象となる学年や計算方法は都道府県によって異なり、中3のみを用いる自治体もあります。ご自身の自治体の扱いを必ず確認してください。

中3・1学期〜夏|基礎の総ざらいに全力を使う

🔰 夏に何をやったかで秋以降が決まる

この時期の主戦場はステップ①②③、つまり単語・文法・短文英作文です。長文演習を始めたくなりますが、基礎が固まっていない段階で始めても効率が悪くなります。

私が受験生に伝えていた目安は、「夏が終わるまでに単語帳1冊を3周、中1〜中3の文法を通しで1周」。ここが終わっていれば、秋以降の演習が機能します。夏期講習を検討する場合も、この2つが進むかどうかを判断基準にしてください。塾選びで迷う方は学習塾・家庭教師の比較ランキングで選択肢を整理できます。

秋〜直前期|過去問と失点パターンの潰し込み

📌 直前期にやるべきこと・やめるべきこと

やるべきことやめるべきこと
志望校の過去問を時間を計って解く新しい単語帳・問題集に手を出す
間違えた問題の原因を分類して記録する解きっぱなしで次の年度に進む
単語の「印つき」だけを毎日回す単語学習を完全にやめる
リスニングを毎日10分入れる直前になってリスニングを始める

直前期の失点は、知らない知識ではなく知っているのに落とした問題に集中します。だからこそ、原因の記録と分類が効きます。面接がある学校を受ける方は面接で見られるポイントと質問例もあわせて確認しておくと安心です。

今日からできる最初の一歩

🧭 まず今日、この3つだけやってください

① 志望校の過去問を1年分、時間を計らずに解く
課題が「知識」なのか「速度」なのかを切り分けます。
② 単語帳を1冊決めて、今日から音声つきで回し始める
何を使うか迷う時間が最ももったいない時間です。
③ 中1の文法問題を10問、単元名を見ずに解いてみる
ここで詰まるなら、迷わず中1まで戻ります。

この3つは、費用ゼロで今日中に終わります。やり方に確信が持てないまま1週間悩むより、まず現在地を測ってください。

高校受験の英語対策でやりがちな失敗と注意点

📋 この章でお伝えすること

ここまでの内容は「やること」の話でした。この章では、私が現場で何度も見てきた「やらないほうがいいこと」と、この記事の方法が向いていないケースを正直にお伝えします。

英検を取れば安心とは限らない

⚠️ 加点の有無は学校ごとに大きく違う

私が指導のなかで募集要項を確認してきた範囲では、私立高校を中心に、英検の級を出願要件や加点の対象とする学校が見られました。ただし全国の高校を網羅的に調べたわけではなく、その扱いは学校・都道府県ごとに大きく異なります。まったく考慮されない学校も珍しくありません。

「英検を取れば有利」という一般論だけで学習計画を組むと、入試本番の対策時間を削ってしまう可能性があります。志望校の募集要項を確認し、加点の有無と条件を把握してから判断してください。級・日程などの制度そのものは日本英語検定協会の公式サイトで確認できます。加点対象になると分かったうえで対策講座を検討する場合は、塾の英検対策講座の中身と向き不向きを整理した記事が比較の参考になります。

教材・塾を増やしても、英語は伸びない

❌ 不安を「量」で埋めようとする失敗

成績が伸びないとき、教材や講座を追加したくなる気持ちはよく分かります。しかし英語に関して言えば、教材が増えるほど1冊あたりの周回数が減り、定着しないまま終わるケースをたくさん見てきました。

特に単語帳の乗り換えは危険です。収録語の8割は重複しているのに、心理的には「ゼロからやり直し」になります。迷ったら増やすのではなく、今持っている1冊の周回数を上げてください。オンライン教材の併用を検討している方は、映像授業で高校受験に対応できるかを検証した記事で向き不向きを確認しておくと判断しやすくなります。

💬 単語帳を乗り換えた生徒に、その後何が起きたか

秋に単語帳を買い替えたいと相談してきた受験生を、私は何人も見てきました。理由はいつも同じで、「今のが自分に合っていない気がする」。しかし話を聞くと、たいてい2周目の途中です。合わないのではなく、まだ効果が出る段階に達していないだけでした。

実際に乗り換えた生徒に起きたことは、私の観察ではかなり一貫しています。新しい単語帳の最初の300語は既知の語ばかりなので、しばらくは順調に進む。ところが、前の単語帳で印をつけて潰しかけていた「苦手な語のリスト」だけが完全に消えている。結果、覚えにくい語との再会が数週間遅れます。

だから私は、乗り換えたいと言われたときは必ず「今の1冊で印がついている語だけを、3日で1周してから決めよう」と提案していました。ほぼ全員が、その3日で「まだ使える」と判断して乗り換えをやめます。教材を疑いたくなる時期は、実は定着の直前であることが多いというのが、私が現場で持っている感覚です。

この勉強法が向いていない人

🔺 正直にお伝えします

  • すでに英語が得点源になっている受験生|基礎に戻る工程は時間の無駄になります。難度の高い長文と英作文に時間を配分してください
  • 難関私立の独自形式に特化して対策したい受験生|本記事は汎用的な積み上げが中心です。過去問分析を優先してください
  • 自力で計画を管理し続けるのが難しい受験生|この方法は自習の設計が前提です。管理が難しいなら、進捗を見てもらえる環境のほうが結果につながります

「向いていない」ことは、その人の能力の問題ではありません。単に、今の状況に合う手段が別にあるというだけです。通塾型の個別指導を検討する場合は個別指導で英語が伸びる条件を検証した記事が、自宅で進捗を見てもらう形を探すならオンライン家庭教師の英語指導の実態をまとめた記事が判断材料になります。

📝 進路選択に関する注記

本記事の情報はあくまで一般的な傾向に基づくものです。最終的な進路・教育の選択は、お子様・ご本人と保護者が十分に情報を収集・比較検討したうえで行ってください。制度・入試要項は変更される可能性があるため、必ず各学校・各都道府県教育委員会の最新の公式情報をご確認ください。

よくある質問

❓ Q1. 高校受験の英語は何から始めるべきですか?

A. 英単語からです。単語が読めない・意味が出てこない状態では、文法も長文もリスニングも成立しません。まず中1・中2レベルの基本単語を音とセットで固め、そのうえで文法に進む順番が最短です。

❓ Q2. 高校受験の英単語は何語覚えれば足りますか?

A. 文部科学省の学習指導要領(平成29年告示)解説では、小学校で600〜700語程度、中学校で1600〜1800語程度を扱うとされています。中学卒業時点で2200〜2500語程度に触れている計算になりますが、入試で必要なのは全語の完全暗記ではなく、頻出語を確実に運用できる状態です。単語帳の選び方や周回の具体的なやり方は英単語数と覚え方の解説記事で詳しく扱っています。

❓ Q3. 英検は高校受験で有利になりますか?

A. 英検の級を出願要件や加点の対象とする学校は私立を中心に見られますが、全国の全校を調査したわけではなく、扱いは学校・都道府県ごとに大きく異なります。加点のない学校も珍しくないため、志望校の募集要項で必ず個別に確認してください。

❓ Q4. リスニング対策はいつから始めるべきですか?

A. 直前期からではなく、単語学習と同時に始めるのが効率的です。単語を音声つきで覚える習慣をつけておけば、それ自体がリスニングの基礎練習になります。まとまった演習は中3の夏以降で間に合うことが多いです。

❓ Q5. 中3の夏から英語を始めても間に合いますか?

A. 現在の学力と志望校によりますが、単語と中1・中2文法に絞って一気に戻せば十分に伸ばせる余地があります。逆に、基礎を飛ばして長文演習から入ると成果が出にくいため、遠回りに見えても戻る判断が重要です。

❓ Q6. 英語だけ極端に苦手な場合はどうすればいいですか?

A. つまずいた学年まで戻って原因を特定することが先決です。多くの場合、中1のbe動詞・一般動詞の使い分けか、中2の不定詞・比較のいずれかで止まっています。学校の進度に合わせず、その単元だけを短期集中でやり直す方が結果的に早く戻ります。

まとめ:高校受験の英語は順番と積み上げで伸ばす

インフォグラフィック

🎯 この記事の結論

高校受験の英語は、才能ではなく順番の問題です。単語 → 文法 → 短文英作文 → 長文 → リスニングの順に積み上げれば、英語が苦手な状態からでも動きます。

  • 入試の英語が測っているのは知識の量ではなく、取り出す速度
  • 伸びない原因は単語の浅さ・文法の穴埋め依存・長文の和訳作業のいずれか
  • 全国調査で「書くこと」の正答率が低い今、短文英作文は差がつく穴場
  • 直前期でも単語学習をゼロにしない
  • 教材を増やすより、1冊の周回数を上げる

✅ この勉強法が向いている人

  • 英語だけ点数が伸び悩んでいる
  • 長文演習を積んでいるのに手応えがない
  • 何から手をつければいいか分からず止まっている
  • 中3の途中から本格的に受験勉強を始めた

❌ 向いていない人

すでに英語が得点源になっている方、難関私立の独自形式への特化対策が最優先の方、そして学習計画を自力で管理し続けるのが難しい方には、本記事の進め方は合いません(詳細は前章をご覧ください)。

🗝️ 次にやること

この記事を読み終えたら、今日中に「志望校の過去問を時間無制限で1年分」解いてください。課題が知識なのか速度なのかが分かれば、明日からやることは自動的に決まります。

🎓 執筆者プロフィール

執筆者kouのプロフィール画像

kou|教育系Webライター・プロ家庭教師(フリーランス)
専門領域:中学受験/高校受験/大学受験/中高一貫校/浪人生/不登校・発達障害の学習支援

この記事を書く資格がある理由:中学生時代に早稲田アカデミーへ通い、慶應義塾高等学校に合格。慶應義塾大学経済学部在学中は早稲田アカデミーで多数の高校受験生を指導し、卒業後もプロ家庭教師として指導歴は10年を超えます。高校受験の英語を受験生として通過し、指導者として何百通りもの答案を見てきた立場から、教材紹介ではなく「順番」に焦点を当てて執筆しました。当サイトはいかなる教育機関にも忖度せず、メリットとデメリットの双方を開示する方針を掲げています。

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📚 調査概要

  • 調査対象:高校受験(主に公立高校一般入試)における英語の出題傾向と学習方法、中学校英語に関する公的統計
  • 調査方法:文部科学省・国立教育政策研究所の公開資料の調査、学習指導要領の確認、著者の高校受験指導経験に基づく分析
  • 調査実施日:2026年8月6日
  • 情報の限界:全国47都道府県すべての公立高校入試問題および私立高校の個別出題形式を網羅的に分析したものではありません。英検の入試優遇についても、全国の高校の募集要項を悉皆調査したものではないため、個別の扱いは各校の公式情報でご確認ください。また、著者は現在もプロ家庭教師として指導を継続していますが、直近年度の公立高校入試問題を全国規模で分析したわけではないため、最新年度の出題傾向については各自治体の公表資料をご参照ください。
  • 利益相反の有無:なし。本記事はアフィリエイト広告を掲載しておらず、特定の企業・団体からの依頼や金銭の授受もありません。

📚 参考文献・引用元

🏷️ 更新情報

公開日:2026年8月6日/最終更新日:2026年8月6日
※情報変更があった場合は随時更新します。